ソシオニクスのLSI(ISTj)と、そのサブタイプTi-LSI、Se-LSI
LSI
LSI (マクシム・ゴーリキー [1])
LSI, ISTj (論理的・感覚的内向タイプ): 検査官
外見
LSIの視線は静止しているように見えます。あらゆることに注意を払い、時には会話相手の顔の上で静止し、そして離れていきます。
基本的には無表情ですが、時々、その視線には警戒心や隠された不信感、用心深さといった色合いが表れます。人好きするような微笑み方をしますが、少し人工的に見えます。笑い方はどこか不自然で抑圧されているように見える時があります。
身振りといった表現はほとんどせず、仮にしたとしても、決まりきった型通りのものだけです。冷たい人という印象を与えることが多いですが、コミュニケーションの際に見せた笑顔や賞賛の影響で、それ以外の印象を他者に与えることもあります。
歩き方は抑制的で控え目か、すり足で歩くことが多いです。足裏全体で地面を踏みしめながら、真っすぐ歩きます。普段はきちんとしていて、落ち着きと威厳がある人に見えます。
立っている時は、まるで記念碑のようなポーズをとっているか、固まっているかのように見えます。若干肩が丸くなることはあっても、全体的な姿勢は真っ直ぐしていることが多いです。座っている時も体が傾いたりすることはなく、背筋を真っ直ぐ伸ばしていることが多いです。
時々、いきなり断定的な口調になったり、きつい意見を言ったり、反論を許さないことがあります。
基本的に、長時間の議論を嫌います。過度な馴れ合いは好みません。
もしも好意的な印象を与えたいと思った相手がいる場合は、自分から相手との距離を縮めようとします。この場合、取り入るような笑みを浮かべることもあります。
人物像
正確性や具体性の高さを愛しています。冷静な現実主義者であり、夢見がちな推測はしません。事実と証拠の裏付けが不十分な真新しいアイデアは疑ってかかります。どんな案件も細部に至るまで精力的に、技を尽くして取り組み、完了まで導きます。
前もって全てのケースに備えており、いい加減さや規律の軽視は許しません。法律や規則を尊重し、証拠書類の作成が得意です。経済的で合理的で、責任感も強いです。
命令の実行を監視し、自分が正しいと思っている場合は、異論を認めません。非常に強靭な意志を持っており、タフで勤勉な人です。
相手に共感しているかどうかとは無関係に、相手の仕事の成果を評価します。この点では感情に流されることはありません。人の個々の資質や能力は、ある程度考慮します。金銭的報酬を非常に重視します。
人間関係では柔軟性に欠けており、他者の気持ちや動機を理解するのが苦手です。本質的には不信感を抱きやすく、閉鎖的で、秘密主義的です。何か問題を起きても、人に助けを求めたり、同情をひくよりも、黙っているのを好みます。
家族や仲間に対して並外れた責任感を持っており、困難な状況では彼らの支えとなります。
Ti-LSI
外見
自信があり、冷静で、抑制的で、ルールや基準に正確で、頑固な人です。時には傲慢に見えることもあります。とはいえ十分に親切と言える人で、動揺したり感情的になったりはしません。
会話は非常に丁寧で細部にまで気を配っています [2]。何事も具体的に、明確に説明することを好みますが、時には他人にとって重要ではない細部に拘り過ぎてしまうこともあります。
あまり急ぐほうではありません。というより、遅いとさえ言えるかもしれません。自分の質問に対して、網羅的で徹底した情報を受け取りたがります。曖昧さを嫌います。
内面的には非常に冷静です。気力や忍耐力を失いません。支援を必要としている人がいれば、励まそうとします。会話相手を見透かしているかのように、じっと真っ直ぐに相手を見つめます。
身体の動かし方は注意深いですが、ぎこちなさがあります。歩くときは、足を床につけて滑らせるように歩きます。
後ろを振り返るときに、首だけではなく身体全体を動かすため、まるで首が肩に固定されているように見えることがあります。首を回すような動作をあまりしない傾向があります。
人物像
困難な状況から抜け出すには何をしなければならないかを知っている、冷静な現実主義者です。ストイックな人で、愚痴をこぼしたりせずに、困難を克服します。先を急ぐようなことはせずに、辛抱強く結果を待つことができます。
自分のスタンスを変えるように他者から説得されても、ほとんどの場合は聞き入れません。自分が重要だと感じる事柄では妥協しません。アドリブが嫌いなので、何事も事前に準備しようとします [3]。
変化や不安定さを嫌います。内面的にはやや矛盾を抱えており、内心では疑念を抱いていることがありますが、そうした心の揺らぎが起こっても、最終的には自分の主要な方向性を見失うことはありません。あらゆる障害に粘り強く立ち向かい続け、それを克服することができます。
自分の知識を実践に移すことを好みます。あらゆる状況を安定化させようとします。困難や逆境にあっても、自分の心や気力を失うことなく、勇敢に耐え抜きます。
◆◆◆
柔軟な人付き合いや、人の能力を考慮することが苦手です。思慮の浅い人や軽薄そうな人は信用しません。これは、そういった人々の見せている気持ちが実際のところどれだけ信用できるのかわからないからです。
親しい人の欠点には寛容です。親しい人相手であれば、頼もしい支えになることができます。人付き合いにはすぐに疲れ切ってしまいます。孤独であってもかなり平気なほうです。控え目で目立ちたがりません。
人間関係や感情よりも、客観的な事柄を重視します。秘密主義的で、あまり人と交流する方ではないため、自分の経験をなかなか外部の人間に共有しようとはしません。
空腹や恐怖、痛みなど、自分が感じていることを表に出しません。自分のことで他人に負担をかけないようにします。親しい人の助けを借りるのは、本当に差し迫った場合だけです。
◆◆◆
何事も正確で具体的なことを好みます。自分の活動や判断には一貫性があり、徹底しています。慎重、かつ徹底的に、タスクに取り組みます。他人の怠慢や無責任さは許しません。自分の仕事は最後までやり遂げます。
公式な情報源しか信用しません。狭い範囲の問題の研究が得意です。些細なことも見逃さず、詳細に調べ上げます。正確な記録をとり、事実を明らかにしていくことを好みます。自分の知る規則についてのアドバイスを求められたら、すぐに答えます。
もしも管理する側の立場にいる場合は、明確な作業手順、規律、秩序を作り出すことができます。マネージャーとして、ほとんどの場合、指揮命令系統に従います。
非常に勤勉で誠実であり、義務感が強いです。自分にも他人にも多くを求めます。極端な考えを持ったり、夢や幻に惑わされることなく、いつも公平で合理的であろうとします。
◆◆◆
家庭内では控えめで気取りません。考えや習慣が保守的な傾向があります。興味深く、インスピレーションを与えてくれる仕事であれば、個人的なニーズを無視してでも仕事を優先します。人生の最大の目的を仕事に見出すこともあります。
他者の話に辛抱強く耳を傾け、有益なアドバイスをすることができる、用心深くて友好的な仲間です。
Se-LSI
外見
このサブタイプは、Ti-LSIと比べると行動の落ち着きがなく、内面的には感情的な人に見えます。
やや控え目な人に見えはしますが、自分の意見は絶対に譲りたがりません。もしも自分の意見を尊重してもらえない場合は、争いに発展することもあります。
自制心が強く、あまり人間味のない態度をとります。反論されることや、長い説明を嫌います。他人の行動をよく観察していて、それに応じて手助けしたり、間違いを指摘することがあります。
怒って叱責することもありますが、自分で仕事を片付けてしまったり、他の人がより上手くできるよう手助けすることもあります。激昂すると、過剰に厳しくなり、絶対主義的な発言をすることがあります。時には状況を改善しようとして、優しさを魅力に満ちた微笑みを浮かべたりもします。
歩く速度は速いです。地面を「踏みつける」ようにして歩きます。協調性があり、活発な人という印象を与えます。
控え目でありながら、美的センスを感じさせられるようなスタイリッシュな服装を好みます。
会話では、相手との距離を縮めようとしますが、直接接触することはありません。割れ物を扱うかのような扱いをしたり、過度に愛情深い扱いをしたり、何でもかんでも許すというような接し方はしないほうです。
人物像
自分の目標を達成することに執念を燃やします。極限状態でも素早く方向転換して、強力な意志力、持久力、実践的な機知を発揮します。様々な状況下で、自分の活動から得られる利益を、力の限り断固として守り抜くことができます。
通常、このサブタイプは事実と経験に基づく自分の意見に自信を持っています。時には過剰なまでに頑固で扱いにくいです。反対されたり、意志ややり方を押し付けられることを嫌います。
好奇心旺盛で、有益な情報の収集には余念がありません。道徳、芸術、法律などの分野に興味を持つことが多いです。
自分の立場や考え方を変えるのは非常に難しいです。そのため、斬新な視点や、自分とは異なる視点に対して不信感や猜疑心を抱きます。
◆◆◆
自分が指導的立場にいる場合は、部下にプレッシャーをかけ、誠実な仕事をさせることができます。命令口調で指示を出し、自分の命令がきちんと実行されているかどうかをチェックします。自分の主張が受け入れられない場合は、激昂して、全てを自分の思い通りにしようとすることがあります。
決められた規則への違反は駄目なことだと心の中で感じます。仕事の評価や審査をする場合、その評価を行っている際に実際に克服された困難や課題を見て判断します。個人の能力や状況の差異を考慮せずに、誰にでも同じ条件を適用します。
◆◆◆
ときどき心の中の緊張を和らげるために、感情を吐露する必要があります。このような場合は、自分の感情を隠さず、相手に誠実に耳を傾けてもらうことを期待します。
精神的なバランスを取るのが難しいです。自制心を失って暴走してしまい、それまでに築き上げてきた人間関係を台無しにしてしまうこともあります。
自分の意見をストレートに主張するため、他者との関係を安定させて、友好的に保つということがあまり上手く出来ません。しかしその反面、肉体的にも精神的にも非常に強靭で忍耐力があります。
◆◆◆
自分の感情や個人的な事柄については、ほとんど話なさないか、もし話したとしても、ごく限られた人にだけしか話しません。礼儀として必要な場合を除いて、他人の私生活には深く踏み込みません。
本当に困っている人がいたら、自分が助けなければならないと考えるほうです。こういう場合は、気配りや共感を示し、必要な支援をしようとします。
自分と他人の関係性を見極めるのが苦手です [4]。そのため相手の誠意を疑ったり、逆に自分の「愛されたい」という気持ちを「愛」だと勘違いしてしまうことがあります。根拠のない疑いを抱きやすいです。
◆◆◆
勤勉で、「他人に任せるより、自分がやった方がうまく出来る」と考えて、多くの仕事や雑用を引き受けます。
自分の愛する人であれば、熱心に世話を焼きます。愛する人の幸福に責任を感じながら、無私無欲に世話をします。家庭で必要な物の全てを自分が提供しようとします。清潔さや整理整頓できていることに気を配ります。
外見にも気を配り、生活環境の美しさを追求します。快適さを追求する傾向はありますが、過剰さは好みません。
他人が自分のものに触れたり、勝手に何かをしたりするとイライラします。