LIIは、身の回りで起きるあらゆる出来事を論理的に理解しようとする傾向があります。抽象的であっても、正確で筋の通った考え方を重視し、世界全体を一つのまとまりのある論理的なシステムとして捉えようとします。つまり、出来事をただのバラバラな事象として見るのではなく、それらの背後にある因果関係や原則を見抜いて、全体像を明らかにしようとするのです。
このタイプの人の根本には、どんな出来事もきちんと筋道を立てて説明できるものであるべきだという考え方があります。つまり、感情や偶然ではなく、「理屈で説明できること」が大事なのです。
こうした傾向の強い人たちは、しばしば「デカルト・タイプ」と呼ばれています。このグループには多くの哲学者が含まれます。たとえば、ドイツの哲学者ヘーゲルは、歴史や精神の発展を論理的に説明する壮大な哲学体系を築きました。古代ギリシャのプラトンも、自らの理想国家についての考えを『国家論』の中で展開しています。さらに、トマス・モアやトンマーゾ・カンパネッラのようなユートピア思想家たちも、自分たちが理想とする社会の構造を、理論としてしっかりと組み立てました。
「デカルト・タイプ」の人々は、「たとえどんな状況であっても、正しい行動とは何かを理性によって判断し、その道を選ぶべきだ」と強く信じています。困難な状況にあっても、自分の信じる論理に従って行動しようとするのです。
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LIIに共通する特徴は、障害や困難があっても、一貫した方針と体系的な手順に従って、目標に向かって進み続ける点です。直感に頼ったり、その場の感情で判断することは少なく、常に論理と理性に従って行動します。
このタイプには、人道主義者、科学者、そして社会正義のために闘った人たちが多く含まれています。たとえば、アメリカ独立宣言を起草し、第3代大統領を務めたトーマス・ジェファーソン、精神性と芸術を融合させたロシアの思想家ニコライ・レーリヒ、ソ連の原子力開発を主導した物理学者イーゴリ・クルチャトフ、さらにノーベル賞を受賞した物理学者ピョートル・カピッツァなどが挙げられます。
なかでもアカデミー会員のアンドレイ・サハロフは、全体主義体制からの抑圧にも屈せず、生涯をかけて民主主義と人道主義の理想を守り抜いた人物です。
また「デカルト・タイプ」の人々は、人間関係の問題にも強い関心を持ち、それを理性的に理解しようとします。たとえば、イマヌエル・カントは「定言命法」という理論を通じて、どんな状況でも普遍的に通用する道徳的義務の存在を説きました。ローリッチも「リビング・エシックス(生ける倫理)」という思想を通して、倫理や精神性の重要性を強調しています。
LIIは、人と話すときにもとても礼儀正しく接します。自分の意見を無理やり押しつけることは好まず、逆にそうされたときには強いストレスを感じます。彼らは知的な活動には喜びを感じますが、反対に単調な肉体労働や雑多な実務作業にはすぐに疲れてしまう傾向があります。