ソシオニクスの監督関係(管理関係)に基づくタイプの連鎖のことを「改訂リング」と呼ぶ。
表記ゆれ
監督関係(Relations of supervision)は、改訂(Revision)、社会的統制(Social control)とも呼ばれる。Relations of supervisionは日本語で管理関係と翻訳されることもある。
監督関係に基づく改訂リングは要求関係に基づく恩恵リングとは別物なので注意。
改訂リングとは何か
下記はソシオニクスの関係表である。例としてILEを使って説明したいと思う。
まず、下記の表から、ILEの監+(監督+、ILEが監督する側)の関係を順に追って行ってもらいたい。
ILE | SEI | ESE | LII | EIE | LSI | SLE | IEI | SEE | ILI | LIE | ESI | LSE | EII | IEE | SLI | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ILE | 同 | 双 | 活 | 鏡 | 要+ | 監+ | 協 | 幻 | 超 | 消 | 似 | 衝 | 要- | 監- | 共 | 準 |
SEI | 双 | 同 | 鏡 | 活 | 監+ | 要+ | 幻 | 協 | 消 | 超 | 衝 | 似 | 監- | 要- | 準 | 共 |
ESE | 活 | 鏡 | 同 | 双 | 共 | 準 | 要- | 監- | 似 | 衝 | 超 | 消 | 協 | 幻 | 要+ | 監+ |
LII | 鏡 | 活 | 双 | 同 | 準 | 共 | 監- | 要- | 衝 | 似 | 消 | 超 | 幻 | 協 | 監+ | 要+ |
EIE | 要- | 監- | 共 | 準 | 同 | 双 | 活 | 鏡 | 要+ | 監+ | 協 | 幻 | 超 | 消 | 似 | 衝 |
LSI | 監- | 要- | 準 | 共 | 双 | 同 | 鏡 | 活 | 監+ | 要+ | 幻 | 協 | 消 | 超 | 衝 | 似 |
SLE | 協 | 幻 | 要+ | 監+ | 活 | 鏡 | 同 | 双 | 共 | 準 | 要- | 監- | 似 | 衝 | 超 | 消 |
IEI | 幻 | 協 | 監+ | 要+ | 鏡 | 活 | 双 | 同 | 準 | 共 | 監- | 要- | 衝 | 似 | 消 | 超 |
SEE | 超 | 消 | 似 | 衝 | 要- | 監- | 共 | 準 | 同 | 双 | 活 | 鏡 | 要+ | 監+ | 協 | 幻 |
ILI | 消 | 超 | 衝 | 似 | 監- | 要- | 準 | 共 | 双 | 同 | 鏡 | 活 | 監+ | 要+ | 幻 | 協 |
LIE | 似 | 衝 | 超 | 消 | 協 | 幻 | 要+ | 監+ | 活 | 鏡 | 同 | 双 | 共 | 準 | 要- | 監- |
ESI | 衝 | 似 | 消 | 超 | 幻 | 協 | 監+ | 要+ | 鏡 | 活 | 双 | 同 | 準 | 共 | 監- | 要- |
LSE | 要+ | 監+ | 協 | 幻 | 超 | 消 | 似 | 衝 | 要- | 監- | 共 | 準 | 同 | 双 | 活 | 鏡 |
EII | 監+ | 要+ | 幻 | 協 | 消 | 超 | 衝 | 似 | 監- | 要- | 準 | 共 | 双 | 同 | 鏡 | 活 |
IEE | 共 | 準 | 要- | 監- | 似 | 衝 | 超 | 消 | 協 | 幻 | 要+ | 監+ | 活 | 鏡 | 同 | 双 |
SLI | 準 | 共 | 監- | 要- | 衝 | 似 | 消 | 超 | 幻 | 協 | 監+ | 要+ | 鏡 | 活 | 双 | 同 |
- ILEが監督+になるのは、相手がLSIの場合
- LSIが監督+になるのは、相手がSEEの場合
- SEEが監督+になるのは、相手がEIIの場合
- EIIが監督+になるのは、相手がILEの場合
つまり監督関係は4タイプで一周するのである。このようにタイプが繋がり合って一周する状態のことをソシオニクスではリングと呼ぶ。これは監督関係から成るリングなので「改訂リング」と呼ばれる。
こうした改訂リングは、ILE, LSI, SEE, EII以外にも3種類のリングが存在する。つまり改訂リングには合計4種類のリングがある。具体的には下記の通り。
改訂リング (監督する側→される側で並べた場合)
ILE → LSI → SEE → EII → ILE
SEI → EIE → ILI → LSE → SEI
ESE → SLI → LIE → IEI → ESE
LII → IEE → ESI → SLE → LII
右リングと左リング
ここで監督関係とはどのような関係だったかを思い出してもらいたい(下記はモデルAにそって説明した場合の話)。
- 監督者の第2機能(創造機能)と、被監督者の第1機能(先導機能)が一致
- 監督者の第1機能(先導機能)と、被監督者の第4機能(脆弱機能)が一致
監督関係の繋がりを図で示すと、下記のような図が描ける(図が複雑になりすぎるので第2機能→第1機能側のみ図示している)。
ILEとSEIなど、二つに並んでいるタイプ同士は双対ペア。ILEとSEIの背景の色はクアドラを示す(青がアルファ、赤がベータ、緑がガンマ、黄がデルタ)。
矢印で結ばれた一連のタイプ(例:赤い矢印で結ばれているILE→LSI→SEE→EII→ILE)が、先ほど説明した改訂リングである。
図の左側は左回り(クアドラはギリシャ文字の逆順、すなわちアルファ→デルタ→ガンマ→ベータ→アルファ)となる。
一方、図の右側は右回り(クアドラはギリシャ文字の正順、すなわちアルファ→ベータ→ガンマ→デルタ→アルファ)になる。
つまり、4種類の改訂リングには左回りのリングと右回りのリングの2種類のリングが存在するのである。
リングが右回りか左回りかが、二分法「右/左」に相当している。右は別名「プロセス」、左は別名「結果」とも呼ばれる。
改訂リング (監督する側→される側で並べた場合)
right(右、プロセス)
ILE → LSI → SEE → EII → ILE
SEI → EIE → ILI → LSE → SEI
left(左、結果)
ESE → SLI → LIE → IEI → ESE
LII → IEE → ESI → SLE → LII
ソシオニクスにおいて、この改訂リングは、クアドラの二分法(αΔ/βγで分ける「周辺性/中心性」)と共に、社会の進歩に深くかかわっているとされている(社会的進歩リング)。