消滅関係となるタイプ
はじめに
消滅関係とは、ソシオニクスの14種類あるタイプ間関係の1つです。この関係は正反対の関係だと言われています。
消滅関係では、強い機能と弱い機能、そして受容機能と生成機能が共通しています [1]。
また、受容/生成順序 [2] も同じです。
ソシオニクスは全16タイプが存在しますが(ちなみにこの16タイプ全てが存在するグループのことをソシオンと呼びます)、ソシオン上に4つのリングを生成する非対称関係 [3] とは違い、消滅関係はソシオン上に8つのペアを生成します [4]。
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消滅ペアは同じ物事に関心を持ちますが、根本的には違いがあり、しばしば互いにとって理解しがたいアプローチ法を取ります。
消滅関係は、双対関係と同様にある種の引け目を感じることがありますが、決して双対関係のような関係になることはありません。これはおそらく、初対面時にはそれぞれが自分の超自我ブロックの機能を通じて行動することになりますが、それを相手が肯定的に受け取るからではないかと思われます [5]。
しかしそこで相手との距離を縮め、相手をよく知ろうとしても上手くいかないことが非常に多いです。これは大抵の場合、思わず苛立ってしまうような予想外の反応を相手が示すからです。
こうして期待を感じさせられつつも、絶えずフラストレーションがたまる関係になってしまうため、この関係は安定感と秩序のある関係を維持するのが非常に難しい関係であることに気付くことになります。
消滅関係が特に不安定になるのは、第三者が混ざる場合です [6]。こういった場合、消滅ペアはパートナーの長所とは相反する自分の長所を発揮しようとします。
多くの場合、消滅ペアのうち内向タイプのほうは慎重で、形式ばっていて、よそよそしくなりがちです。
そして外向タイプのほうは、かなり傷つきやすくなり、また自分の言動に過剰な注意を向けてしまいます。そのせいで外向タイプは消滅ペアとの関係全般にわたって、かなり疑り深くなってしまいがちです。
こうしたコミュニケーションの混乱は、交流を続けるほどに増大していく傾向があります。
さまざまな著者による説明
Valentina Meged, Anatoly Ovcharov
消滅関係では、完全な理解を得ることが難しいです。数多くの共通点と、数多くの相互利益があるにも関わらず、些細なことが気になって言い争いになりやすい関係です。
この関係が「消滅」と呼ばれている理由は、互いの欠点を過大に見てしまったり、「自分の苦手分野でパートナーがイニシアチブをとる権利」を互いに消滅させてしまうからです。
消滅ペア同士で、互いのプロジェクトのための大きな支援をするのは難しいことですが、意見・提案・要望を交換する場合は、常に興味深い情報を得られます。
お互いの些細なミスを指摘しあってしまうため、別行動をとったほうが上手くいきます。他人の前でそのような非難じみた指摘をすると、かなり痛烈に受け止められてしまいます。
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第三者の存在は、消滅関係の間にあった微妙なバランスをさらに破壊します。もしも個人的な利益の侵害があった場合、消滅関係はそのまま崩壊しかねません。
ある程度の距離を保って付き合えるのであれば、互いにもっと寛容でいることができますが、長時間、密な接触を続けると、なかなか終わらない口論のせいで疲労と苛立ちに苦しめられることになります。
I.D. Vaisband
一対一での交流であれば、うまくコミュニケーションを取ることができ、互いの洞察力やアプローチのオリジナリティに驚かされることもあります。
問題は第三者がそこに加わった時に起こります。第三者の存在は消滅関係のバランスを崩します。
同じ問題でも、パートナーはまったく異なる視点から見ているのです。一方は物体の外的特性を、もう一方は物体の内的特性を観察しています。まるで違う言語で話しているようなものです。
そのせいでコミュニケーションは表面的なものになりやすく、細部にまで注意が行き届かないため、一緒に何かをしたり、行動を調整したりすることが非常に困難です。
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消滅関係では、互いに魅力を感じることが多いですが、その主な理由は、お互いの好奇心を刺激する神秘的な感覚にあります。
家族が消滅関係である場合、なかなか合意しあえないことが多いため、ギスギスした関係になりやすいです。
O.B. Slinko
「The key to heart - Socionics」より
消滅関係のパートナーは非常によく似ています。領域を問わず、同じような物事に興味関心を持ちます。
しかしながら、片方のパートナーの自我ブロックの機能(第1機能と第2機能)は、もう片方のパートナーのイドブロック(第7機能と第8機能)に配置されています。
つまり、片方のパートナーにとっては「普段意識さえしないでやっている当たり前のこと」を、もう片方のパートナーは、わざわざ口に出して話そうとするのです。これは「消滅パートナーは、同じトピックについて反対の意見を持っている」と言い換えることもできます。
一般論として、自分と共通点が多いだけではなく、自分とは全く違う新鮮なアプローチができる人に魅力を感じる人は多いです。そのため、ちょうどその条件に当てはまる消滅関係のタイプと友達になったり、恋人になるというのも、かなり一般的にみられることです。
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しかし消滅関係のタイプの人と結婚した場合、子供が生まれると困難に直面することになります。それまでは無邪気でちょっとした生活の刺激でしかならなかったような意見の違いが、執拗な口論に変貌します。
子供だけに限らず、第三者の存在は消滅ペアのバランスを崩す傾向があります。
R.K. Sedih
「Information psychoanalysis」より
消滅関係で相互理解を得るのは比較的困難なことです。一方のパートナーの「大人」な部分が、もう一方のパートナーの「自信に満ちたティーンエイジャー」な部分と相互作用します [7]。
「ティーンエイジャー」が「自分もそれについて確かに知っている」と証明しようとするのを見た「大人」は、その横柄な態度に腹を立てて、できる限り「ティーンエイジャー」の頭を押さえつけようとします。
皮肉なことに、これはパートナーの仕事上の成功につながることが多いです。
例えば筆者の研究は、消滅タイプとの話し合いに大いに助けられてきました。彼の話を聞くことは必ずしも楽しいことではありませんし、傍から見たら綺麗な会話とは言い難いような会話だったかもしれませんが、非常に役に立ちましたし、かけがえのないものだったとさえ思います。
同じ分野に携わる者として、互いに尊敬の念をもって接していました。そのおかげで、私たちの関係は何度も救われました。
もしも、私たちがどちらもかなりの程度、双対タイプに助けられていなかったとしたら、消滅関係で生じる対立を乗り越える強さは無かったのではないかと思います。
しかし今ではもはや、仮にそうだったとしてもおそらく問題にはならないだろうと思います。これまでの数々の知的な議論は、私たちの関係を永遠の友情に変えました。
この例のように、消滅関係間の相互作用に内在する可能性の実現化に成功した例は他にもあります。しかし残念ながらこれは稀なことです。
消滅関係の相手と円滑に付き合うために大切なことは、「相手を正したい」という欲求が爆発しそうになっても、それを我慢することです。どんな時でも自分をコントロールできなければ、相手と同じように自分自身も苦しむことになります。
「子供」と「自信に欠けるティーンエイジャー」 [8] にも、同様の問題があります。しかも「大人」と「自信に満ちたティーンエイジャー」と違ってこれらは弱いブロックであり、侮辱への耐性も低いため、ここで「論破したい」という欲求を持ってしまうのは、より危険なことです。
消滅関係は、結婚という意味では最も困難な関係のひとつです。
Laima Stankevichyute
「Intertype relations」より
消滅関係の場合、しばしば互いに魅力を感じることがあります。特に相手の肉体的な資質(例えば目の美しさなど)に注意が向けられる傾向があります。
一対一の付き合いであれば、色々な話をできる間柄になりやすく、同じ問題でも相手が違う角度から見ていることに驚き、独創性を感じることもあります。しかし第三者がそこに加わって間接的に優劣がつくと、そのバランスが崩れてしまいます。
消滅関係の二人が一緒に暮らしたり、共に仕事をしなければならない場合、衝突は避けられません。同じトピックの話しているように見えても、その視点は正反対です。
A.V. Bukalov, G. Boiko
「Why Saddam Hussein made a mistake, or what is Socionics」より
外向性/内向性の指向が反対であることから、消滅関係は中和関係と呼ばれることもあります。
消滅関係では、内向タイプが外向タイプの活動を「消滅」させるかのような関係になります。例えばILIはILEに懐疑的な態度で接します。「ILEのアイデアやイニシアチブからは何も生まれない。全てがナンセンスだ。これから何がどうなるかは、まだわからない」と言って、ILEの熱意を消し去ってしまいます。そうしてILEは(ILIにとっては)実用性のない空虚な雑音にしか聞こえない哲学的な考察をやめてしまうかもしれません。
しかし消滅ペアは、関心事項が共通している傾向があります。そのため共通の趣味を持つことが多く、コミュニケーションしやすい相手であることは確かです。
問題は、第三者がいる場合に起こります。消滅ペアは、互いにその第三者を自分の味方につけたいという競争心が芽生えてしまうのです。そうなると合意形成が難しくなります。
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お互いの変わった洞察力に驚かされることも多いですが、自分とは考え方が違うことを常に意識させられます。
もしも結婚するとなると、お互いに慣れるまでに長い時間が必要です。恋愛スタイルから性的な交流に対する期待も違うため、関係はさらに複雑になってしまいます。
しかし、ほとんどの消滅ペアは、互いをひどく傷つけることはできないため、大きな衝突にはなりません。
Victor Gulenko
「Criteria of reciprocity」より
快適な議論:
消滅関係のタイプの人とコミュニケーションをとり始めると、まず最初に心地の良い議論が始まります。より積極的なパートナーは自分の意見を言い、より消極的なパートナーはコメントや修正を与えます。パートナーは通常、互いの行動スタイルを通して互いにアピールしあいます。お互いの独特の思考スタイルに楽しい驚きを感じます。
しかし第三者がいると、「消滅効果」が発生します。つまり、相手が興味深いと感じるアイデアを発展させようとする試みをお互いに妨害しあい、反対しあってしまうのです。
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消滅関係同士で議論する場合、大勢の人の前で議論するのはお勧めできません [9]。小さな交流の輪であれば、お互いに修正しあいながら、新しい事実情報を充実させることができますが、関係がより外向的になると、消滅関係特有の不快なプロセスが始まってしまいます。これといった根拠もないのに、互いの提案に反論するようになるのです。
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消滅関係では、互いの行動をかなり明確に予測できます。そして特に相手の行動が合理化されればされるほど、面白くなくなっていきます。
消滅ペアは、定期的にリラックスした哲学的思考を行い、周囲の出来事を批判的に分析する必要があります。このペアは非常に柔軟で、環境の変化によるストレスにも順応できます。
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消滅関係では、互いの欠点がすぐ目につきます。「物事をきちんと考えていない」「疑り深すぎる」「批判的すぎる」という非難が消滅ペア間で飛び交うのは、非常によく見られることです。
消滅関係では感情的になってはいけません。深い感情的な不満のせいで、関係が引き裂かれてしまうことになるからです。互いの欠点に夢中になりすぎると、自分の立場の弱さや、自分自身の欠点の存在を忘れてしまいます(そしてこの欠点を、相手は一瞬で見抜いています)。
。消滅関係の場合、相手の実績や現状よりも、相手のやり方や考え方、相手の行動の一般原則に興味を抱きます。十分な根拠なしに、なんとなく相手の方法を利用して自分が「武装」したいという希望を感じ続ける傾向もあります。
消滅ペアは、かなり的確に互いの行動を予測します。
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消滅関係では、感情的なダイナミクスが最初に優先されるのではなく、パートナーの行動の突然の変化が優先されます。なぜなら相手が上手くいくかどうかを見積もることができるため、そこからの逸脱があると、つい注目してしまうからです。
消滅関係には「クッション」としての作用もあります。成功を抑制するものでもあり、潜在的なダメージを和らげるものでもあるのです。波形グラフを想像してほしいのですが、消滅関係のペアは、まるで同じ振幅の波でありながら、片方の波が最大値の時、もう片方の波が最小値になるような波同士の関係に似ています。このような関係では、過激に見える願望や、過度に重要視されている願望が断ち切られることになります。
消滅関係では、互いの意見や意図が批判的にぶつかり合いますが、それはむしろ互いの行動に対する寛容的な態度を生み出すことになります。自分の理想とはかけ離れていても、両者が受け入れられる妥協点を模索するプロセスを観察できるでしょう。
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付き合う上でのアドバイス:
友人や仲間などといった狭い範囲のコミュニケーションであれば、消滅関係であっても快適な交流が可能です。互いを打ち消し合うような「消滅効果」は、第三者が加わることで発生します。第三者がいると、きちんとした根拠もないままに、相手の意見を否定し始めてしまうのです。
もしも相手の批判を素直に受け入れ、そこから利益を得ることを学べば、批判を受けた自分のアイデアや動機付けは、より現実に即したものになることでしょう。
何かを批判的に評価したり、プロジェクトの予測を立てる必要があるときは、消滅ペアにも参加してもらいましょう。ただし、実行段階にも参加してもらうことは期待しないでください。
もしも消滅ペアと技術的な共同作業をする場合は、かなりゆっくりと、厳密なルートに沿って進められることになります。
消滅ペアとの関係が不安定な場合、感情的になって解決しようとはしないでください。それよりも一度相手から離れて一人で過ごすと、何事もなかったかのように再び関係を再開できるはずです。議論の材料にするために、新しい情報に関心を持つようにしましょう。
定期的にジョークやユーモアを交えて、たまったイライラを発散してください。時々、好きな食べ物や飲み物を用意して楽しい食事をするのもいいでしょう。お互いに気持ちよく接することを心がけましょう。
究極の真理を求めるのではなく、実用性のためにアイデアを出し合いましょう。もしも何か疑問を感じることがあれば、過去の経験の中から答えを探すようにしてください。
V.V. Gulenko, A.V. Molodtsev
「Introduction to socionics」より
消滅関係の場合、適切な心理的距離を確立することに難があるため、二人の間の距離感が不安定なものになりがちです。心理的距離が安定するのは、一対一で交流している場合に限られます。
相手の公的な場での振る舞いや、誠実さ、温かさに感銘を受けやすく、それがある場合は心理的距離を縮めやすくなります。
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第三者の存在は、この関係にとってはマイナスです。第三者からの信頼を得ようとするあまり、競争と議論が表面化し、時には苛烈な言い争いにまで発展してしまうからです。グループでのコミュニケーションをすると、突然、心理的環境が変化してしまいます。
内向的なパートナーは、次第に疎外感を感じるようになります。人間関係は温かみを失い、堅苦しくなり、警戒心が生まれます。両者とも、もっと親密でオープンな関係に向かっていた昔のことを思い出して、密かに後悔し始めます。
外向的なパートナーは、自分が誤解されているように感じたり、偏見を持たれているような気分に陥ります。一対一のコミュニケーションをしている時は、ずっとお互いを理解しあえていたように感じるため、予想していなかった展開に戸惑ってしまいます。
内向的なパートナーは、外向的なパートナーの活動を抑制し始めます。話し方に非難の色合いが混ざり始め、外向的なパートナーに対して強い言葉で批判し始めるのです。そして、そんなことをされた外向的なパートナーもまた、自分がされたのと同じようなやり方で応酬します。これは準双対関係や監督関係でみられる交替に似ているといえるかもしれません。
外向的なパートナーは、消滅関係ではより弱い立場にあります。一方では、常に自分の背後に敵がいるような気分になります。自分のニッチから外れるような行動は全て避けるようになり、「少しでもミスしたら、それを見咎められて大っぴらにされるのではないか」と不安を感じてしまいます。しかしそれと同時に、それでもまだ相手は一般的にみて善良でまともな人だという風にも思っています。
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消滅ペアが非難の応酬にならずに付き合うためには、両者が個人的、社会的、文化的に発達していることが欠かせません。
Ekaterina Filatova
「Art of understanding yourself and others」より [10]
消滅関係では、同じチャネルに方向が異なる4つの同一機能があります。そして同時に、機能ごとのコミュニケーション・チャネルが一致している機能はひとつもありません。このことは、消滅関係にあるパートナーが互いに同じ視点を持てる重要な領域がひとつもないことを意味しています。
一方が外向的な機能で外向的なプロセスに注意を払うのに対して、他方は内向的な機能で内的な状態に注意を払います。その結果、パートナーがお互いを理解し、合意に至ることは、同じ問題を反対の視点から見たいうという場合を除いて困難です。
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初対面では、お互いの「謎」に惹かれ合うことがあります。そのため、急速に仲良くなって結婚することが多い関係です。しかし当然ながら、そうした家庭の夫婦生活はかなり緊張に満ちたものになりがちで、しばしば破局や離婚の危機に陥ります。
Eugene Gorenko, Vladimir Tolstikov
「Nature of self」より
消滅パートナーは、すべての機能を共通して持っていますが、その方向性が逆です。実際には、一方が外側から見ているものを、もう一方は内側から見ているのです。そしてこれが誤解の原因になります。
パートナーは互いにあまり面白味を感じられず、会話もあまり魅力的だとは感じません。第三者がいなければ平和的なコミュニケーションは可能ですが、第三者が加わった途端に、一方のパートナー(多くの場合、外向タイプのほう)の関心が、この第三者に移ってしまいます。
このタイプ関係に特別なスパイスはありませんが、それと同時に互いに大きな問題を引き起こすこともないため、かなり安全な関係だとも言えます。
Sergei Ganin
活性化関係は、対称的でリズミカルで異質な関係です。
消滅関係は、不安定な心理的距離の関係です。両者ともに安定した心理的距離を確立したり、それを維持することに難があります。この相反するパートナーがうまくいく唯一のチャンスは、二人きりになれた時だけです。
通常、消滅パートナー同士は互いの長所を競い合います。彼らがそうしてしまう理由は、第三者がいる時に、自分の長所をアピールすることで、聞き手の興味を自分のほうに引きつけようとするからです。
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消滅関係のパートナー同士は、互いに相手の行動のいくつかの要素を好ましく感じるかもしれません。そのおかげで、より親密な間柄にまでなることもあります。
しかし共同活動をすると、両者の間の相互作用が劇的に変化することがあります。
内向的なパートナーは通常、温かい感情的な交流が失われて、よそよそしく形式的で用心深くなります。両者ともに相手を信頼しすぎてしまったことを後悔し始めるかもしれません。
外向的なパートナーは、通常、自分の不利になるような行動を、内向的なパートナーがとっているという誤った印象を受けてしまいます。両方のパートナーが「以前はもっと上手くいっていた」と確信していることが災いして、様々な誤解や驚きが生まれてしまう危険性があります。
内向的なパートナーは通常、外向的なパートナーの活動を抑制し、非難・批判をすることがあります。そして、それを受けて外向的なパートナーも、自分がされたのと同じことを、やり返すことがあります。
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消滅関係で最も弱い立場にあるのは外向的なパートナーのほうです。彼らは、まるで自分が裏切られたかのように感じるかもしれません。その結果、彼らはまた失敗しないよう過剰に心配してしまい、かなり疑り深くなってしまうことがあります。
残念ながら外向的なパートナーは、内向的なパートナーが自分が想像しているほど悪い人間ではないと見抜くことができません。
消滅関係の理論的特性
消滅ペアはユングの合理性/非合理性、論理/倫理、感性/直観の二分法を共有していますが、外向性/内向性が異なっています。
訳注
^ 受容機能はモデルAの第1, 3, 5, 7機能、生成機能はモデルAの第2, 4, 6, 8機能。
具体例としてIEEとIEIについて見てみると、IEEの強い機能は1Ne, 2Fi, 7Ni, 8Fe、受容機能は1Ne, 3Se, 5Si, 7Niであり、IEIの強い機能は1Ni, 2Fe, 7Ne, 8Fi、受容機能は1Ni, 3Si, 5Se, 7Neである(数字はモデルAでの機能番号)。機能番号以外、情報要素が共通していることがわかる。
^ 受容/生成順序とは:タイプ内の情報代謝経路には複数の説が存在するが、その一説には3→4→1→2と5→6→7→8という説がある(数字はモデルAの機能番号)。
具体例としてIEEとIEIについて見てみると、IEEは3Se→4Ti→1Ne→2Fiと5Si→6Te→7Ni→8Fe、IEIは3Si→4Te→1Ni→2Feと5Se→6Ti→7Ne→8Fiであるが、これをみると同じ順序で情報代謝されていることがわかる。
^ ソシオン上に4つのリングを生成する非対称関係とは:監督関係と要求関係のこと。どちらも4タイプで1週するタイプの連なりがある。具体的には監督関係と要求関係の記事を参照。
ソシオニクスでは、タイプなどが1周する連なりのことを一般的に「〇〇リング」という名称で呼ぶことが多い(例:監督リング、メンタルリングなど)。
- ^ IEE-IEIやILE-ILIなどの8種類の消滅関係のペアのこと。
^ 具体例としてIEEとIEIについて見てみると、IEEは超自我の機能である3Se, 4Tiが、IEIは3Si, 4Teが初対面時の行動の前面に出やすい。
ソシオニクスには「尊重する機能/控えめな機能」というものがあり、尊重する機能(第1, 2, 5, 6機能)の情報要素には価値を感じるとされている。
双対関係とは、自分の「尊重する機能」かつ「弱い機能」である第5, 6機能を、「尊重する機能」かつ「強い機能」である第1, 2機能にもつパートナーとの関係であるが、IEEは5Si, 6Teであり、IEIは5Se, 6Tiであるため、奇しくも「初対面時の消滅関係パートナーの行動の前面に出ている情報要素」とも一致している。
- ^ これは、第三者がいるほうが上手くいく活性化関係とは真逆の特徴である。
^ R.K. Sedihは、それぞれモデルAの下記のブロックと対応させて説明している。
「大人」が自我ブロック(第1,2機能)
「自信に欠けるティーンエイジャー」が超自我ブロック(第3,4機能)
「子供」が超イドブロック(第5,6機能)
- ^ 注釈 [7] 参照。
- ^ これはアルファ・クアドラ、特にILEにとっては大きなフラストレーションになることかもしれない。関連記事「アルファ・クアドラ」「ILE(ENTp)by Stratiyevskaya」
- ^ この説明はモデルA以外のモデルに基づく説明。具体的にどのモデルに基づく説明かは明記されていない。