外向性/内向性は4種類あるユングの二分法の1つであり、15種類あるレーニン二分法の1つでもあります。
はじめに
ソシオニクスの特性としての外向性は、主導機能(第1機能)によって決定されます。
外向機能を持つタイプを「外向性」または「外向型」と呼び、内向機能を持つタイプを「内向性」または「内向型」と呼びます。
ソシオニクスでは、モデルに関わらず全タイプが、それぞれ外向的な要素と内向的な要素の両方を持っていることには注意が必要です。どちらの要素が絡むかによって、その人はその瞬間、より「外向的」に見えたり、「内向的」に見えたりします。
ソシオニクスにおける外向性は、自分の外にあるオブジェクト(人・物・出来事)の特徴や振る舞いに注目するという定義付けをされた知覚の性質のことです。対照的に、内向性とはオブジェクト(人・物・出来事)に対する自分の反応に焦点を当てるという定義付けをされた知覚の性質を意味します [1]。
- 外向性:
- オブジェクトの性質は「当たり前のもの」として認識しますが、オブジェクト間の関係性は可変的なものだと認識します。オブジェクト間の関係性を変えることで、オブジェクトの性質をより適切なものに変えようとします。
- 内向性:
- オブジェクト間の関係性は「当たり前のもの」として認識しますが、オブジェクトの性質は可変的なものだと認識します。オブジェクトの性質を変えることで、オブジェクト間の関係性を変えようとします。
ソシオニクスの最初の開発者であるオーシュラは、外向的な知覚と内向的な知覚の違いを、物理学における「物体(body)」と「場(field)」の違いになぞらえました。「物体」とは質量と特定の性質を持つ物体であり、「場」とは物体間の相互作用の領域を意味します。
カール・ユングは、誰にでも内向性と外向性の両方が存在するものの、必ずどちらかの態度の型が支配的であると考えました。彼は「外向型は外界から受け取ったものを信頼し、暗黙の要因や動機は二の次にする」「内向型は、外界の状況をきちんと認識していたとしても、それによって動機づけられることはなく、むしろ外部の出来事に対する自分の内部のイメージに対して主に反応している」と説明しています。
ソシオニクスでは、情報要素、情報の側面(アスペクト)、タイプはすべて外向性、あるいは内向性として扱います。
タイプ分類
α | β | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ILE | SEI | ESE | LII | EIE | LSI | SLE | IEI | |
外向 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
内向 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
γ | Δ | |||||||
SEE | ILI | LIE | ESI | LSE | EII | IEE | SLI | |
外向 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
内向 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
典型的な特徴
- 精神的なエネルギーが外側に流れることが多い。
- 大勢の人と接するとエネルギーレベルが上がる。
- 一人でいる時はエネルギーレベルが下がる。
- エネルギーレベルは一般的に高い。
- より多くの場合、周囲に注意を向ける。
- より活動的で、より積極的な傾向がある。
- 多くの場合、新しい友人を簡単に作ることができる。
- 多くの場合、自分をアピールするのが上手である。
- 多くの場合、チームで働くことを好む。
- 精神的なエネルギーは内側に流れることが多い。
- 一人でいるときにエネルギーレベルが上がる。
- 大勢の人と交流するとエネルギーレベルが下がる。
- エネルギーレベルは一般的に低い。
- より頻繁に自分の考えや感情に集中する。
- より受動的で、あまり積極的でない傾向がある。
- 多くの場合、友人はいない。
- 多くの場合、集中することが得意。
- 多くの場合、一人で仕事をすることを好む。
注釈
MBTIやユングのタイプ論の解釈によって生じる誤解としてよくあるのは、外向性は「社会的に外向的」、内向性は「社会から切り離されている」というものです。
しかしソシオニクスの用語では、そのような意味にはなりません。ソシオニクスの内向タイプが、社会的に外向的で、大規模なグループでの広範囲で集中した社会的交流を好む場合がありますし、ソシオニクスの外向タイプがごく少数の限られた人付き合いだけを好むという意味で、社会的に控えめである場合もあります。
ソシオニクスの外向性/内向性の観点でより重要なのは、その人が(どのような種類のものであれ)社会的相互作用を確立する際に自分が主導権を握ろうとするのか、それとも他人に主導権を握らせるのを好むのか、という点です。
訳注
- ^ ソシオニクスの最初の開発者であるオーシュラの定義は、この説明とはニュアンスが異なる印象を受ける。外向性は必ずしも「自分の外」のオブジェクトに限定されるわけではないし(例えば他人の可能性の評価だけではなく、自分自身の可能性の評価もNe)、内向性は必ずしも「自分の反応」に限定されているわけではないのではないかと思われる(職場の同僚AさんはBさんに好意を持っていそうか否かを評価する際はFiを使用する。つきつめて考えれば、これは「(AさんとBさんの関係性を観察して、Aさんの反応とBさんの反応を評価した)観測者である自分の反応」ともいえるが、そこまでつきつめると外向性についても同じことが言える)。関連記事「情報要素(by A. Augusta)補足:物理学のアイデアを踏まえた説明」