第1機能「良いもの」客体的倫理（Fe）
「私を愛さないなんてありえない！」
このタイプの人は、人と人との関係や他人の感情に深く関心をもち、他者との調和を人生の中心に据えています。人に好かれるコツを自然と身につけており、周囲の雰囲気を温かく、心地よいものにする力を持っています。
対人関係においては、誰が誰にどんな気持ちを抱いているのかを非常に重視し、一度築かれた感情的なつながりが変わらないことを強く望みます。そのため、人の気持ちが変化したり、相手の印象と自分の評価がずれていたりすると、強い不快感を覚えることがあります。特に、他人に対して悪意を持った言動や、利己的・非道徳的なふるまいは、強く拒絶します。このタイプにとって、そうした人はまるで闘牛にとっての赤い布のような存在で、強い感情的反発を引き起こします。
また、自分が好かれていると感じる相手には深く心を寄せ、関係を大切にし続けます。人間関係は変化するものではなく、基本的に固定されたものだと考える傾向があり、「この人はもう変わってしまった」と言われても、その変化を信じたがらないところがあります。それほどまでに、関係性の安定と一貫性が重要なのです。
このような姿勢から、「良い人はいつまでも良い人で、悪い人はこの先永遠に悪いままに決まっている」といった、はっきりした対人評価の枠組みを持つことが多く、それが崩れると混乱や苛立ちを引き起こします。たとえ明らかに相手の態度が変わっていたとしても、関係の悪化を直視せず、「これはきっと、別の誰かのせいに違いない」と現実をすり替えてしまうことさえあります。意図的に人間関係を壊そうとすることはまずなく、むしろ複数の安定した関係の中で自分を形づくっています。誰とも関係が持てず、自分を必要としてくれる人がいないと感じると、自分の存在そのものが無意味に思えてしまうこともあります。
このタイプにとって、理想の世界とは「優しく、愛情に満ち、人が互いに思いやる場所」です。そのため、「すべての人がみな互いに愛し合うべきだ」と説く宗教的コミュニティに魅力を感じ、惹かれることもあります。他者から感情的な反応を引き出せないとき、このタイプは内面で強い苛立ちや無力感を覚えます。彼らには「様々な状況には、それにふさわしい感情表現がある」という強い信念があり、それにそぐわない態度や反応を目にすると、不自然さや違和感を感じてストレスになります。また、どんな状況であれ、それを「人と人との関係の集合」として捉える傾向があり、自分が注目されたり、誰かに必要とされていると感じることが重要です。
第1機能と第3機能の関係：このタイプは、世界が愛にあふれたものであってほしいと心から願っています。だからこそ、対立や争いが起きたときには、第1機能（対人関係の調和）と第3機能（自己評価や自己イメージ）の両方が同時に傷つき、大きなストレスを感じます。外の世界の衝突は、自己の中核に直接響く出来事になるのです。
第2機能「必要」主体的感覚（Si）
このタイプは、自分自身の身体感覚に非常に敏感で、食事や香り、肌ざわりといった五感の快楽に強い関心をもっています。そして、それらの心地よさを他人にも味わってもらいたいと考える傾向があります。例えば、料理が得意で、サンドイッチひとつをとってもおいしく仕上げる自信があり、自分と同じように料理を楽しむ人と腕を競いたいと感じることもあります。料理には創造的に取り組み、時には工夫が行きすぎて、かなり風変わりな味や見た目になることもあります。
五感に関わる新しい体験――珍しい食材、独特な香り、印象的な肌ざわりなど――に対して強い好奇心をもち、そうした感覚を試すこと、そしてそれを他人にも試させることに喜びを感じます。例えば、珍しいエキゾチックな料理を勧められれば、ほとんど迷わずに「ぜひ」と応じるでしょう。
このタイプは、マッサージが得意なことも多く、身近な人の身体的な快適さに細やかな気配りを見せます。快適さとは無縁な環境にあっても、自らの工夫で心地よさを作り出す力があります。また、医療や健康に関する関心も高く、たとえ経験がなくても、野外での応急処置のような状況に積極的に関わろうとすることがあります。他人の身体を癒すこと、健康にすること、美しく整えることに意欲をもっており、体を鍛えることや見た目を整えること、ダイエットなどを通して、自分や他人の身体をよりよくするための実践的な工夫を続けます。一日のうちに何度も「このベリー、食べてみない？」「この花、すごくいい匂いだよ」「マッサージしてあげようか？」「このジャム入りのキャンディー、おいしいよ」といったふうに、身近な人に感覚的な楽しみを提供しようとする様子が見られるかもしれません。
また、人から「気持ちがいいことをしてほしい」と頼まれた場合、断るのが難しくなることがあります。そのため、時にはやや変わった種類の感覚的な体験にも付き合ってしまうことがあります。これは、相手の要望に応えたいという気持ちが強く働くからです。
第3機能「問題」客体的直観（Ne）
「どうすれば人生を“楽園”のようにできるのか」
このタイプの人は、人生で何か大切なものを取り逃すのではないかという不安を常に抱えています。外の世界には多くのチャンスがあるのに、自分だけが取り残されるのではないかと感じ、焦りを感じます。そのため、一生懸命動き続けているのですが、結果としては現状を維持するだけになってしまうことも少なくありません。
彼らの自尊心は、外の世界がどれだけ整っていて調和しているかに大きく左右されます。身の回りの状況にひびが入ることをとても恐れており、少しでも不調和があるとすぐにそれを正そうとします。例えば、家庭でケンカが起こった場合、その対立がむしろ関係の改善につながるとしても、それを避けてでも皆を仲直りさせようとする傾向があります。関係がすでに終わっていても、何とか繋ぎとめようとするのは、外的なまとまりが壊れてしまうことへの強い抵抗感からです。
そのような外的な「整った状態」を守るために、自分の気持ちや希望を後回しにすることもあります。たとえば、近所の人が家庭菜園を始めたら自分も始める、新しい映画が話題になれば必ず観に行く、流行にも敏感に反応するといった具合です。これらの行動は、単なる外の世界への関心ではなく、「社会のペースに遅れまいとするマラソン」のようなものになっています。
自然の中にいることを好むのも、このタイプの特徴です。自然は変わらず調和している存在であり、安心できるのです。一方で、物事がはっきりしない状況や、矛盾を含んだ環境には強いストレスを感じ、それを何とか明確にしようと努力します。たとえ状況を安定させることが難しい場面でも、できる限り変化を避け、同じ状態を保とうとします。
この客体的直観（Ni）が「能動的に防衛」されているときは、外の世界の変化に合わせて自分自身を柔軟に調整し、表面的には状況を安定させることができます。そうすることで、なんとか全体のまとまりを保とうとするのです。一方で、この機能が「受動的に防衛」されている場合、変化を避けられないことを受け入れ、流れに身を任せてしまいます。結果として、周囲の変化についていけず、自分が理想としていた世界を保てなくなったことを認めざるを得なくなります。
このタイプの人は、祝日や伝統的な行事を好む傾向もあります。それらは人々に一時的にでも調和をもたらし、社会全体をひとつにまとめる働きをしているからです。彼らは「人並みの幸せ」や「みんなと同じような生活」を強く望み、自分の理想を現実の世界の中に再現しようとします。つまり、すべてが順調で、問題のない「理想的な世界」をつくり上げたいという気持ちが強いのです。しかし、それが不可能だと認めることは、自尊心に大きなダメージを与えるため、彼らはその現実に直面することを避けようとします。代わりに、おとぎ話のような物語やハッピーエンドの映画を好みます。そうした物語の中に、一瞬でも「理想が叶った世界」を感じることができるからです。
また、占いや星占い、タロットカードなど、少しでも理想の世界づくりに役立ちそうなものには強く惹かれます。宗教的な信仰に心の拠り所を見いだすことも多くあります。彼らにとって、「魔法のような世界」は、「魔法のような手段」でしか実現できないのです。
第4機能「欲求」主体的論理（Ti）
「鍵は、隠されている場所ではなく、明るくて、自分が“そこにある理由を理解できる”場所で探すべきです」
このような言葉は、第4機能に主観的論理をもつ人の理解スタイルをよく表しています。彼らは、自分の感覚や常識で「わかりやすい」と感じる状況においてのみ、物事を深く考えようとします。言い換えると、自分が納得できる環境でなければ、そもそも思考や探索を始めようとしないのです。
このタイプの人は、理解できないことや複雑な状況を避ける傾向があります。特に、「理屈として筋が通っていない」と感じられる場面には強い抵抗を示します。一方で、自分にとってわかりやすく整理された状況には安心感を覚え、その場にとどまろうとします。ESEは、難しいことを噛み砕いて説明してくれる人を強く求めています。そして、そうした人に信頼や依存を寄せることもあります。逆に、「これは難しい」と言われただけで、その物事に関心を持たなくなり、早々に離れてしまうこともあります。反対に「これは簡単だ」と言われれば、実際に理解できるかどうかにかかわらず、その言葉に暗示されて「簡単なのだ」と思い込み、すんなり受け入れる場合もあります。
このように、彼らは他人の「理解している様子」や論理的な説明に非常に影響されやすい特徴があります。たとえ内容が非現実的であっても、理屈として成り立っているように見えれば、それを信じてしまうことがあります。そのため、詐欺的な説明や論理に騙されやすいというリスクを常に抱えています。
学ぶことそのものには積極的ですが、その意欲が発揮されるのは、説明が丁寧で論理的に整理されている場合に限られます。反対に、ただ用語や事実を並べるだけの講義には強い不安を感じます。彼らにとっては、情報が一つひとつ納得できるかたちで説明されていることが学習の前提条件だからです。また、誰かに「これは簡単で、理解できて当然だ」と言ってもらえることが、ESEにとっての安心材料になります。そうした説明があれば、その場を快適な場所と感じることができるのです。反対に、どうしても理解できない状況に置かれ、そこから逃げることができない場合には、「退屈だ」と言って興味がないふりをしたり、わざと“わからない人”を演じたりすることもあります。これは、その場に適応するための防衛的なふるまいです。さらに、自分が理解できていないことを知っている相手が、あえて説明しようとしない場合、強い苛立ちを覚えることがあります。「知っているなら、なぜ教えてくれないのか」と感じ、その態度を冷たさや侮辱と受け取ることもあるのです。
このようなESEにとって理想的な環境とは、「すべてが明確に理解でき、先の展開も予測可能な場所」です。そうした環境に身を置くことで、ようやく安心して自分らしく振る舞うことができるようになります。
第-1機能「悪いもの」主体的倫理（Fi）
自分自身の「誰かや何かに対する感情」や「好悪の判断」は、まるで最初から存在しないかのように脇に置かれます。その代わりに、まわりの意見や社会的な評価に強く影響されるようになります。世の中で「これは良い」「あれは悪い」と言われていれば、それが自分の感覚と正反対であったとしても、それに従ってしまいます。ESEは、自分の本当の気持ちを口にすることはまずありません。そうしたことはきわめて個人的な領域の話であり、他人に話すべきではないと感じているためです。その代わりに、他人同士の関係性や、社会の中での立ち位置など、「外側の関係性」を通じて自分を理解しようとします。
自分の気持ちを尋ねられると、極端に戸惑い、はぐらかすような態度をとることがあります。本人にとっては、それを答えること自体が非常に難しいのです。「本音を話してほしい」と求められても、あの手この手でうまくかわしながらも、周囲から否定的に見られないように注意深く振る舞います。場合によっては、内心の感情とはまったく違っていても「自分も皆と同じ考えだ」と信じ込もうとすることすらあります。その結果、周囲から見ると「本音を隠して周囲に合わせている」ように見え、やや偽善的な印象を与えることもあります。実際に本人が問題に気づいていなかったり、多数派の意見に無批判に従ったりしているように映るからです。
集団の中でうまくやっていくためであれば、自分の感情や評価を変えることにためらいがありません。さらに、自分の中に芽生えた感情を「価値のないもの」として無視することもあります。たとえば、ある人物に対して好意を持っていても、その人が周囲から評価されていないと、「そんな気持ちは自分にふさわしくない」と判断し、意識の外へ押しやってしまうことがあります。ときには、自分の態度そのものを、周囲の態度と同じになるよう「演じる」ことさえあります。
この第-1機能は、ふだんは抑圧されており、本人の行動にはあまり表れません。ただし、主機能である第1機能がうまく働かなくなった場合には、補うようなかたちでこの機能が活性化することがあります。たとえば、周囲から攻撃されたり、強く批判されたりして、それに抵抗する必要に迫られたときには、突然率直すぎる発言をしたり、ふだんは隠していた感情をあけすけに語ったりすることがあります。そのようなとき、自分の内面と外の世界が一時的に結びつき、本人の意見が周囲に伝わるようになります。そうなれば、もはや隠し立てする理由はなくなり、率直な姿勢で行動できるようになります。「裏でこっそり思っている」状態から脱し、開かれたかたちで自分を表現できるようになるのです。
第-2機能「不必要」客体的感覚（Se）
このタイプにとって、力を使うことは例外的な手段であり、基本的には避けるべきものとされています。たとえば暴力を用いる場面は、ごく限られた極端な状況、たとえば命に関わるようなときにしか許容されません。たとえ攻撃されたとしても、できれば穏便に解決できないかと考える傾向があります。つまり、「力を使うのは本当に特別な場合だけ」という考え方が強く、それ以外のケースでは、乱暴さや強引さに対して強い嫌悪感を示します。
同様に、「何があっても目標を達成する」といった強い意志や、苦労を押してでも前に進む姿勢には距離を置きがちです。あえて苦労するよりも、自然な流れの中で物事を進めたいと考えます。外見にはある程度の注意を払いますが、それが洗練された印象作りに結びついているとは限らず、イメージ戦略においてはあまり器用ではない傾向があります。
金銭感覚についても安定性に欠けるところがあり、娯楽や気分転換のために散財しやすい傾向があります。気がつくと借金をしていることもあります。とはいえ、収入自体は標準的な手段で得ることが多く、日々のささやかな楽しみやご褒美のために使うことを重視しています。大きな財を築くよりも、自分の心地よさや快適さを保つことを優先するタイプです。
ただし、そうした「快適さを大事にする」感覚が長いあいだ満たされない場合、たとえば自分の居場所が見つからなかったり、感覚的な満足を得られなかったりすると、不満が噴き出すことがあります。その結果、他人に対して攻撃的な言動が出たり、突然怒りをぶつけたりすることもあります。まれに手が出ることもありますが、こうした行動は本質的には相手を遠ざけるのではなく、「他人に近づくための手段」として現れます。感情を爆発させたあとで、相手をなだめたり、いたわったり、「かわいそうに、こっちへおいで」と優しく接したりすることで、人とのつながりを回復しようとします。そのようにして、自分の役割や存在意義を改めて実感することができます。
第-3機能「問題解決」主体的直観（Ni）
外の世界で物事がうまくいかず、人間関係や状況との調和が崩れていると感じると、内面の調和を取り戻すことで問題を解決しようとする傾向があります。たとえば、アルコールに頼ることもあれば、以前から準備していたさまざまな手段に助けを求めることもあります。心理カウンセリングを受ける、自己暗示や瞑想を行う、気分を明るくしてくれる友人と話すといった方法が典型的です。
ただし、こうした対応が見られるのは、本人が「もうどうにもならない」と感じるような、非常に苦しい状況に限られます。ふだんは内面の安定にはあまり目を向けず、主に外側の問題に対処することに集中するのが特徴です。すべての問題を無理に整えようとしたり、ただやみくもに問題を押し込めて見えなくしたりするのは、かえって逆効果です。そうした方法では、本質的な解決にはつながりません。問題が表れるということは、何かを見直したり、新しいアイデアを考え出したりする必要があるというサインなのです。
もしESEが、問題を避けるのではなく、新たな発想につなげていく姿勢を身につけることができれば、外の世界の問題もよりスムーズに乗り越えられるようになります。反対に、そうした姿勢が身につかないままでいると、見えなくしたはずの問題が後になって、さらに大きな形で浮上してくる可能性があります。
第-4機能「やりたくない、怖い」客体的論理（Te）
これは、現実の出来事や具体的な情報に対して不安や抵抗を抱きやすい領域です。ESEの場合、現実的な課題を前にしたとき、「難しそう」「怖い」「やりたくない」と感じてしまう傾向が強くなります。例えば、「免許を取らないといけない」とは思っていても、実際に運転することを考えると、不安が先に立ちます。運転には注意力や判断力が必要で、交通ルールを覚えたり、車の操作を同時にこなしたりする必要があります。こうした複雑なことを一度に処理するのは難しそうだと感じ、「無理かもしれない」「怖いからやめておこう」と、行動を先延ばしにしてしまいます。頭の中では「免許を取らないと」と考えていても、実際には何もしないまま時間だけが過ぎていくのです。
この機能の影響は、日常生活の中にも表れます。例えば、家の中が散らかっていたり、修理が必要だと分かっていても、「片付けなきゃ」「何とかしなきゃ」と思うばかりで、実際には手がつけられないことがあります。掃除や修繕といった作業は、気が重く感じられたり、どこから始めればよいか分からなかったりして、つい後回しにしてしまうのです。そうしているうちに、家の中はどんどん散らかっていき、「アナーキー（無秩序）」のような状態になってしまうこともあります。そして、どうにもならなくなった時点でようやく「バルコニーを片付ける」「物を捨てる」といった行動に踏み出すことになります。
また、「自分のやりたいこと」や「実現したいアイデア」があっても、それを実行に移すのが怖いと感じることがあります。計画を始めるだけで、自分が苦手とする現実的な問題に向き合わなければならないからです。そのため、「やるべきか、やめるべきか」と悩むばかりで、実際に行動を起こせないまま立ち止まってしまうことが多くなります。何かを変えるという決断そのものに強い抵抗感があるのです。
さらに、唐突に事実だけを伝えられるような状況にもストレスを感じやすい傾向があります。情報の背景や意味が説明されないまま提示されると、「それが何を意味しているのか分からない」と不安になり、動揺します。例えば、医師に「ヘルペスですね。この薬を塗ってください」とだけ言われて何の説明もなく立ち去られると、「ひょっとしてヘルペスって恐ろしい病気？」「私は状況をまったく理解できていないのでは？」という恐れが湧いてきます。いっそ、何も知らされない方がマシだと感じることもあるでしょう。
このような不安が強まると、自分のいる場所や状況が理解できないまま、逃げることもできないという感覚に陥ることがあります。そうなると、この機能が無意識のうちに作動し、自分が「確実に分かっていること」を話し始めるようになります。例えば、「地球は太陽の周りを回っている」といった誰もが知っている事実について話すことで、自分が置かれている場に安心感を取り戻そうとします。もしその話に誰かが応じてくれたなら、さらに情報を得て理解が深まることもあり、不安は次第にやわらいでいきます。つまり、「分からないこと」が「分かること」に変わることで、その場の居心地が少しずつよくなっていくのです。
要約
このタイプは「合理型」に分類されます。内面的には、思考や行動に一貫性があり、予測しやすい特徴を持っています。一方で、外から見える印象はその逆で、服装、職業、成果物などにおいては、個性的で型にはまらない傾向が見られます。
ESEの第1機能は、「起こりやすい出来事（高確率の事象）」と結びついており、それが保守的な性格として表れることがあります。安定を重視し、予想外のことには慎重な姿勢をとりがちです。その一方で、このタイプが生み出す成果物もまた「起こりやすいこと」と関連しており、一定の規範性や安定感を備えているため、肯定的に評価されることもあります。
ESEは外向タイプであり、自分を「世界の一部」として自然に受け入れています。自分自身のことは分かりやすく感じているため、他人に自己開示することにためらいはありません。しかし、外の世界に対しては複雑でつかみどころのないものという印象を持ちやすく、環境を操作したり指示を出したりすることには不慣れです。その代わり、外界を観察し、学ぶことに興味を向けます。
主機能に根ざした欲求は、見た目の印象にも表れます。活発で活動的に見え、常に何かに取り組んでいるような印象を与えます。顔色がよく健康的に見えることも多く、これは伝統的に「胆汁質（コレリック）」と呼ばれる気質と関連づけられています。ただし、自尊感情（自己評価）は不意に下がることがあります。これは一般的に弱い機能に結びついているためです。本人にとっても予測しにくい心の動きであり、自己理解の限界にもつながる部分です。
また、このタイプは、情報が絶え間なく流れ込む環境に強く、量的にも質的にも多様な情報を処理する力があります。つまり、自分の進むべき方向を見定め、状況に応じて適切に行動できる柔軟さと実行力を備えているのです。
タイプの特徴
- 妥協的（自信の領域）：自分に自信がありながらも、他者とのバランスをとるのが得意です。
- 味わい深い（確信の領域）：ものごとの魅力や楽しさを深く感じ取り、確信をもって関わることができます。
- ロマンチック（情緒の領域）：理想や美的価値に惹かれやすく、豊かな感受性をもっています。
- 理解がある（受容の領域）：他人の気持ちや立場をよく理解し、受け入れる姿勢があります。
成功の鍵
- 自分の居場所や環境が明確で、安心して過ごせること
- 周囲と調和しつつ、自分の力を活かす機会があること
- 思いやりや愛情にあふれた人間関係の中で暮らせること
- 自分の手で快適な環境をつくる能力が評価されること
職業
サービス業、自然環境に関わる職業、マッサージ師、建設業、エステティシャン、美容関連の仕事、食品関係、医療分野、音楽家、芸術家、家具職人、インテリアデザイナー、観光業など。
