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ソシオニクス ILE(ENTp)by Stratiyevskaya

2021年11月14日日曜日

ILE SEI Stratiyevskaya ソシオニクス

ソシオニクス ILE(ENTp)の特徴 by Stratiyevskaya

双対関係であるSEIの説明にもILEに関する説明があります。

意識的な機能

第1機能(先導):Ne

ILEにとっての研究とは、彼らの目の前に広がる未来への展望の研究です。彼らは自分の目の前に生じる新しいチャンスや展望を見出す能力にたいへん優れています。これこそがILEの最大の特徴なのです。

ILEは、夢想家でロマンチストであり、自分のアイデアで自分自身と他の人々を魅了します。自分の計画に他の人達が乗ってくれないのは、彼らにとって苦しいことです。

空想や夢を見ることができない、あるいは見たくない人には苛立ちを感じます。ILEの想像力の産物を「空虚で価値のないもの」として扱う、地に足の着いた「現実主義者」は、ILEからすると不倶戴天の敵のように感じてしまうかもしれません

彼らにとって考えること、空想することは、自分から切り離すことのできないものです。ILEは空想しながら考え事をし、考え事をしながら空想します。


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このタイプの人は、知的創造活動の様々な分野で驚異的な能力を発揮できます。アイデアを生み出し、仮説を提案し、何百年も後まで残り続けるような成果を生み出します。ILEは社会の知的進歩の発展に深く貢献しているタイプだと言っても過言ではありません。

ILEには歴史上、新しい科学の扉を開いた人物や、新しい学派の創始者が多く含まれています。科学的、芸術的、社会的、政治的な分野で、新しい地平線と新しい視点を発見することが、彼らの最大の目的です。


物事の本質を理解する能力は驚くべきものであり、賞賛に値します。ILEが何かを説明しようとするときは、一度「棚に並べなおそう」とします。頭の回転が遅いと言われると、彼らは非常に腹を立てます。通常、ILEは情報交換をする時や新しいことを学ぶ時には、自分でペースをある程度コントロールしています。


新しい現象の意味を理解している最中に、ILEは頭の中ですでにその応用について考えています。子供時代や学生時代は、「考え事に夢中で授業をちゃんと聞いていないけど、授業で教えている内容はすでに理解している生徒」という印象を与える子供であったことが多いです。

彼らは他人のありがた迷惑な、頭のめぐりが悪そうな説明から離れて、一人で考えを深めようとします。学校の先生がしている、単純で原始的な例え話とは比較にならないほど重要で興味深い、創造的な思考を巡らせているのです。


ILEは新しい可能性の兆しを見つけるとすぐに、周囲の人々を巻き込んで新しい独創的なプロジェクトを始めようとします。彼らは積極的にプロジェクトの設計や立ち上げを行い、後で他の人がその実現を支援できるようにしようとします。


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ILEは1つのプロジェクト、1つのアイデアに固執することを嫌いますが、この点を見てILEを「集中力がなくて興味が持続しない人」だと考えるのは間違いです。ILEが自分のプロジェクトに興味を失うのは、実現の可能性が見えなくなった場合や、プロジェクトの実現が最終段階に入ったときに、より有望な新しいアイデアが現れた場合など、いくつかのケースに限られます。

(wikisocion編集者注釈:これはILEがプロセスタイプであることに起因しています。プロセスタイプの人は、何かを終わらせたりしないといけないような過渡的な段階を最も困難に感じます)


新しい、より興味深いプロジェクトに素早く切り替えることができるという点は、ILEの特徴です。彼らにしてみれば、ほぼ結論が出ているものに時間を費やすのは無意味なのです。それよりもっと新しい領域を開拓してチャンスを模索する方が、斬新なアイデア、事業に繋がる可能性が高いため有意義だと考えます。

何かに夢中になっている間は、他のことに気を取られることはありません。したがって「ILEは自分の興味のあることだけをやりたがる」というより、むしろ「ILEは自分の興味のないことができない」という方がILEの説明としては適切です。

典型的なILEにとって、必須科目を強制的に勉強させられるというのは苦痛以外の何物でもない拷問であり、彼らはこうした行為を「一種の虐待だ」と主張するかもしれません。


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直観とひらめきこそがILEにとって真に価値あるものであり、細心の注意をもって守ろうとするものです。

どのような状況においても、ILEは自分の直観とインスピレーションが指し示す通りに行動する権利を守り抜こうとします。ありとあらゆる指示、命令、規制、義務などは、このタイプの人には絶対に向いていません。

ILEの認識と理解では、厳格な仕事のスケジュールや時間割というものは、ILEのインスピレーションを濫用しようとする理不尽な存在です(「一体どうやって『決められた時間内にアイデアを思いつけ』というのか」)。


仕事に夢中になっているILEは、並外れた勤勉さと奇跡的な効率性を示すことができますが、アイデアがまだ熟しておらず、考えているだけの時期には、退屈そうな人という印象を与えることがあります(これは完全に誤った印象だと言わざるを得ません)。

実際には、どこにいようと、誰と話そうと、寝ていようと起きていようと、ILEの思考は、ILEが興味を持ちそうな、一見些細な衝動を逃さず捕まえることに集中しています。そうやって捕まえた衝動を元に、彼らはアイデア、仮説、プロジェクトを生み出しているのです。


ありとあらゆる新しい情報は、ILEにとって無限のインスピレーションの源になります。このタイプの人の知的創造性は、絶え間なく続くプロセスであると言えます

もし1時間、あるいは30分でもアイデアを生み出すのを止めたILEがいたとしたら、それは病気か、よほど疲れているかのどちらかです。どちらにしてもILEにとっては非常にやっかいな症状に侵されている状態だと言えます。


第2機能(創造):Ti

ILEが何かの価値観を採用するためには、まずそれを論理的に理解する必要があります。

ILEは全ての出来事、現象、そして「超現象」について、明確で論理的なイメージを持たなければならないと感じます。そうしなければ様々な迷信に圧倒されてしまうからです。現象を自分で論理的に説明できるようになるまで落ち着くことができません


彼らは何事も自分の理性と思考で結論を出すことを好みます。例えば数学の試験を受けた時、定理の証明の仕方を知らなくても、自分のアプローチで問題なく証明問題を解くことができます。

自分が持つ推論能力は、自分自身と他の人々の両方にとって最も価値のある特性であるとILEは考えています。ILEは、知的創造性と知的能力の開発を非常に重視しています。もし彼らが教師であるならば、まず第一に生徒の推論能力を養うことが自分の義務であると考えるでしょう。


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ILEは連想を伴う思考活動が特に発達しています。さらに彼らの連想は、普通の人には予想できないようなものになることがあります。直観的な飛躍によって、彼らの思考は限りなく遠く、全く関連性がないような領域にまで誘われるのです。


議論やディベートは、ILEにとって知的エンターテインメントの一種であり、頭を回転させ、熟考したり、自分の意見を述べたり、自分のアイデアや意見に注目してもらうための絶好のチャンスです。

ILEほど誰かを巻き込んで議論に引きずり込むことが得意なタイプはいません。人がいそうな場所で声を出して考えるだけで簡単にそこが議論の場になります。特に意識的に何かをしなくても、ただ次々に思いつくことを、思う存分話すだけでいいのです。


ILEは、何が何でも自分の意見を相手に認めさせたいと考えているわけではありません(ただしこれが全く成功しない場合はがっかりしてしまいます)。ILEは議論のプロセスが楽しくて仕方がないタイプですが、それだけではなく自分の考えや意見を「大衆」に知ってもらいたいとも願っているため、議論には積極的に参加しようとします。


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ILEは、博識さを発揮するだけでなく、相手が予想できていなかったような反論をすることで、議論に勝利します。この点についてもILEは他を圧倒しています。

彼らの論理はとても自由で、活発であり、柔軟です。そのためILE自身の教育レベルや相手の権威の高さ、博識さに関係なく、ILEの反論によって誰もが窮地に追い込まれる可能性があります。

ILEは、自分が証明したいと思ったことは何でも「証明」することができます。他の人が思い浮かばないようなことを簡単に思いついて、ある概念と別の概念を紐づけることができるのです。

「AとBには関係があるんじゃないか?というか、なんでAとBは関係ないと言えるんだ?」(ILEの知的能力が低ければ低いほど、相手がILEに反論して、それを納得させる難易度は高くなります)。


ILEにとって新しいアイデアは、食事中、会話中、音楽を聴いている最中、映画を見ている最中など、あらゆる活動の過程で、突然予想だにしていない形でパッと現れるものです。彼らの潜在意識の活動の結果として現れるのです。

それどころかILEは睡眠中にすらアイデアを生み出すことがあります。目覚めた後、ILEは夢で見た「スタートデータ」を思い出し、それがどこからやって来たのか、どのような類推でこれが起こったのかと考え始めることがあります。ILEは、自分の「夢の仕事」を完全に現実的なプロジェクトとして捉え、非常に真剣に取り組もうとします。


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ILEは、どんなに信じられないようなアイデアであっても、正確に定式化し、論理的に構築した理論に発展させることができます。自分が持っている事実と仮定に基づき、ILEは理論に隠された構造、法則、規則性を見抜いて把握することができます

ILEの研究活動の成果は、様々な論理構造や分類方法の創造という形で表れることが多いです。また、これらの構造はダイナミックで柔軟なものであり、新たな要因や状況の出現によって容易に修正することができます。


第3機能(役割):Se

ILEは自分の望む生き方をする権利を守り抜こうとする傾向が強いです。彼らは、いつでもどこでも、何の制限もない自由な知的創造の権利を認めるよう要求します。彼らは自分の思考と空想のように、自分自身も自由であるべきだと考えています。

様々な社会的慣習、義務、約束、不満、自分の知的創造性を妨げるすべてのものから自由でいたいのです。

こうした態度をとり続けていると、個人的にも社会的にも重大な問題がILEの前に立ちはだかります。ILEが一日中天井を見つめて過ごしている間に、彼らの心の中では、全人類に幸福をもたらすことのできる素晴らしいアイデアが煮詰められていることを、周囲の人々は誰も理解してはいないからです。


同時にILEは、他人から一方的に要求されるような問題(例えば「言われた通り自分が食器を洗ったかどうか」という問題)を思い出すために、自分のプロジェクトから気をそらすことはできないし、その必要もないと考えています。他人からの要求には苛立ちを覚えます

なぜなら他人の要求は、独創的で、例外的で、ユニークなアイデアから彼らの気をそらし、日常の些細なことに取り組ませようとするからです(要求が平凡で些細なものであればあるほど、彼らは苛立ちます)。


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創造性を発揮するために、ILEはこれらの煩わしい妨害物を排除する権利と機会を得ようと努力し、また自らをその妨害物から遠ざけようとします。例えばILEは、自分の提示したプロジェクトが、自分の提示した通りの方法で、しかも疑われることなく無条件で受け入れられなければならないと思っています。

プロジェクトの説明や設計に必要なルーチンワークを彼らに要求することはできません。なぜなら、それは彼らの思考を遅らせ、彼らが無駄でつまらないと思うことに貴重な時間を費やすことを意味するからです。


ILEは、他人に示す高い要求と、自分に示す低い要求との間で、しばしば矛盾に直面します

例えば他人の作品を評価する際は、ほんのわずかな論理的誤りや不正確さも許さない一方で、自分の作品においては、どんな論理的誤りも、自分の作品やアイデアの本質に大した影響を与えない些細なミスだと主張して、それが許されるものと信じる傾向があります


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権利と義務の領域でも同じことが起こります。ILEは自分の権利を断固として主張し、わずかな妥協もしようとはしません。そしてどんな責任や約束からも自分を遠ざけようとします。ここでも彼らは妥協しません。

ILEが約束したことを実行する際には、常に問題が生じます。ILEが約束をする時、彼らは自分が「できるかもしれない」という可能性を「できる」と考えて約束しますが、実際にどうやって実行するかは考えていません。こうした事情があるため、ILEにきちんと約束を果たすように要求しても、ただ彼らを怒らせるだけで終わってしまいます

「いったいどうして興味のない、くだらないことのために、自分の興味深いビジネスから目をそらさないといけないのか」

といった具合です。


普段ILEが他人に敵意を持つことはほとんどありませんが、ILEに定期的な義務を課そうとすると、彼らは敵意をもってそれを受け止めます。それは誰かの悪意として認識されるでしょう。つまり「『自分の活動、思考、計画において自由でありたい』という生来の要求を邪魔しようとしている」と彼らは捉えます。

誰かが彼を「抑制」し、誰かが彼を「水を運ぶために利用」しようとしているのです。彼らは「悪人」が誰なのかをすぐに特定し、「悪が滅ぶ」までその人に宣戦布告します。

その人の近くにいる人も「敵」の仲間入りをする可能性があります。したがって必然的に、ILEから最も「悪者」認定されやすいのは、ILEの近親者、配偶者、友人、上司です

これらの要求がILE自身の利益と生活のためになされていることをILEに納得させようとする努力はおそらく報われないでしょう(「自分よりも自分の利益に詳しい人間なんているわけがない!」)。


「風車との戦い」に全ての強みと考えを集中させるILEは、いつも悲劇的で不愉快な出来事を目にすることになります。無尽蔵の豊かなファンタジー、綿密に集められた情報、見事に組み立てられたゲームプラン。こういったもの全てが、かつての上司を貶めたり、かつての義母を心臓発作で死なせたり、かつての配偶者から生活の場を奪ったりするために使われるからです。

ILEの輝かしい側面、彼らの頭の中で煌めいていた独創的なプロジェクトやアイデアはどこへ行ってしまったのでしょうか。これでは、いつまでたっても人を幸せにすることはできません。


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ILEの義務感(必要性、責任感、義務感)は、彼らが自分の行動を論理的に理解し、その結果を観察し、分析することで培われていきます(しかしILEにとって、観察に集中するのは非常に難しいことです)。

一方で、他人に不快感を与えないように常に気を配り、食器を洗い忘れていないか、トイレの電気を消し忘れていないかなどを、常に気にかけているILEを想像するのは困難です。こういったことに意識して集中し続けていると、次第に独創的なアイデアやインスピレーションが失われていくことにILEは気付くことになります。

さらにいえば、こうした「気配りのできる」ILEは、もはや周囲の日常的で些細なことに囚われずに知的創造性に集中できる状態ではないことに気付くかもしれません。

こうした「衝突」状態のILEは、ある意味では問題を起こさないILEだと言えるかもしれませんが、ILEらしい魅力が抑え込まれているという意味では問題を抱えていると言えます


これらの問題の多くは、ILEが自分の権利と義務を繊細かつ堂々と分配してくれるパートナーを得たときに解決します。「衝突」や議論をスムーズに解決することができ、自分の要求を説得力のある形で表現する手助けをしてくれるような、ILEにとって負担にならないパートナーです。ILEの双対であるSEI(ISFp)は、理想的な補完関係にあるパートナーです。


SEIは強力な感覚機能を持っており、彼らはこれを使用して意識的な観察を行います。そのためSEIは、パートナーが提示された要求をどのように受け止め、どのような義務を自ら進んで負い、それをどのように果たすのかを敏感に、無意識のうちに観察しています。

SEIは、非常に巧みな機転を利かせて、SEI独自の柔らかく繊細な方法でILEのこうした側面を調整し、同時に、二人の要求もきちんと主張しながら、ILEが他者の権利やニーズをもっと思いやれるように導きます。


第4機能(脆弱):Fi

人間関係はILEの鬼門です(相手との心理的距離が近くても遠くても関係なく、これはILEの鬼門です)。例えばILEがやりがちな「親しくなるほど自分に甘くなり、その一方で相手には厳しくなる」という点は、相手から見るとあからさまな不公平感として受け取られることが多いです。

また、自分の能力を過大評価すると同時に、他人の知的可能性を軽蔑的に語るというILEの悪癖も、人から共感を得られる行為だというには程遠い行為です。


ILEの一挙手一投足が、その場にいる人々に強い不安を感じさせるような状況を作り出してしまいます。例えばILEが婚約者の親族に会いに行った際、彼らは次のような状況を作り出してしまいます(A.S.Griboyedovによる例)。

ILEは婚約者の親族相手にいきなり社会的・政治的な話をし始め、他の大多数の人とは一致しない意見を主張するどころか、相手にとって最も嫌な話を、わざわざそれぞれの参加者ごとに話してしまい、相手に「気まずい空気」や「『お前は物事をまともに考えることができない可哀想なやつだ』と小バカにされていること」を感じさせて、苦痛を与えてしまうという状況です。

結果的に婚約が破棄されたとして、ILEはただ単にそれに対して「この世はバカばっかりだ」と嘆くだけです。


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とはいえ、こうした自分の立場や身分を弁えない出過ぎた態度や押し付けがましさ、無遠慮さ、野暮ったさ、礼儀を無視した態度などといったILE特有の不謹慎で無作法な行動は、より親密な人間関係を築く過程で起こる本当に深刻な問題に比べれば、些細なことです


これらの問題の本質は、ILEが自分だけに自由と独立を認め、時にはパートナーに対して「自分の意見を持つ権利」さえも与えない点にあります。倫理的・対人的な状況が少しでも悪化すると、ILEはすぐパートナーに容赦のない要求を突きつけます(時には最後通告のような形をとることもあります)。

例えば知り合いになったばかりの段階で、ILEは相手に対して「憧れている全ての人との関係を断て」と要求するかもしれません。

なぜならILEは、外部からのさまざまな影響やその他の可能性から相手をすぐに遮断したいからです(同時に、自分のライバルになりうる人々からの脅威を遮断したいという欲もあります)。


これはILEの倫理的問題に対する「論理的」なアプローチによるものですが [1]、それに加えて、ILEは自分と付き合おうとしている相手との心理的な距離感を感じ取るのが下手なのです

交際を始めて間もない頃から、ILEはすでにパートナーを自分の一部として扱っており、そこから「パートナーはすでに完全に自分のものである」という「論理的」な結論に至ってしまいます。

その結果、パートナーから選択する権利、機会、個人の自由、違う見解を持っている可能性が消滅します。


部外者であれば、ILEはある程度の意見の自由を認めることができます。問題はパートナーの場合です。ILEは、パートナーに関わることであれば全てを一方的に決めてしまおうとします。

パートナーはすでに彼の一部であり、したがって全てにおいて彼に従わなければならない存在だからです(ILEと知り合ってから15分以内に「パートナー」になることは可能です。ILEがそう決めたら、その人は即「ILEのパートナー」です)。


倫理的な面から状況を見た場合、ILEにとって快適で受け入れやすい関係であればあるほど、潜在的な倫理的問題が発生する可能性が高くなります

(自分にとって)問題のない人間関係を作りたいと思う傾向を強く持つILEは、パートナーに対する要求を極端に強め、相手の人脈や関係性、行動、信念、考え方などをコントロールしようとします。ここに書いたことは、原則としてパートナーとの心理的な相性が悪い場合に起こります(ただし双対であっても関係のバランスが崩れている場合には起こることもあります)。


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心理的不快感が続いている状況では、ILEはすべてのことにイライラし、パートナーに対して(多くの場合、根拠のない)不信感や嫌悪感を常に抱くようになります。

ILEは、付き合い始めて間もない段階でも、パートナーに対する苛立ちや嫌悪感を感じることがあります。それにもかかわらず、ILEはその関係を維持・継続し、発展させようとし、さらにはその関係が正当なものであることを主張します。

ILEはこのように行動することで、パートナーを「自分の意見に合わせてくれる」ように変えることができると信じています。実際、正式な結婚はそのための前提条件になるとILEは考えているような節さえあります。


さらに、周囲の人々との間に問題があるコミュニケーションに、ILEは悪い意味で馴れきっており、それを「日常」「あたりまえのこと」と考えている点もILEの問題行動に拍車をかける一因になっています [2]

ILEは倫理的な話題を公に議論するのが好きで、特にそれにふさわしい(とILE本人には思える)理由がある場合は、そういう議論をしたがります。彼らは「自分の個人的な問題の話に部外者を巻き込んで面白がっている人間」という風に人から見られることがあります。


公共交通機関の中で、客先で、劇場で、発表会や講演会で、他の人や知人がいるところで、ILEは自分に近しい人たち(妻、弟、母、義母、その他の親戚)との関係を清算し始めることがありますが、これは状況の不安を増大させるだけです。

このような状況で、ILEいわく「罪を犯した人」は、ILEの率直で無礼な行動に顔を赤らめ、しばしばILEの発する不当で良識の範囲をはるかに超えた侮辱を聞かされるだけでなく、状況自体の不安と、修羅場が世間に見せ物状態で晒されていること、そしてこの怒りっぽいILEと関係を持っていたという事実、こういった耐えがたい数多の苦しみを他の人々の前で味わい、恥ずかしい思いをするはめになります。

このような場合、ILEはモンスターのように残酷であるかもしれません。状況はILEによって直観的に計画されているため、そこから抜け出す方法を見つけることは不可能です。

観客がいる限り、この「公開処刑」は続きます。(しかしILEがこのような議論を始めるのは、外部の人間がいるときだけだと考えてはいけません)。


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ILEの行動が個人的なコミュニケーションの規範の限界を超えていたとしても、ILEに反省を促すことは全くの不可能です。そういうことをしても逆の結果をもたらすだけです。

ILEは原則として、いかなる「限度」や「コミュニケーションの規範」も認めたくないので、あらゆる機会を利用してこれらを破壊します。


ILEは行動を批判されればされるほど不安を感じ、自分に要求される倫理的な要求に抗議し、状況をさらに悪化させます。自分の軽率さを叱責されたILEは、わざと無礼な態度をとるようになります。その無礼さはやがて野暮ったさになり、そして最終的にはオープンで高度なシニシズム [3] とフーリガン [4] になっていきます。

ILEの行動を非難するのをやめて、ILEを落ち着かせる手段を見つけることで、ILEの注意や反応を方向転換させることは可能です。これができるのは相性が良いパートナー、すなわち基本的にはILEの双対であるSEIだけです


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SEIは、会話相手の状態や感情、気分を非常に繊細に、タイムリーに気付き、影響を与えることができます。その上SEIの存在は、ILEの心を常に落ち着かせ、リラックスさせる効果があります。これはILE-SEI間のコミュニケーションに特有の効果です。

外交的で、スムーズで、愛想がよく、忍耐強く、上品なSEIは、ILEの行動を和らげるだけでなく、ILEと他者との関係を和らげ、改善することを通して、ILEに貴重なサービスを提供します。


無意識的な機能

無意識的な機能

第5機能(暗示):Si

ILEはあまり自分の状態や快適さを気にかけません。これは、そうしたことに気を回すと思考や仕事の妨げになり、他のもっと重要に思える問題に集中できなくなると感じるためです。

そのためILEは自分の状態に関する問題を、自分の関与なしに解決してくれるようなパートナーを欲しがります。


感覚的な領域から見た場合、プライベートでのILEは要求が少なく気取らない性格です。ILEが自分の生活スタイルを決める際は、必要なものを最小限に減らす傾向があります。友人や家族と一緒に外で食事をしたり、調理されたものを買ったりします。

部屋の片付けや整理整頓は、仕事に支障をきたすレベルになってから行います。定期的な買い物を好まないタイプです。買い忘れが多く、商品の品質を判断したり、品質のいいものを選ぶのが苦手で、行列に待たされるとすぐイライラしてしまいます。


◆◆◆


ILEの好みは、やや保守的です。慣れ親しんだものや、準備に時間がかからないものを好んで食べたり注文したりします。動き回りながら食事をすることもあれば、飲み物を飲み忘れることもあります。例えば仕事の合間に、マスタードを塗ったパンを食べるようなことにも抵抗がありません。

ILEは自分で食事を用意することはほとんどありません。時々、子供の頃に食べた食べ物を思い出して、急にそれが食べたくなったりします。


ILEは新しい味覚の感覚や食の経験に対して不信感を抱きやすいほうです。多くの場合ILEは、自分に共感し、かつ良好な関係を築いている人の味覚センスだけを信用します。それと同様に、ILEは自分が尊敬し、心の底から信頼している「愛している」人々のアドバイスにしか耳を傾けません。

ILEは、そうした人々の習慣や行動様式、好みを真似しようとさえします。「自分の父親のスタイル」で服を着て、「自分の母親のレシピ」で料理を作ってほしいと恋人に要求することもあります


◆◆◆


ILEの反感を買うようなパートナーは、どんなに努力しても、何をしてもILEを満足させることはできないでしょう。さらに、「権威のある情報源」を持ち出してみても、ILEを苛立たせるだけです。ILEにとって最も「権威のある情報源」とは、ILEが親しくしている人たち自身なのです


ILEは、パートナーが自分を気遣ってくれていることを常に実感している必要があります。そしてパートナーがそうしてくれている時だけ、ILEは適切にリラックスし、不信感を捨てることができます。

その逆も然りで、自分の面倒は自分でみるようILEを誘導しているような兆しを感じた場合、ILEはそれを格別の不快感や不安感をもって受け止めてしまいます。


◆◆◆


ILEにとっての感覚(Si)の側面は、関係性の倫理(Fi)の側面と密接につながっています。したがって、関係において完全な幸福と調和を得るためには、天性の優れた味覚を備えているだけでなく、ILEにとって最も説得力のある形で良好な人間関係を生み出すことができるパートナーを必要としています。

そしてこれはILEの双対であるSEIにのみ可能なことです。SEIの先導機能(第1機能)は感覚を司るSiであり、実証機能(第8機能)がFiです(SEIは様々な色、匂い、音の組み合わせを非常によく感じ取り、自分の意見を繊細かつ優しさに満ちた形で発言します。

ILEはSEIのこうした方法以外のどんな方法で情報を伝えられても納得することができません。したがって、SEI以外にILEの感覚に影響を与え、ILEを育むことができるタイプはいません)。


芸術や美術の分野では、ILEはまさにSEIの「リード」によって、最も興味深い方法で自分自身を表現することがよくあります。たとえ直接の接触はなくても、SEIの生徒やフォロワーとしてSEIにリードされ、影響を受けたILEが、こうした素晴らしい表現に満ちた作品を生み出すことがあります。

例えばILEであるミハイル・イヴァノヴィチ・グリンカという作曲家は、SEIであるジョアキーノ・ロッシーニという作曲家の影響を受けています。


ILEは、感覚の調和と喜びを求めています。最終的にILEは自らの双対であるSEIの先導機能に対応する感覚の健全性を志向するようになっていきます。

ILEにとって、芸術は心地の良い感銘をもたらすものでなければなりません。そして、彼らの求めるこうした芸術性は、ILE自身だけでなく、実際に多くの観客にも喜びをもたらすことができるものです。

革新的なアプローチ、アイデアの独創性、興味深く展開されるテーマの多様性は、典型的なILEの芸術作品を特徴づける主な要素です。


第6機能(動員):Fe

ILEの気分は、多くの点で「どんな感覚を感じているか」に左右されます。例えば空腹を感じていると、単にイライラするだけでなく攻撃的にもなります。

ILEは感情的な不快感には非常に敏感です。会話相手からの不快な視線や、相手の声のイントネーションがILEの気分に影響を与えることもあります。無礼な振る舞いは、他の無礼な行為と同様に、ILEの極度の苛立ちや怒りを引き起こします。


ILEは自分の気持ちや感情を率直に話すのが嫌いであり、また、どうやってそうしたらいいのか自体よくわかっていません

通常、ILEは自分の動機に言及することで間接的に感情を表現します。例えばイライラしている時、ILEはパートナーに「窓から放り投げてやる!」と言うことがありますが、これは実際にそうした行動をするという意味ではなく、極度の憎悪を示しているわけでもありません。

全体として、これはILEが苛立ちを感じていることを意味するだけです。こういった発言は通常、何らかの不快感によって引き起こされます。


ILEは肯定的な情報の形で自分の同情を表現しようとする傾向があります。例えば彼らは好意を持っている人に対して「あなたは私にとって魅力的です」とは言いません(もしILEがこのような言葉をひねり出したとしたら、それはストレートな偽りの言葉です)。

ILEは通常、そういった発言はせず、もっと仄めかして伝えようとします。例えば「この前両親に君の話をしたら、両親がぜひ会いたいと言っていた」といった感じです

プロポーズする時もストレートに「結婚しよう」とは言わず「1ヶ月後に出張から帰ってくるから、その時に役所に書類を出そう」というように、仄めかすような形で言います


◆◆◆


ILEは論理タイプと同様に、自分の感情を素直に認めることができません。それは、ILEにとって感情という現象があまりにも神秘的なものであり、その性質を完全に把握して説明しきることができないからです。自分の感情について話さなければならない場合、ILEは気まずさや苛立ちを感じてしまいます(ILEは自分の感情を公にする必要がないと考えています。

なぜならILEは無意識のうちにパートナーの感情や気分のあらゆるニュアンスを把握することができるSEIの非常に柔軟で繊細な感情の倫理Feを志向しているからです)。


◆◆◆


心理的な(または感覚的な)不快感は、常にILEの態度や気分に影響を与えます。ILEは長時間落ち込んだりイライラした状態でいることに耐えられず、ときには自分からわざわざスキャンダルを起こして、イライラした気持ちを解消すると同時に、自分にとって耐えられない状況を変えようとします。

ILEは犯罪に巻き込まれたり、倫理的な不安、人間関係における危機的状況に対して、難なく耐えることができます。こうした状況に直面した場合、ILEは自分の負の感情を周囲の人々に激しくぶつけて発散し、都合よく近くにいる人や、全く知らない人とでも、面倒な話題を話し合うことができます。


◆◆◆


自分の不適切な行動について話したり、裏切りや浮気を認めたり、陰湿な計画や悪意を認めたりするなどという風な「自己批判」や「倫理的自己非難」に夢中になることもあります。それはまるで悔い改めている嘆きと制御不能な啓示に支配されてしまったかのように見えます(これは言い換えるならILEの内部に蓄積している、ドロドロとした倫理的・感情的な滓を吐き出すために行われる、ある種の苦しい倫理的な自浄作用です)。

こうした「嘔吐」中のILEは、自制心とバランスを失い、短気で攻撃的で厳しく、意地悪でスキャンダラスな人という印象を人に与えますが、これは全てILEがそれまでに受けた心理的不快感に対する結果にすぎず、こうした特徴の全ては、なぜそうなってしまったのか理解して取り除くことのできる、特定の刺激に対する痛みを伴う反応に過ぎないということを忘れてはいけません。

ILEの理想的なパートナーであるSEIは、ILEが感情的危機に瀕している際は特に注意深くILEを心配して見守り、どんなに小さな刺激や挑発を煽るようなものもILEのそばに置かないようにします。また、ILEの痛みを伴う「嘔吐」やそれに伴う不快な情報は無視します)。


◆◆◆


ILEが心からの誠意と好意に満ちた状況に身を置くと、状況は一変します。こうした状況はILEを大いに活性化させ、「自分は歓迎されているようだ」「自分は興味深く、チャーミングで魅力的だ」と感じさることができます。そうやって自信を得たILEは、肩の力を抜いてマナーやコミュニケーションといったことに取り組めるようになります

そうして行動を縛る制約から解き放たれたILEは自由で自然であり、「知的で興味深い会話ができる人だ」という良い印象を周囲の人々に与えることに繋がります。

そして普段は感じられないような感情の高揚を堪能しながら、他人に格別の配慮をしたり、他人のために何か良いことをしたいと感じるようになります。


ILEは、心理的に適合した相手との相互作用の条件下でのみ、この状態を経験します。SEIは、パートナーの感情状態を優しく、かつ敏感に感じ取って調整する能力があるため、SEIとの相互作用では、ILEは自分にとって最も好ましく最適な感情的状況に身を置くことができます。

暖かさ、快適さ、穏やかさ、自分への真摯な関心、親しみやすさなど、こうしたもの全てはILEにとって自分が穏やかで幸せであると感じるために必要なものであり、これはまさにILEが双対関係にあるSEIと付き合うことで経験できることなのです。


第7機能(監視):Ni

ILEにとって、時間は完全に彼らの創造的な仕事に属しているものです。そのため自分の時間を他の誰かに管理されている状況は、ILEをイライラさせます(ILEにとって時間は個人的なものです)。

彼らは時間が自分にもたらす可能性だけでなく、他人のために、特に双対であるSEIのために、時間がもたらす可能性を見極めることができます。ILEは、1つまたは複数の目的やプロジェクトを完了するために、自分にどれだけの時間があるかを自分で確認します(そして常にパートナーに助言します)。


ILEは、時間や状況によって修正されるような、遠い未来に及ぶ壮大な計画を立てることを好みます。彼らは急いで仕事をすることは好みません。インスピレーションが湧いたときだけ仕事をするため、短いスパンの計画を立てることを嫌います。特定の量の仕事を時間的に配分することはしません

彼らは個人の時間を可変的なものだと認識しています。締め切りは無限に伸び、興味を持って取り組んでいると、気が付かないうちにあっという間に時間が過ぎていきます。


◆◆◆


ILEは通常、他人の時間の使い方を考慮しません。時間を正確に見積もることができる能力があるにもかかわらず、ILEは遅刻することもあります。ILEの時間の見積もりには、しばしば「これくらいは遅れても許されるであろう時間」が含まれています。

ILEは、時間のロスや実現できなかった可能性があればそれに気が付き、後悔してしまうタイプです。自分の年齢や客観的な状況に目を向けることなく、新しいことに着手していきます。


ILEは物事をまとめたり、最終的な結果を見たりするのは好きではありません。というのも、もし自分の成功や実践的な活動を邪魔するような「客観的な理由」がなければ、もっと多くのことを達成できたはずだと感じてしまうからです。


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ILEの失敗の多くは、定期的に無気力、意志の弱さ、エネルギーの低下といった内的な状態に陥ってしまうせいで生じています。しかしILEは、自分の中の何かを変えるよりも、好ましくない外部の状況に影響を与える方が簡単だと考えています。


ILEは、社会的、政治的価値のある出来事の流れに乗っていることが多いです。彼らは誰よりも歴史の動向を鋭く予測することができます。半年以内程度であれば、これから発生しうる主要な政治的イベントを予測することさえできます。

彼らは膨大な情報の中から、歴史に大きな影響を及ぼす情報を選び抜き、それを記憶しています

ILEは、自分の関心のある分野の歴史的変化を常に観察しています。彼らにとっての歴史的観察とその予測とは、まさに彼らのビジネスとプロとしての興味に直結しています。

例えばILEがスポーツ選手であれば、誰がどの競技でいつ、どのような結果で優勝したかを正確に言い当てることができるでしょうし、経済学者や金融業者であれば、100年以内の関心のある国の通貨や物価の変化を覚えているだろうと思われます。


第8機能(実証):Te

ILEは人に対して、物事(あるいは仕事)のやり方をアドバイスするのが好きです。なぜなら、そうすれば自分が知識豊富で、その仕事をするのに最も適した専門家だという印象を与えられれるからです。

問題は、ILEはある仕事が原理的にどのように行われるのかを見事にイメージすることはできますが、しばしば実際の経験や理解を持ち合わせていない点にあります。

ILEはプロジェクトに参加する段階、あるいは最終段階で必要になる種類の仕事あまり好きではありません。このILEのプロセスタイプとしての特徴は「他人のプロジェクトの枠組みの中で、単純な実行者になること」を意味していますが、ILEは自分のプロジェクトを完成させるための仕事さえ好きではありません


ILEは時折、他人のプロジェクトに参加しているうちに、それが「自分のプロジェクト」であると感じるようになります

そして、自分の仕事を自分の裁量で変更したいと思うようになり、それを主張し始めます。時にはその主張が通らないと「辞職します」と脅すような「最後通牒」を突き付けることもあります。

こうした行動をとった結果、実際に仕事から外されてしまうと、彼らは深い憤りと失望を感じます。こうした種類の出来事はILEにとって最も考えたくない結果です。


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ILEはしばしば転職しますが、それは必ずしもILE本人の希望ではないこともあります。彼らは自分より立場が上の人間の要求に従うのが難しく、要求が自分自身の意見と一致していない場合、全く耳を貸さないこともあります。あらゆる機会を利用して自分の方法や手順で仕事をし、それによって自分の意見の方が正しいことを証明しようとすることもあります。


専門家としてのレベルが低いILEは、専門家としての規律を無視する傾向がありますが、同僚の仕事が彼らの仕事に依存している場合は特に不快を感じてそういう行動をとりがちです。例えば、あるILEが演劇や音楽の協会で働いている場合、リハーサルに遅刻したり、無断欠席してもいいと考えることがあります。

また、あらゆる場面で演出家に突っかかったり、自分の意見を押し通そうとしたりします。さらにはリハーサル中に誰も予想しない形で「自分なりのアレンジ」を捻じ込んだりすることもあります。他の俳優に迷惑をかけるのも気にせず、本番に大げさで気まぐれな行動をとるかもしれません。

簡単に言えば、自分でメーカーやパフォーマーとしての役割を選んでおきながら、何かをしっかり作ったり、きちんと実行せずに、いつも同僚と自分自身の両方に問題ばかり起こしてしまうのです。


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ILEは、確固たる規律と公式主義の下では、確かに仕事ができないタイプです。そうした状況だとすぐに「壊そう」「変えよう」「もっと自分にとって都合のいい体制にしよう」とします。基本的にILEは自分に対して不都合なことや面倒なことがある仕事には価値を認めません

また、自分の創造性を発揮できないような仕事に対しては、その仕事の内容をきちんと知る前の時点で興味を失ってしまいます


ILEは、自分の仕事の結果を厳密にチェックするのが好きではありません。細かい作業をするのが好きではないのです。ルーティンワークも苦手です。少しの間であれば単純な手作業をするかもしれませんが、こうしたことをしている最中のILEの頭の中は、どこか別の世界に飛んで行ってしまっており、それが間違いなく結果に影響を与えます。

それにもかかわらず、ILEは自分のビジネスや仕事に関する能力を高く評価し、それを大声で宣伝したがります。さらに彼らは「自分の仕事に見合うような賃金を払え」という要求もします(ILEは自分に提示されている以上の金額を要求しますが、それと同時に自分の要求がすんなり受け入れられるとは考えていません。

賃金交渉をして、「それ以上の賃金を支払うだけの能力が雇用側にない」とILEが確信を持った金額が提示された時点でILEは条件に同意します)。


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ILEは自分の実用性をアピールしたがります。倹約家であることを誇りに思っています。自分は最低限の収入であっても快適にやっていけるということを周囲の人々に納得させようとします(「マスタードを塗ったパンがあれば十分生活できる」)。

「お金を稼げないのは、お金に追いかけられるような生活をしたくないからだ」と偽っていることが往々にしてあります。

ILEはプライベートでの支出は明確、かつ慎重に計画することを好みます。またお金の節約術を人に教えたがるところがあります。

家族が節約について悩んでいる場合、ILEは自分の手で家計を管理し、どうやってやりくりすればいいか例を出して教えようとします。家計の詳細を調べ、全ての支出と収入をチェックしようとします。

一言で言えば「明らかに無駄だと言えるくらい徹底的に家計を管理した」と納得するまで落ち着くことができません。


こうした状況が変わるのはSEIがILEのパートナーになった時です。この場合、ILEは極端な節約をする代わりに、「お金を稼ぎたい」と急に真っ当なことを考えるようになります。そしてその結果、仕事上の自分の立場を大切にするようになります。

危機的な状況で、ILEはSEIに厳しい節約生活を要求する可能性がありますが、これはSEIがパートナーの場合に限れば一時的なことで済みます(他の相容れないタイプのパートナーの場合、これが長く続いてしまいます)。

ILEはSEIに対してのみ、自分の創造的な興味と家庭の現実的な必要性を調和させて、自分のやる気を引き出し、必要な努力をすることができます。


出典:


訳注


  1. ^ ソシオニクスのモデルAの第3機能、第6機能の次元性は2次元性であり、第4機能、第5機能の次元性は1次元性である。これらはまとめて「弱い機能」であったり「低次元性の機能」と呼ばれることがある。低次元性の側面に関係する問題を上手く解決できない場合、人は自分の得意な機能でゴリ押ししようとする傾向があるとされる。
  2. ^ 周囲が「バカ」で「周りの人間のほうに問題がある」のはILEにとって「今さら証明する必要のない論理的事実」なので、何か問題が起きても「自分の側に問題がないと言えるだろうか」とは考えない。
  3. ^ 社会の規範や風潮を冷笑的にながめる態度。
  4. ^ スポーツ観戦などで乱闘騒ぎを起こす暴徒。


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