ソシオニクスの双対関係であるESE-LIIペアの説明です。Meged氏とは、接触不活性サブタイプなどで有名なソシオニクスの専門家です。
ESE
社交的で陽気な性格で、感じが良く、気の利く楽しい仲間です。グループの中心的存在として、場の雰囲気を盛り上げます。
他者の感情を巧みに操ることができ、落ち込んでいる人を元気づけるような人です。その一方で、信頼を裏切ったり尊敬を失った相手に対しては、気分を害しやすいです。この率直で情熱的な気質が原因で、人間関係をこじらせてしまうことがあるため、ESEは「冷静で落ち着いたパートナー」を必要とします。そうしたパートナーは、あらゆる事柄を理解し、客観的な助言を与えてくれるでしょう。
ESEは家庭での実用的なスキルが高く、手際も良く、人の世話をするのが好きです。すべてを自分でこなそうとし、他人に助けを求めることはめったにありません。その一方で、感情的で繊細な面も持ち合わせており、賞賛や共感、そして積極的な関わりを強く求めます。
美的センスが発達しており、自身の外見から生活空間のインテリアに至るまで、身の回りの美しさに非常にこだわります。パートナーのケチな振る舞いは許せないタイプです。自分で稼いだお金を自分の好きなように使うことを好みます。
楽観的で細かいことに無頓着なESEは、先見の明があるだけでなく、どんな状況も簡潔かつ正確に分析し、曖昧さや別の可能性の余地を残さない、明確で確固たる要約や予測を提示してくれるパートナーからの助言を必要とします。
ESEは、不必要なことまで含めて、あまりにも多くの仕事や活動を引き受けがちです。LIIは、ESEの活動を常に見守り、過剰な負担を切り捨て、本当に必要なことだけを手伝います。そうした支援は、明確で論理的な助言という形で、穏やかに行われます。
LII
この組み合わせでは、LIIは理性的で頼りがいのある知的な友人として、ESEは明るく世話好きで愛情深い親のような存在として関わり合います。その結果、知性と感覚のバランスがうまく取れた関係になります。
LIIは筋道だった論理的思考の持ち主で、自分の考えを丁寧に説明しようとします。しかし、そうした自分の意見を聞いてもらえないとLIIは強く落ち込みます。そのため、ユーモアを持ち、柔軟で人あしらいの上手なパートナーを必要とします。
計画を立てて物事を進めるのを好むため、外からの干渉で予定を変えられるのを嫌います。したがって、パートナーには彼らの助言を尊重し、希望を大切にし、できるだけ計画を乱さない姿勢が求められます。
家庭の細々としたことに気を配り続けるのはLIIにとって苦手で、心は仕事や研究に向かっていることが多いものです。結果として、家庭的な責任の多くはESEが担うことになります。ESEは自分だけで手に負えないときにだけ助けを求めますが、そのときも命令ではなく、感情や熱意でLIIを巻き込みます。するとLIIは課題を整理して段階的に処理していきます。
強引さや押しの強さに欠けるため、他者と衝突するような場面で状況を切り開くのは苦手です。そのせいで自分の立場を守れず、「消極的だ」「エネルギーに欠ける」と批判されるのは非常につらいことです。一方で、自ら目標を立て、粘り強く努力して達成できるような行動的なパートナーには深い尊敬と感謝を抱きます。
また、関係において自ら積極的に動いたり、感情を表現したりするのは難しく、そのために冷たく、近寄りにくい人物と思われがちです。だからこそ、リラックスできて温かい雰囲気をつくり、それを保ってくれるパートナーが不可欠なのです。
双対化の条件
- LIIは、双対であるESEの助言に耳を傾け、人との関わりの中でより親しみやすく、気配りのある態度を身につける必要があります。一方、ESEは感情に流されて人間関係を壊してしまうことがありますが、そんなときにはLIIの冷静で論理的な言葉が、ESEを落ち着かせ、関係を安定させてくれます。
- このペアの客観的な利益を守るうえでは、ESEの主導性が欠かせません。エネルギッシュで行動的、さまざまな実務や戦術に明るいESEは、LIIが苦手とする複雑な問題を解決する力強い助けとなります。
- ESEは不注意で先を見通す力に乏しく、特に金銭や経済に関しては判断を誤りがちです。そのため、洞察に優れたLIIの助言が必要になります。二人の計画立案や戦略的な目標設定、時間の管理といった役割は、LIIが担うべきものです。
- 親密な関係では、感情をオープンに示す役割はESEが引き受けます。ESEはためらわず、自信を持ってこう言わんばかりに振る舞うのです:「あなたが私を愛さなくてもいい。私はあなたを愛している。だから私の愛を覚悟して!」。一方のLIIは冷静で孤立的、内気で、自分が愛される権利に確信が持てないため、ESEの見せる態度がかえってLIIの感情的な熱量を引き出します。そしてここに秘密があります。このような感情的な準備がなければ、LIIの愛はなかなか目覚めません。ただLIIからの積極的なアプローチを待つだけの人であれば、きっと期待外れに終わるでしょう。
ただし、ソシオタイプの中にはむしろ相手の受け身さや近寄りがたい雰囲気にこそ魅力を感じる人もいます。ESEは本能的に「征服する側」でありたいと望んでいて、逆に相手が積極的すぎるとすぐに飽きてしまいます。ESEが求めるのは、真剣さや献身、そして気持ちへの応答です。さらに、LIIが放つ「揺るがない存在感」は、嫉妬深く独占欲の強いESEに安心感を与え、心の平穏を保つうえで不可欠なものとなります。