IEI(INFp、ロマンチック、作詞家、セルゲイ・エセーニン)
自我ブロック
第一機能:Ni(内向直観)
IEIは、時間の中に繰り返し現れるパターンや傾向を、非常に鋭く感じ取り、それを深く処理して意味を見いだすことに長けています。彼らはいつも、そして多くの場合は無意識のうちに、過去の行動に見られる流れをもとに、人間関係について評価し、判断し、将来を予測しています。状況や人の背後にある力学や本質的な動きについて、直観的に理解する力を持っていますが、そうした洞察は非常に内面的で概念的なため、すぐに言葉にして説明するのが難しいこともあります。
IEIにとって、「時間の流れ」は非常に鮮やかで複雑なものとして感じられます。彼らは想像力が豊かで、どこか神秘的だったり夢見がちだったりする傾向があるため、アイデアの実用性を重視する論理タイプ(LSEやSLIなど)からは、扱いにくい存在と見なされることもあります。IEIは穏やかで柔らかい雰囲気を持っており、反抗的な印象を与えることは少ないですが、彼らが心の中で抱いている願望は非常にあいまいで個人的なものであり、一般的な人間の欲求や社会的な期待とは大きくかけ離れていることがよくあります。
第二機能:Fe(外向倫理)
IEIは、時間の流れに沿って現れる人々の行動のパターンを読み取る力を、人の感情や雰囲気の観察・分析・操作に応用します。他者と関わろうとするとき、彼らは相手の気分を明るくしようと努めることで、「自分は関わるに値する存在だ」と感じられるようにします。これは、IEIが自分の価値を見出すための一つの方法でもあります。
IEIは、人と人との関係から生まれる感情について自然に語ることができます。誰かが傷ついていることを直観的に察知し、その人の気持ちを和らげたり、相手との和解をサポートしたりすることが得意です。また、場の空気を良好に保つために、自分に非があるように思えなくても「自分が悪かった」とすぐに認める傾向があります。そうすることで、相手に対して受け入れや善意を示し、雰囲気を前向きなものに保とうとします。
IEIの声や話し方には、しばしば演劇的な抑揚や感情の深みがあり、周囲の感情に影響を与えます。そのような表現によって、喜びや笑いを引き起こすこともあれば、悲しみや喪失感を共有して他者の共感を誘うこともあります。彼らは、感情の深みを表現するのがとても上手なのです。そして、もし場が静まりすぎて活気がないと感じたときには、あえて小さな対立や波風を立ててでも、雰囲気に再びエネルギーを与えようとすることがあります。
またIEIは、心からの深い言葉を口にした直後に、「今のはちょっと言いすぎたかな」と自分で気づき、それを冗談めかして笑い飛ばすこともよくあります。彼らは、冗談と真面目さの間に明確な線引きをしないのが自然なスタイルです(より計画的に表現するEIEとは対照的です)。IEIの表現は、基本的に即興的で、その場の雰囲気や気分に任せた、自然な流れの中にあるのです。
超自我ブロック
第三機能:Si(内向感覚)
IEIは、自分のまわりで起こっていることや、物の動きに長く注意を向けるのが苦手です。こうした分野にあまり関心がないことは自分でもうすうす感じており、それが弱点だと思っています。社会的な期待に応えようとしたり、何かを達成しようとして、この分野に取り組むこともありますが、たいてい集中できず、やっていても疲れるばかりで満足感を得られません。
そのため、IEIは「頑張って有能であろうとする時期」と「疲れてすべてを放り出したくなる時期」とを繰り返すような、波のようなパターンに陥りがちです。
感覚に関わる分野では、外からの情報にうまく対応するのが難しく、つい疑い深くなる傾向があります。逆に、特定のことには強くこだわり、細かいところまで気にすることもあります。好き嫌いもはっきりしていて、過去に楽しんだ刺激をまた求める傾向があり、新しいものにはあまり挑戦しません。
自分の体の感覚、例えばお腹がすいたり疲れたりといったことにも鈍感なことが多く、できるだけそうした感覚に注意を向けずにすむよう、自分なりのシンプルなルールを作ろうとします。例えば食事を楽しんでいても、満腹に気づかず食べすぎたり、逆に空腹を感じないまま過ごしてしまうことがあります。
IEIの部屋が散らかっているのは珍しくありませんが、それは単に、自分にとって自然で落ち着くスタイルを反映しているだけかもしれません。ときどき部屋を整えたり、自分らしさを出そうと工夫することもありますが、すぐに疲れてしまったり、飽きて途中でやめてしまうこともよくあります。ふだんは部屋の状態をあまり気にしておらず、気にするとしても「もっとちゃんとしなきゃ」といった、ぼんやりとした自己否定の気持ちが頭の片隅にあるくらいです。
第四機能:Te(外向論理)
IEIは、目標を達成するためにエネルギーを無駄にせず、効率的な方法を選ぶことにあまり集中できません。途中でエネルギーが切れたり、集中力が続かず、思うように進まないことにイライラしたり、「自分には向いていないのでは」と感じることがあります。彼らはこうした実務的な作業を重要視することが少なく、そのために予期しない失敗やつらい経験をすることがあります。
例えば、財務管理やビジネスの現実的な判断といった、目標達成に必要な細かい作業をすると、IEIはすぐに集中力が切れてしまいます。途中でミスに気づいたり、忘れていたことに気づくたびに、強いフラストレーションを感じます。こうした現実的な作業は、IEIにとって精神的に大きな負担となり、苦手意識を強めることがあります。
また、IEIは数字や統計のような、機械的で細かい情報を押し付けられるのがとても嫌いです。それよりも、物事がどのように流れ、最終的に結果に至るのかを直観で理解しようとします。指示的な人や、決まった作業を押しつける人には警戒心を抱き、できるだけ距離を取ろうとします。たとえ親しい友人や家族であっても、そうした作業を頼まれると避けようとすることもあります。日常的な雑用をこなすことにも、あまり楽しさや意味を感じていません。
IEIは決まりきったルーチンや、いわゆる「現実的」とされる日常の作業(例えば整理整頓やお金の管理など)にあまり興味を持ちません。そのため、現実感が薄く、夢の中にいるように感じられることがあります。この傾向から、物をなくしてしまうことがよくあり、そのたびに自分の不器用さや頼りなさを感じることになります。効率やスピードが重視される環境では、強いストレスを感じ、力を発揮できなくなることもあります。
超イドブロック
第五機能:Se(外向感覚)
IEIは、自分の意志や立場を使って他人に対抗することをあまり意識しておらず、そうした行動は面倒に感じることが多いです。そのため、自分の代わりにそうした役割を引き受けてうまくやってくれる人がいると、とても助かります。
IEIは、自然な自信と存在感を持っていて、自分の意志をはっきり通せる人に強く惹かれます。そういう人と一緒にいるだけで元気をもらえます。彼らは大きな夢を持ち、それを実現する力もあり、IEIがつまずきやすい障害にも動じません。
IEIは、自分から行動しようとすると迷いやすくなります。ですが、誰かが本気で「これをしてほしい」と強く願うと、その気持ちに突き動かされて、まるで自分の願いそのものであるかのように動くことができます。
第六機能:Ti(内向論理)
IEIは、客観的な基準やデータの関係を理解するときに、人の助けを必要とします。ただし、あまりに細かすぎる説明を与えられると、面倒に感じることもあります。IEIはこうした情報を自分で蓄えるのは得意ではなく、そうした力を持つ人には尊敬の気持ちを持ちます。また、自分には客観性が足りないのではと不安になることがあり、的確に補ってくれる論理的なパートナーを求めます。
IEIは、物事の本質を理解したいという気持ちを密かに持っていますが、外からの明確な基準がないと、考えが曖昧になりやすいです。筋道だった考え方や動機づけを与えてくれる相手がいないと、空想に没頭して現実とのつながりを失ってしまうことがあります。
IEIは、自分の考えが論理的に整理されていないことを自覚していて、どう整理すればよいか分からず戸惑うことがあります。アイデアやそのつながりをシンプルに整理する方法があれば、IEIにとっては大きな助けになります。ただし、その際にも自由に創造的に考えられていると感じられることが大切です。
イドブロック
第七機能:Ne(外向直観)
IEIは、外の世界にあるパターンやつながりにあまり重きを置きません。それは、内向直観によって物事の本質をすばやく見抜けるからです。例えば、外向的直観タイプの人が思考をAからCへと飛ばして展開するような場面でも、IEIは状況全体をひと目見て、その奥にある意味を直観的に理解します。そしてその理解を時間をかけて深めながら、物事の核心に近づこうとします。
IEIは、状況についていくつもの可能性を思いつくのが得意ですが、それらの様々な可能性よりも、自分の直観で得た本質的な理解のほうを重視します。
第八機能:Fi(内向倫理)
IEIは、自分が他人にどう感じているかや、自分の感情の全体的な状態をよく理解しています。ただし彼らの関心は、特定の誰かとのつながり(関係性)よりも、自分の内面や周囲で動いている「感情のエネルギーの流れ」に向いています。
他人との関係の状態を把握するのは得意ですが、必要がなければあえて判断しようとはしません。例えば「この人が好き」「この人が苦手」といった固定的なラベルをつけると、そのときどきの感情の流れを妨げてしまうと感じるからです。
それでもIEIは、親しい人とのつながりをとても大切にしていて、その関係を保つために努力を惜しみません。
IEIは、内面の感情が体の感覚として強く出ることがあります。例えば、軽い頭痛や腹痛といった症状が、外からのプレッシャーで物事が遅れているときなどに起こりやすくなります。そうなるとIEIは、自分の内側にこもって、ストレスの原因について長時間考え続けることがあります。その結果、人と会うのを避けたり、閉じこもりがちになることもあります。そして心の中の問題をどうしても解決できないときには、まるで悪夢の中にいるように感じることさえあります。
ソーシャル・ロール
IEIの一般的なソーシャル・ロール(社会の中で、人が自然と演じがちな役割やキャラクター)は下記のようなものです。
- 詩的に自分の独自の人生観を表現することに夢中で、日常的な人間関係や現実的な出来事にはほとんど関心を持たない詩人。
- あらゆる派閥と良好な関係を保ちながら、政治や組織の混乱の中でも巧みに生き抜く人物。
- グループに所属することを好み、冗談で場を和ませる気さくな人物。