第1機能「良いもの」客体的感覚（Se）
「俺は最強の男だ、新米ども」
SEEは、自分の身体的な力や能力に強い自信を持っています。「自分は誰よりも強い」と信じており、その考え方は日常の行動や態度に色濃く表れます。何ごとに対しても「自分ならできる」と思い込み、自分が正しいと感じることは、他人にも当てはまるはずだと考えます。そのため、強引で押しつけがましい印象を与えることもあります。行動や存在感には常に圧力があり、「周囲の場所を占拠している」ような雰囲気を感じさせます。例えば、大きな象が陶器の棚の間を歩いているような印象です。自分が肉体的に強いと感じている場合は、力のない人を見下します。反対に、自分が弱いと感じているときは、力のある人を「粗暴な人」として否定することがあります。お金の扱いは比較的上手ですが、極端に用心深くなるか、逆に自信過剰になりすぎるかのどちらかに偏りやすい傾向があります。SEEにとって、人生とは「強い者が勝つ世界」であり、物事の善し悪しは力の有無によって判断されがちです。誰かに自分の話を聞いてもらいたいときは、まず相手に「自分は尊敬に値する」と思わせなければなりません。人の弱さを見つけると、それを欠点だとみなし、時にはその弱みを利用することさえあります。ただし、それに対して罪悪感を抱くことは少ないようです。
普段から活動的で、じっとしていることが苦手です。常に何かに取り組み、スキルを高めようとします。その力強さは一目でわかることが多いのですが、柔軟さに欠けるため、やや頑固で古風な印象を与えることもあります。「どんなことでも一番になりたい」という欲求が強く、期待通りに結果が出ないと強い怒りを感じます。また、自分の実力を疑われると、反射的に攻撃的な反応を見せることもあります。スポーツなど体を使う分野では高い潜在能力を持っていますが、自分を過信しすぎる傾向があるため、ケガや無理のしすぎには注意が必要です。SEEは、「強さ」と「技術」を大切にしており、自分の見た目や外見にも自信を持っています。いちいち他人に認めてもらう必要はないと考えており、自分の考えや判断に従って行動します。そして、それが正しいと信じて疑いません。力を使うことにも抵抗がなく、誰かに反対されるとすぐにイライラした態度が出ます。特に、言われたことをすぐには理解できず、まず感情的に反応してから、時間をおいて少しずつ内容を理解していくことが多いようです。これは、この機能が「非合理的（思考と直接つながっていない）」だからです。
他人の意見を素直に聞くことは少なく、自分でうまくいかないときや、相手を心から尊敬しているときに限って耳を傾けます。危険な状況や極端な体験を好む傾向もあります。なぜなら、そうした状況に身を置くことで「自分は本当に生きている」と感じられるからです。また、非常事態に行動して結果を出すことで、社会からの承認を得やすいと感じる場合もあります。SEEは、まず行動してからその意味を理解する、という順番で動く傾向があります。理屈よりも実際の行動を重視しており、「困難を自分の力で乗り越える」「勝つことがすべて」といった考え方を持っています。「熊を倒せる男こそ本物」といった極端な例えに、自分の理想像を重ねることもあります。恋愛においても、相手を強引に引き寄せ、自分の力で勝ち取ろうとするタイプです。すべては自分の行動と実力次第だと思っており、そのため相手の気持ちや状況がうまく運ばなかったときには、非常に強い挫折感を味わいます。最大の弱点は、「人生のすべてが自分の力だけではどうにもならない」という現実を受け入れるのが苦手なことです。努力してもうまくいかないことがあると、深く落ち込み、自分を「失敗者」として責める傾向があります。
服装や外見にもこだわりがあり、「自分は見た目も良い」と信じています。何もできずに待つしかない状況や、物事がはっきりしないまま続くような「宙ぶらりんな時間」は苦手で、すぐにでも何か行動を起こしたくなります。常に何かをしていないと落ち着かず、働きすぎたり、無理をしすぎたりする傾向があります。立ち止まって冷静に考えることが苦手で、会話中に沈黙があると、それをすぐに行動で埋めようとします。話すときにも、「何をするべきか」「どう行動するか」といった実践的な話題が自然と出てきます。
第1機能と第3機能：SEEにとって、「キャリア（仕事や実績）」はとても重要な意味を持っています。どんな分野かは問題ではなく、自分なりの形で仕事上の成果が得られていないと、内面的に不安定になります。自分の中に「何かが欠けている」と感じ、その結果として精神的なバランスを崩すこともあります。
第2機能「必要」主体的倫理（Fi）
「私は全力で人を愛します。だからこそ、それ以上の愛をくれる人に出会えたら本当にうれしいです」
SEEは、自分の感情や好き嫌いを大切にしており、それを他人にも伝えたいという気持ちが強くあります。何が正しく、何が間違っているか、自分なりの価値基準を持っていて、それをもとに周囲を判断し、評価する傾向があります。自分の感じたことをそのまま相手に伝えることができ、「これは好き」「これは嫌い」「これは良い」「これはよくない」と、率直な態度で接するのが特徴です。ただし、その評価は一定ではなく、感情によって変わることもあります。同じ相手に対して、朝は好意的だったのに、午後には否定的になり、夜にはまた好意的になる、ということも珍しくありません。そのため、恋愛では感情が盛り上がりやすい一方で、気持ちが安定しにくい面もあります。こうした人は、自分の感情や価値観をきちんと受け止めてくれる環境を求めています。特に、美的感覚や感情の機微が評価される場――例えば芸術監督やクリエイティブ・ディレクターのような仕事――では、高い能力を発揮します。自分の判断に対して周囲の賛同や共感があると、安心して能力を発揮できるのです。一方、一般的な管理職などでは、自分の価値観が受け入れられにくく、やや居心地の悪さを感じることがあります。
SEEにとって、人を褒めたり注意したりすることは、特別な行動ではありません。日常的に自然と行われることです。例えば、「昨日は褒めたけれど、今日は叱る。明日にはまた褒める」といった具合に、その時々の気持ちで対応します。ただし、こうした振る舞いが社会的に認められるには、それを正当化できる立場や肩書きが必要になることもあります。そうでない場合、単に感情的な人として受け取られやすく、周囲からの理解を得にくくなる可能性があります。実際、感情に基づく評価を遠慮なく表に出す人は、他人から煙たがられることがあります。そのため、本人としては「自分の価値観が受け入れられる場所で働きたい」という思いが強くなります。自分の感性や判断を「社会にとって価値あるもの」として認めてもらえる立場にいることが、心の安定にもつながるのです。SEEは、新しい場所に行くとすぐにその場の空気を読み取り、「これは自分に合っている」「これは好きじゃない」と素早く判断します。ときには、自分の価値観に合わないものを見つけると、環境を変えようとしたり、意見をはっきり述べたりすることもあります。そのため、「他人のルールに従うのではなく、自分のルールを持ち込む人」と見られることがあります。また、何も問題が起きていない平和な状況よりも、意見がぶつかり合うような場の方が、生き生きとする傾向があります。対立や議論の中で、自分の感情や考えを発揮する場が得られるからです。
人の悩みや感情に対して関心を持ち、相手の立場に共感する力もあります。そのため、人との信頼関係を築くのが得意で、政治家のように人々の意見を汲み取る仕事に向いている面もあります。何を望んでいるのかを察し、それに応じて振る舞う力があるのです。ただし、感情面での不安定さから、人間関係は長続きしにくいこともあります。「今日は好き、明日は嫌い。でもやっぱりまた好き」といったように、気持ちが日々変化しやすいのです。たとえ誰かを強く嫌ったとしても、それがいつか愛情に変わることもありえます。彼らにとって感情とは、重く受け止めるものというより、「心を動かす体験として面白いもの」として捉えられることが多いのです。また、評価すること自体に興味があるため、料理や芸術などにおいて「味見する人」「評価する人」としての役割に魅力を感じることもあります。異性に対しても、何らかの評価を下さずにはいられず、それが褒め言葉であれ批判であれ、態度に表れることが多くあります。こうした評価には道徳的なニュアンスを含むこともありますが、その基準は変わりやすく、昨日は「よい」と言っていたことを、今日は「よくない」と言うこともあります。このような一貫性のなさから、道徳的な発言が不思議に聞こえることもあります。ときには、自分の評価をそのまま言うのではなく、「世間ではこう言われている」といった形で表現することもあります。しかし実際には、それが本人自身の意見であることも少なくありません。こうして、自分の価値観を遠回しに伝えることもあるのです。
第2機能と第3機能：「よい専門家になるには、私のようにしっかり勉強することが大切です」。第2機能と第1機能・第4機能：ときどき、誰かの意志の強さや、心の通った人との出会いについて、自分の考えを語ることがあります。
第3機能「問題」客体的論理（Te）
「実は私、どうしたらクイズ番組で知識王になれるかを毎日毎晩考えているんです」
SEEにとって「知識」は、自分の優秀さや価値を示すための大切な武器です。「知らない自分＝劣っている」という思い込みが強いため、たとえ本当は知らないことでも、知っているふりをしてしまうことがあります。多くの場合、それは「あとでちゃんと勉強すればいい」「今の段階ではバレないはず」と考えてのことです。ただし、防衛的な状態に入ると逆の反応を見せることもあります。「えっ、それは知らなかった。恥ずかしいなあ」といった言い方で、自分を先に落とすことで恥ずかしさや評価を避けようとします。これは、自分の弱さを先回りして開示することで傷つかずに済ませたい、という心理がはたらいています。彼らにとって重要なのは、自分が「主導権を持てる場所」を確保することです。その「場所」は部屋ひとつでも国家規模でも構いません。大切なのは、その範囲内で自分が「決定権を持つ存在」として扱われることです。
知識欲が強く、学ぶこと自体が喜びです。新しい知識を得ることで自分の価値が上がったと感じるため、テストで高得点を取ったり、他人より多くのことを知っていたりすると、大きな満足感を得ます。また、彼らは物事の「順序」や「計画された通りに進むこと」に非常に敏感です。予定が崩れたり、予想外のことが起きると、大きなストレスを感じます。何かを主張するときは、信頼できるデータや権威ある情報源、具体的な数字などを好んで使います。情報の裏づけをしっかりとりたいタイプです。ただし、それらの情報を自分の頭で深く分析したり、柔軟に読み替えたりするのはやや苦手です。
この機能の特徴は、「正しく整理された知識を守ること」に強い関心がある点です。科学や体系的な情報に惹かれ、反対に、曖昧だったり混乱していたりする情報は強く嫌います。混乱した状況に出くわすと、まず「今ある確かな事実は何か？」というところから整理を始めようとします。心の奥には、「自分の世界がきちんと秩序立っていれば、自分には価値があるけれども、秩序が崩れてしまったら、自分の価値もなくなる」という感覚があります。このような考え方は、客観的な事実や権威的な人物、あるいは制度そのものを理想化しやすい傾向とも関係しています。そうした理想を信じ込むあまり、実際には誤っていたり偏っていたりしても、それに気づかず信じ続けてしまうこともあります。SEEは、ある特定の「正しいあり方」や「秩序ある世界観」を強く信じ、それを生活や仕事のあらゆる場面に持ち込もうとします。まるで「秩序の使者」のように、自分が信じる体制を周囲に広めようとするのです。職場で管理職の立場になると、自分と同じ価値観を持つ人をそばに置き、「自分のやり方」でチームや組織を動かしたいと考える傾向が強くなります。この「自分のテリトリーでは自分が主である」という感覚はとても強く、場合によっては極端に現れることもあります。例えば、雇われ警備員が、「ここに誰を入れるか決めるのは自分だ」と思い込み、自分の判断ひとつで通すか通さないかを決めるような、少し滑稽な行動に出ることもあります。こうした傾向は私生活にも表れます。恋人や配偶者に対しても、自分の期待通りに行動し、見た目や振る舞いも含めて理想通りであってほしいという願いが強くなります。ただし、それが通用するのには限界があり、最終的には「本当に理想通りの相手などいない」と気づくことも多いようです。
また、部下などが自分の決めた秩序を乱すような行動をすると（例えば遅刻するなど）、それを「個人的なルール違反」として強く非難します。もし自分が上司でなかったとしても、「自分の責任範囲」がはっきりしていなければ、他人が作った秩序にはなかなか従おうとしません。基本的に、SEEは「自分の影響範囲内にある人たち」に対しては指示を出したがる傾向があります。例えば家族や部下など、「自分のテリトリー」に属していると感じる人には、自分のやり方を通そうとする意識が強くなります。
第4機能「欲求」主体的直観（Ni）
「私のことを、信念があって魅力的な人間だと信じてくれるなら、私はあなたのものです。どうぞそのまま連れて帰って、大切にしてあげてください」
SEEは、自分がどこに身を置くかを選ぶ際、まず「内面的に違和感を覚えない場所かどうか」を重視します。つまり、自分の価値観や信念と矛盾がなく、それをいちいち説明しなくても、自然に共有されていると感じられる環境を求めます。そうした場が得られない場合は、無理に適応しようとはせず、すぐに別の場所に移ろうとします。また、自分の気分を明るくしてくれたり、心の中に落ち着きや安心感をもたらしてくれるような人に強く惹かれます。逆に、気分が沈んでいる人やネガティブな雰囲気を持つ人とは、距離を取りたくなる傾向があります。他人の感情の影響を受けやすいためです。心のバランスを取る手段として、アルコールを使う人も少なくありません。アルコールは、内面の空虚感や不快感を一時的に和らげる働きをするからです。ただし、それが習慣化すると依存のリスクも高くなります。「これくらい、みんなやっている」と思い込み、自分が依存症に陥っている自覚がないこともあります。
SEEが環境に対して強く求めるのは、「その場が自分の理想や信念と矛盾していないこと」です。その条件が満たされないとき、彼らは「ここは自分のいる場所ではない」と感じ、あっさりと離れていきます。また、外的な状況によって心が傷ついたり、言葉では説明しにくい不快な感覚が心の中に生じるような環境には、長くとどまることができません。反対に、精神的に安心できる場であれば、その場にいる人々を「自分の仲間」だと感じる傾向があります。なぜなら、そのような環境では自分の価値観が当然のものとして受け入れられているように感じられるからです。こうした「安心できる場」があってこそ、彼らは自分の考えを自由に発展させ、創造的に行動することができるのです。そのため、彼らは自分の短所や欠点を含めて、すべてを受け入れてくれる人々と一緒に過ごしたいと考えます。こうして、自分たちだけの「小さな世界（マイクロワールド）」を築き、その中で互いの弱さを否定せずに共に暮らす関係性を好むのです。このような関係では、あえて言葉にしなくても、互いを受け入れ合うという暗黙の了解が自然と成り立っています。
彼らはこのようにして生まれた世界に深い帰属意識を持ちます。そして、自分自身をその世界の「守り手」や「リーダー」、時には“ゴッドファーザー”的な存在として位置づけることもあります。つまり、自分の属する世界を守り、方向づける責任を感じるのです。その一方で、彼らは自分の価値観を共有しない「外の世界」や「他者」に対しては、無意識のうちに距離を置いたり、対立的な感覚を持ったりすることもあります。本人は、自分の内面に調和を保つことが重要であると理解しています。しかし実際には、感情の波に飲まれて、心の安定を維持することが難しいと感じていることが多いようです。感情が高ぶりすぎてしまう前に、誰かが介入して気持ちを落ち着かせてくれることで、ようやくバランスを取り戻すことができます。例えば、「どうしたの？そんなに興奮して。大丈夫、すべてうまくいくから」といった言葉をかけられることで、彼らの内面は安定します。このような背景があるため、SEEの感情や行動は非常に変わりやすく、周囲の人にとっては予測がつきにくいことが多いです。「今日はどんな気分なのか」「今度は何をしようとしているのか」が分かりづらく、不安定さを感じさせる場面もあります。
第-1機能「悪いもの」主体的感覚（Si）
SEEにとって、健康はあまり重要な関心事ではありません。自分の身体の状態に無頓着であるだけでなく、他人の体調にも注意を払わない傾向があります。たとえ複数の病気を抱えていても、それを深刻に受け止めることは少なく、休むことなく働き続けることもあります。体の不調について話すのは「弱さの証」と考えて避けることが多いです。健康を保つ方法についても、基本的に軽視する傾向が見られます。「運動すればそれで十分」「薬を一錠飲めばよい」といった、シンプルかつ短絡的な対処を好みます。喫煙や過度な飲酒などの身体に悪い習慣にも抵抗が少なく、「悪いことだ」とすら思っていない場合もあります。「昨日飲みすぎて頭が痛い？ じゃあ朝にもう一杯飲めばいい」といった、健康への配慮を欠いた考え方が典型です。食べ物に関しても、「空腹が満たされればそれで十分」といった実利的な姿勢を取り、美味しさや栄養のバランスには無関心なことが多いです。他人が食の楽しみや快適さを追求する様子を見かけると、それを「甘えている」と見なし、冷ややかに嘲笑することさえあります。
この機能が心理的に圧迫されたり、うまく働かなくなると、他人の体調や病気に対して過剰に批判的になることがあります。病気を恐れる人や身体が弱い人に対して、非難めいた態度を取ることもあります。こうした反応を通じて、次第に自身の現実への厳しさが和らぎ、「物事には裏の側面もある」という視点を持つようになります。その結果として、他人に対して極端な禁欲性を求めることが少なくなり、周囲との関係も改善されやすくなります。もっとも、本人も内心では「美味しいものを食べたい」と感じていることが多く、それはあたかも「禁断の果実」のように密かに楽しまれます。例えば、「子どものため」と言って好物を注文し、自分も一緒に喜んで食べるといった行動が見られることもあります。
第-2機能「不必要」客体的倫理（Fe）
SEEにとって、礼儀やマナー、社会的な人間関係といった「外向きの倫理」は、自分自身とはあまり関係のないものとして扱われがちです。心の内面と外部の対人関係が結びついていないため、形式的な関係性を軽視しがちです。例えば、結婚していても他の相手と親密になることにあまり罪悪感を覚えず、「これくらいなら問題ない」と思っていることがあります。また、新しい集団に入ったときには、すぐに他のメンバーと同じように接してもらえることを当然視し、それが周囲の反感を買う場合もあります。
ただし、すべての場面で無遠慮にふるまうわけではありません。本人が「ここでは礼儀を守るべきだ」と判断した状況では、それなりに行動を抑えることもあります。例えば、「葬儀ではふざけてはいけない」「職場では一定の礼儀が必要だ」といったルールを独自に認識していることがあります。ただし、そうした場面はごく限られており、他の多くの状況では社会的なルールを意図的に無視することが多いです。そのため、みんなが楽しく過ごしている場であえて場を乱したり、逆に沈んだ雰囲気の中で挑発的な態度をとることもあります。こうした「空気の読めなさ」や不適切なふるまいは、SEEの特徴の一つです。しかし、本人が「これは守るべき規範だ」と認めたものに対しては、自他ともに厳格な姿勢を見せます。どのような規範を重視するかは人によって異なるため、その背景にはその人特有の価値観があることを理解する必要があります。
この機能に関する話題では、しばしば皮肉や冷笑を交えて語ることが多く、例えば「あの家族は見ていられないね」とか、「あの友情、なんだか気持ち悪いよね」といった否定的なコメントをする傾向があります。また、この機能が「反転」状態にあると、対人関係に対して一層否定的になり、厳しく批判するようになります。しかしその過程で、少しずつ人間関係の中に何らかの意味を見出すようになり、距離の取り方や関わり方を学び始めることがあります。やがて他者との関係が以前よりも近づき、再び自分の価値観に基づいて他者を評価しようとする働きが戻ってきます。
第-3機能「問題解決」主体的論理（Ti）
SEEにとって、物事を深く理解することはとても重要です。ただ知識を集めるだけでなく、対象を内側から理解し、仕組みを徹底的に学ぶことによって、はじめて「自分は十分に知っている」と感じることができます。特に、それが自分の専門分野であればなおさらです。そうしなければ、いざという時に知識が役に立たず、表面的な理解しかできていないことに気づいてしまうでしょう。そのため、SEEはたとえ既にある程度理解している分野であっても、さらに学び続けることを好む傾向があります。講座を受けたり、家庭教師をつけたりして、知識を補強しようとします。また、ある分野を深く理解している人を見つけて、その人から学ぶことで、自分の知識を整理し、体系立てていきます。ただし、このように積極的に学ぼうとするのは、自分の知識だけでは十分な結果が得られないと感じたときに限られます。特に問題がなければ、現在持っている知識で満足し、学びを深めようとはしません。
第-4機能「したくない」客体的直観（Ne）
SEEは、外の世界があまりにも整いすぎていたり、すべてがうまくいきすぎている状況に、どこか居心地の悪さを感じます。そのため、わざと問題を起こして調和を乱し、「この世界は見かけほど美しいものではなく、幻想にすぎない」ということを示そうとすることがあります。また、未来が完全に予測できる状況も不安に感じます。予定通りに物事が進みすぎていると、あえて流れを乱すような行動を取り、穏やかだった空気を壊してしまうことがあります。しかし本人にとっては、そのほうが「生きている実感がわく」と感じられるのです。リスクを伴う状況や、自分の判断で未来が決まるような局面に身を置くことで、初めて「自分は今を生きている」と感じます。逆に、すべてが調和している世界は、停滞して動かない沼のように思えてしまいます。このため、一緒に生活したり旅行したりすると、周囲が楽しくリラックスしているときでも、突然ドラマのような出来事を起こしたり、感情を激しく表現したりすることがあります。周囲から見ると「一人芝居」のように感じられるかもしれませんが、本人にとっては、調和や安定こそがむしろ恐ろしいものなのです。
また、突然舞い込んでくる都合の良すぎる話には裏があると疑う傾向があり、「世の中にタダで手に入るものなどない」と考えています。生活が予測可能で退屈になることを避けるために、職場を頻繁に変える人もいます。ただし、外界の混沌の中に居場所が見つけられないときには、逆に「リラックスできる音楽でも流そうか」などと調和を求めるような発言をすることもあります。そうすることで、自分自身の気持ちが落ち着き、その場に心地よさを感じられるようになるのです。このような経験が印象に残ると、後に同じような状況で先回りして調和を演出することがあります。
要約
SEEは、内面において予測がつかない側面を持っています。とはいえ、この予測不可能性には一貫したパターンがあり、いつも気まぐれというわけではありません。このように内面は移り気で風まかせですが、外見や行動は非常に標準的で型にはまっています。服装や仕事ぶり、そして仕事や活動から生まれる成果物も、どこか無難で目立たないものになりやすいのです。第1機能は、確実性の高い出来事に関わる働きを持っています。このため、この人の内面の予測不可能性がいくらか抑えられ、それが良い点とされます。しかし一方で、彼らの成果物もまた起こりやすい出来事に関連しているため、ますます平凡で没個性的になりがちであり、その点はマイナス評価となります。
SEEは外向的です。つまり、自分を周囲の世界の一部として捉え、特別な存在だとは考えません。自分のことは理解しやすく単純だと思っているため、自分について話すことに抵抗がありません。逆に、周囲の世界は複雑で分かりにくいと感じるため、他人を思い通りに動かしたり指示を出したりすることのほうが難易度が高いと感じます。その代わりに、外界に興味を持ち、学ぼうとする姿勢が強いのが特徴です。彼らの主導的な欲求は、第1機能などの主要な機能と密接に結びついています。外見からは「生き生きとした活動的な人」という印象を与えます。じっとしていることが苦手で、いつも動き回っているように見えるでしょう。顔色も良く、健康そうに見えることが多いです。感情の起伏が激しく、行動力があり、落ち着きのないコレリック（胆汁質）気質に似ています。
ただし、自己評価が突然下がることもあります。これは、自己評価や弱い機能が主導的欲求とは別の二次的な欲求と関わっているためです。このため、周囲から見ればいつも活発で安定しているように見えても、内面では自己評価が不安定になりやすい面があります。SEEは、膨大な情報の流れの中で生きています。それは量的にも質的にも多様な情報です。その中で、状況を見極め、適切な進路を選び、効率よく行動する能力に優れています。
タイプの特徴
- 意志が強く、自分の判断に迷いがない（自己確信の領域）
- 率直で、思ったことを隠さずに話す（自信の領域）
- 正しさを重んじ、感情面で誠実さを示す（感情の領域）
- 原則を守り、信念を曲げない（取引・買収可能性の領域）
成功の鍵
- 同じ考え方や価値観を持つ仲間と一緒にいること
- 知識を深め、常に学び続けること
- 得意分野でリーダーシップを発揮すること
- 地位や影響力があり、周囲から尊敬される安定した環境に身を置くこと
- 周囲の人々から、自分の意見や評価を求められること
職業
保育士、技術系や理工系分野（例：エンジニアや研究職）、政治家、図書館員、芸術監督（舞台芸術や美術分野の統括者）、映画監督、テイスター（味覚を活かして品質評価を行う専門職）、鑑定士、講師、評論家、裁判官、仲裁人、美術評論家、公務員や行政職
