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2次元性機能の特徴とタイピング時の注意点

2022年5月26日木曜日

ソシオニクス 次元

ソシオニクス・1次元性機能の特徴とタイピング時の注意点

機能の次元とは

ソシオニクスにおいて「次元」とは、「強い機能」と「弱い機能」の違いの原因になる要素である。

全ての機能は、4種類のパラメータ「経験」「規範」「状況」「時間」の一部・または全部を持っているとされており、各機能はこのパラメータを考慮して情報を処理する。

本記事では、モデルAの規範パラメータを特定するという問題について、実践的なアドバイスを提供する。初心者が犯す典型的なミスについて考察する。


関連記事


「規範」とは何か

「規範」とはソシオニクスの4つの次元パラメータの一つであり、社会で一般的に認められている行動(人間関係)のルール、感情の表現方法、質の評価(基準)、論理的結論、能力の評価、変化の認識の評価、防御の標準的方法、快適さを生み出す方法を意味する。

「規範」は、人それぞれが所属している社会的集団や地域、時代に依存しているため、それらが違うと「典型的な2次元機能の表現方法」も違う(この点がタイピングの際に誤判定する原因になりやすい)。


◆◆◆


関連記事:機能の次元


2次元性機能とは

モデルAに従ってみた場合、各機能の次元性とパラメータは下記の通りである。

次元 機能の位置 パラメータ
4次元性 1, 8 経験, 規範, 状況, 時間
3次元性 2, 7 経験, 規範, 状況
2次元性 3, 6 経験, 規範
1次元性 4, 5 経験


つまり、規範パラメータを持つ機能は以下の6つの機能である。
  • 4次元機能(機能1, 8)
  • 3次元機能(機能2, 7)
  • 2次元機能(機能3, 6)

そして、規範パラメータを持たない機能は以下の2つの機能である。
  • 1次元機能(機能4, 5)

◆◆◆


2次元性機能(機能3, 6)は、「経験」パラメータと「規範」パラメータだけを持っており、「状況」パラメータと「時間」パラメータを持たないため、以下のような特徴も持っている。

  • 柔軟性に乏しい。

  • 慣れ親しんだ方法に固執して情報処理を行おうとする。

  • やたらめったら「ルール」「規則」「格言」「ことわざ」を適応したり、引用しようとする。


参考:

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タイピング時のチェック事項

モデルAによってタイプを特定しようとする場合、主にどの機能が1次元性の機能であるか特定するという作業が行われることになる。


School of System Socionicsで開発された方法論は、この問題を明らかにするために、まず規範パラメータの存在を確立することから始めるよう推奨している

そしてそのために、ある情報に関して社会で受け入れられているルール(正しいか、慣習的か、どうあるべきか)に対する「被タイプ判定者の態度」を明らかにすることを目的とした質問が行われる。


この際、School of System Socionicsでは以下の確認を行う。

  • 一般に受け入れられている規範についての知識
  • それに対する賛否
  • 規範の保有
  • 規範を超える能力の存在
  • 規範に対する拒否
  • 規範に対する誤解

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以下は専門家(タイプ判定者)が規範パラメータを決定する際、誤判定の原因になりやすい発言である。

このような規範的発言は、ただ「規範パラメータの存在を示す可能性」にすぎないものである。タイプ判定者は、こうした特定の言葉の有無だけで規範パラメータかどうかを判定するのではなく、文脈や意味に着目しなければならない


  1. 典型的な規範的発言(ルールや格言、社会的な固定観念、または義務を含む柔軟性のないフレーズの使用)
  2. ルールや正しさを否定する発言
  3. 「~すべき」や「~しなければならない」という発言


参考:




誤判定に繋がりやすい発言と判別法

典型的な規範的発言

典型的な規範的発言(ルールや格言、社会的な固定観念、または義務を含む柔軟性のないフレーズの使用)をしたからといって、それ自体は機能が2次元性である証拠にはならないことにタイプ判定者は注意しておく必要がある。


規範的な発言の例:
  • 「礼儀正しくしなければならない」
  • 「過度な感情表現は慎むべき」


証拠にならない理由:
  • 1次元性機能は規範パラメータを持たないが、だからといって知識として規範を知らないわけではない。(例:「職場では朝、おはようございますと挨拶すべき」という知識があり、その通り実践しようとする意識もある。1次元性機能がうなく規範的な行動を取れないのは、未経験の状況に直面したとき。例えば挨拶して無視されたと感じた次の日、規範通りに挨拶できなくなる等)
  • 3次元性機能と4次元性機能は規範パラメータを持っているため、規範を知り、活用できる


上記を踏まえた上での判別法:
  • 世間一般的に「当たり前」だとされる規範に対して疑問を投げかけ(「本当にそうだろうか」「必ずしもそうだとは言えないのではないか」「人が○○して何がいけないのか」)、被タイプ判定者がどうやって自分の考えを正当化しようとするのかを観察する(こういった時に次元性が現れやすい)

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次元数別・反応の特徴


1次元性機能の場合:
  • 自分の考えを疑い始める。
  • 自分の経験談を持ち出す。
  • 「他の人はどうかは知らないけど、自分にとってはそうだ」というように、個人的な意見として発言する。


2次元性機能の場合:
  • 権威ある情報源を引用する。
  • 他人の意見を持ち出す。
  • 次のような発言を行う:「そう教えられたから」「これが一般的に受け入れられる方法だから」「それが当たり前、常識だから」


高次元性機能(3次元性、4次元性機能)の場合:
  • 「権威」の陰に逃げたり、社会での一般的な在り方を持ち出すことはあまりない。
  • 低次元性機能(1次元性、2次元性機能)と比較すると柔軟性の高い反応をする(全ての状況に対象の規範を適用できる価値があるわけではなく、全てのルールや法則には例外があることを理解しているため)

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具体例


規範Niの場合:

「誰かと会う約束をした状況を想像してください。すでに20分経っていますが、待ち合わせ相手がやってこない時、あなたはどんな気持ちになりますか?また、どんな行動をとりますか?」

「イライラながら電話します。今どこにいるのか、今日来る気はあるのかを確認します。15分は待ちますが、それ以上は失礼だと思います。とりあえず15分待って、そのあとは相手を待つ余裕が自分にあるのかどうか、それ以上待ってあげる必要があるのかを考えます。私はいつも遅刻の理由を正確に聞き出すようにしています。電話で、相手の現在地に近い場所で落ち合うよう変更することもあります」


⇒ ここで注目すべき言葉は「15分は待ちますが、それ以上は失礼だと思います」

15分というある種の制限や、低い柔軟性がある。

こういった規範パラメータの現れらしき発言が確認できたら、さらに質問(「なぜ15分なんですか?」)することで、より正確に次元性を特定できる


「なぜ15分なんですか?」

「15分がギリギリ許される遅刻の限度だからです。なぜそう思うのかというと、以前それがマナーだとどこかで聞いたか読んだかしたからです。私自身はマナーを守ろうと心がけています。そして15分が遅刻の限度です。…まあ私の場合はですが


⇒ 他人の意見を持ち出すという反応が見られる(「以前それがマナーだとどこかで聞いたか読んだかしたからです」)。2次元性機能は「経験」パラメータを持つため、他人の意見を持ち出すか、個人的な経験(「まあ私の場合はですが」)を持ち出す。

ちなみに典型的な高次元性機能は、もっと一般化した視点から話す


◆◆◆


規範Fiの場合:

以下はタイプ判定中の会話。

母が私の弟にいきなり何かをさせようとしたとしたら、きっと弟は怒ることでしょう。私にはそれがわかります。いきなりやらせるのではなく、もっと事前に情報を伝えておいた方が効果的なことは確実です。そうすれば自分で計画を調整できますし、必要なら祖母の助けを借りるよう計画することも出来るからです。」

「なぜそうすることが効果的だと思うのですか?」

自分の経験上、そうだからです。個人的なことを言えば、そういうやりかたをされると私は不快に感じます。事前に知らされることなく『今すぐに何かをしなければならない』というのが全く不快だからです。今本当に時間があるのなら、むしろ今すぐ何かをする方が楽だと思いますが。あと私はよく、一般的にはしなければならないと言われていることを忘れてしまったり、やらないままにしてしまったりすることがありますが、これは私にとっては『しなくてはならないこと』ではなく『選択肢のひとつ』だからです」

⇒ 対人関係の規範(Fi)に関する質問の過程で、Fiではなく時間の直観(Ni)の規範が観察できた事例。自分の経験(自分の時間の直観にまつわる経験)のみに基づいて発言している


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注意点として、高次元機能(3次元性・4次元性機能)も「テンプレートな発言」「詳細説明の省略」が観察されることはある。しかし「自分の意見を正当化しなければならない」という際には、おそらく低次元性とは明らかに異なる機能の働き方が観察されるはずである。


高次元性Niの場合:

「人の幸運や不運というものは、偶然の産物だと思いますか?」

「いいえ、私はそうは思いません。この世には偶然はありません。あるのは必然だけです

「なぜそう思うのですか?他の人々の理解と比べて、何か違う点はありますか?」

「バタフライ・エフェクトや風吹けば桶屋が儲かるという言葉がありますが、あらゆる事象には、因果関係の連鎖が存在すると思うからです。もちろん人がその全てを認識して把握することは出来ませんが。引き寄せの法則もこれに関係しているかもしれません。これが私の理解ですが、まあ似たようなことを考えている人は他にもいると思います。例えば全てが神の意志である、だからこの世に偶然はないのだとか、事故とは神が与えたもうた特別な試練だと信じている人とか。もちろん個々人の身に起こったこと、例えば道を歩いていて鳥のフンが落ちてきたとか、そういった自分の身に起こったことを『事故』だと考える人もいるでしょう。世間的にはもちろん事故なのだから、個人的にはどうということはないですが…。因果関係の連鎖においてみられる個々の出来事が一体どこから生じているのかなど誰も知ることは出来ないでしょう。たぶん、人間の奥底からきているのではないだろうかと私自身は思っています」

⇒ 最初の「私はそうは思いません。この世には偶然はありません。あるのは必然だけです」というフレーズは、規範的な発言だと捉えることも可能なものであるが、追加の質問に着目すると、規範(様々な理論や他者の一般的な認識)を把握してはいることがわかるが、それをそのまま受け売りして回答を終えるのではなく、発言者自身が状況的アプローチを用いて回答している。

後半部分の発言は、発言者個人に限定した視点の発言ではなく、一般的な視点からの話をしている点が、高次元性機能の発露であると解釈できる。

したがって最初の質問だけで「Niの柔軟性がないのでNiは2次元性機能だ」と結論付けるのは早計であることがわかる。

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ルールや正しさを否定する発言

ルールや正しさを否定する発言そのものが規範パラメータの欠如(つまり1次元性機能であること)を示すわけではない。被タイプ判定者がそのような発言をした場合、その発言が出てきた経緯を探ってみる価値がある。


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状況パラメータの表れとして、状況によっては規範(ルール・特定の正しさ)から逸脱する方が良い結果が生じる可能性を理解した結果として、否定的な発言がなされることがある。

高次元性Fiによる規範の拒否:

「道徳的なことと、そうではないことをきちんと判断することは出来ますか?」

「私はそういう判断を下すこと自体、慎重になってしまいます。確かに私の中に『道徳的に正しい』ということはあります。でも、それはきっとパプアニューギニアでは通用しないでしょう。しかもその時々の状況や経緯も考慮にいれなければなりません。例えばとんでもない不正を行っている自分の家族の罪を告発した少年がいたとします。この少年が、真に道徳的な動機でこのような行動をとったのかどうか、第三者に正しく評価できるでしょうか。私にはできません。なぜなら、私自身はその少年と家族の間の関係性がどんなものであったのかを全く知らないからです。多くの人は、規範を守ることが正しいと考えています。でも、自分が大切に守っている規範が本当に正しいかどうかを評価するのは誰にとっても難しい事だと思います」

「なぜ難しいと思うのですか?」

「これは、同性間での恋愛のことを思い出して、そう思ったからです。私の知り合いにもこのような関係を築いている人がいましたが、彼らは交際を隠さなかったため、友達を作ったり、仕事を得ることができなくなってしまいました。『規範』通りに恋愛を拒否すればよかったのでしょうか。私はそうは思いません。ただ、それを隠す必要があったと私は信じています。これは他の規範でも同じことです。人は、本当に必要に迫られたら『規範』を破ってしまうこともあります。最初に道徳的なことと非道徳的なことを見分けることが出来るかと質問されましたが、結局のところ我々が出来ることは、特定の状況ごとに、自分の理解が正しいかどうかを評価することだけです。誰がどのような規範を守っているのか、具体的に何が起こっているのかが明確でなければ、評価できないのです」


⇒ 同性間の恋愛関係について、この被タイプ判定者の社会で一般的とされる関係性の倫理(Fi)の規範を否定するような発言が見られるが、これは「規範意識が欠如している」から出た発言ではないことは文脈から理解できる。個人的な経験を例として持ち出してはいるが、最終的には「私の場合はこうだった」という個人の経験談ではなく、「人間とはこういうものである」という視点での話になっている。これも高次元性の現れである。


◆◆◆


上記との比較例。

1次元性機能Teによる規範の拒否:

「物の品質を評価する際、どのような基準で評価しますか?」

「物の種類に左右されない『品質の評価』の定義は存在しないと思います。私自身は日頃よくバナナを買うため、バナナであればそれなりに目利きができるつもりです。でも私が全く詳しくないもの、例えば船の品質をどう評価したらいいのかと聞かれても、答えようがないです」


「では、もしもあなたがよく理解していない物の良し悪しを評価しなければならない場合、あなたはどうしますか?」

「まず最初に言っておきますと、私の仕事でそのような判断をしらなければならないという状況は、まずありません。それでも、もしもそうしなければならないとしたら、私はそれについて学ぶと思います。また、日常生活の中で、知らないものの良さを理解する必要がある場合は、それについて知っている人に聞こうと思います。ネットから情報を集める場合、それを使っている人、理解している人の意見を聞くのが一番です。そういう人たちは、品質を見極めるだけでなく、最適な使い方をアドバイスすることもできるからです」


「誰が高い理解度やスキルを持っているかを判別するということが、人類には可能だと思いますか?」

「知人がこの分野で仕事をしていることを知っている場合、その人から話を聞いてみて、『この人は詳しそうだ』という印象を受けるかどうかで私は判別しています。『理解していそうだ』と感じるような人の意見を聞ければ助かります」


⇒ 「物の種類に左右されない『品質の評価』の定義は存在しないと思います」というTeの規範の拒否が見られる。

この被タイプ判定者の場合、規範の拒否は「個人的な経験の記述への移行」と「自分自身の評価なしに、他人の意見を信頼すること」という1次元性機能の特徴を伴っていることがわかる。特に最後の部分には、これが明確に表れている。

最後の答えは特に重要である。ここでは意図的に「一般的にはどうか」という視点からの質問を投げかけている。つまり「(あなたは)どのように定義するか」ではなく、「(一般的には)どのように定義できるか」を聞いているが、それでもこの被タイプ判定者は自分の経験だけで答え、「すべての人に代わって」話さないという点が観察された。これはTeに関するアイデアの個人性の指標としてみることができる。

また、この被タイプ判定者の場合、他者のスキル評価が「個人的にどう感じるか(経験パラメータ)」に依存している点も重要な判断材料になる。

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「~すべき」や「~しなければならない」という発言

「~すべき」や「~しなければならない」という発言を聞いて、すぐに「規範パラメータの現れだ」と解釈するのは早計である。

規範的な「~すべき」は選択肢を制限するものであり、一般に認められたルールやパターンに縛られるものであることを忘れてはならない。


「~しなければならない」は2次元性機能だけが求めるものではない。高次元機能も高い目標故に「~しなければならない」という要求をすることがある(「責任者であるなら、将来の展望は持っていなければならない。目的を叶えるための最適な条件の選択は、その展望にかかっているのだから」)。

また、「必要」という言葉は、文脈によって異なる意味を持つ場合があり、必ずしも規範的な制約だけを意味するわけではない点も注意が必要である(「『規範』通りに恋愛を拒否すればよかったのでしょうか。私はそうは思いません。ただ、それを隠す必要があったと私は信じています」)。


2次元性機能と高次元性機能を判別する際は、「ある一般的なルールに従う必要がある」という意味での「必要」と、「特定の状況に対処するための最良の方法として、何かをする必要がある」という意味での「必要」を見分けることが重要になる。


参考:




第3機能と第6機能の判別法

モデルAの第3機能・第6機能は共に2次元性機能であるが、両者は以下の点から区別することが可能である。


第3機能
  • メンタルブロック(意識的なブロック、モデルAの機能1,2,3,4)にあり、社会で一般的な規範に依存している。

    (例:第3TiのESI:「論理面について、あまりにも考慮しないといけない要素が多すぎたり、今までの経験が当てにできないような課題に取り組まなければならない時、自分の論理的な思考が停止してしまうか、他の人の手を借りたくなってしまいます。この時点でもう何も考えたくなくなるほどですが、それでも論理的な判断が期待されるような状況では、何が何でも論理的な判断します」

    ここでの社会で一般的な規範は、「論理的な判断が期待されるような状況では、必ず論理的に判断しなければならない」であるが、このESIの場合に見られる「何が何でも論理的な判断を下します」といった、「一般的に受け入れられている方法、それらが教えられた方法、規範に従わないことなど『あり得ない』という感覚」は、対象の機能の規範面での柔軟性のなさの現れだと解釈できる)

第6機能
  • バイタルブロック(無意識的なブロック、モデルAの機能5,6,7,8)にあり、個人的な規範に基づいている。個人的な規範とは独自の規範・認識・評価・行動のパターンであり、個人が生活していくうえで必要となる規範や基準である。習慣的に繰り返される情報処理の中で、自分自身で発達させたパターンと、「私に関係するもの」と認識された規範が含まれる。
  • 自分個人の生活のために必要ではない、または自分には合わないルールは受け入れない(例:第6FiのSLI「仲良くしなければならない人相手であれば、グループ内で推奨される人間関係の規範に従います。でも、どうでもいい相手であれば規範通りかどうか気にせず対応します」)。
  • 自分がちゃんとできているかどうか、他者からの承認という形のサポートを求める(例:第6SiのEIIが、自分の服装の好みを信用せず、周囲の人の好みを信用して服選びをする。自分が選んだ服がいいかどうか、肯定的な反応を期待しながら周囲に確認したがる)。

ただし「他者からの承認を求める」という特徴は、タイピング時には確認が難しい場合も多い。被タイプ判定者が何かの拍子にポロっとこのような特徴を示すことはあるが、タイプ判定者がそのことをストレートに指摘しても本人は認めない可能性が高いからである。自分自身にそういう特徴があるというのは、本人にとって不都合な事実であるため直視できないことが多い。

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参考:


典型的な規範的発言の具体例

一般的に、「規範」的な発言は、「あるべき姿」「正しいこと」「必要なこと」を要求するという特徴がある。

以下は、機能の規範性を示す指標となる。

  • (家庭、学校、大学で)教えられた方法を逸脱したくないという願望
  • 他の人がやっている方法から逸脱したくないという願望
  • 一般的に受け入れられている権威を引用したり、引き合いにだしたがる傾向

実際には被タイプ判定者の所属する国や社会、グループによって規範の内容は異なるが、以下のようなものは典型的な規範的発言として現れやすいものだとされている。


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Teに関する規範的な認識
  • 価格は品質に見合うものでなければならない。
  • 製品は高品質でなければならない。
  • 「仕事ができる人」とは他の人よりも悪い業績を出さない人のことである。
  • 「仕事ができる人」になりたいなら、職務に対応した資格を持たなければならない。
  • ラベル(肩書き、性別なども含む)で品質を判断する。
  • 「習うより慣れろ」
  • 「使っている鍬は光る」
  • 「いつやるの?今でしょ!」
  • 「先にやるべきことをやってから遊ぶべき」
  • 「一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり」


Tiに関する規範的な認識
  • プレゼンテーションは一貫していなければならない。
  • 論争があってはならない。
  • 正義 -真理、規則、規範に対応しなければならない。
  • ヒエラルキーの下位者は、上位者に従わなければならない。
  • 正しさの必要性。
  • 規範となる参考資料の引用。
  • 権威への信頼。
  • 受けた教育の量、取得した卒業証書の重視。
  • 指示を厳守しなければならない。


◆◆◆


Seに関する規範的な認識
  • 安全性は欠かせないものである。
  • 自分や家族、大切な人、家、資産を脅威から守れなければならない。
  • 防衛のためには先制攻撃が大切。
  • 攻撃は最大の防御。
  • 欲求を満たすためには攻撃性を示す必要がある。
  • 圧力をかけてくる人物や要因は排除するべき。
  • 「目には目を、歯には歯を」
  • 人はまず、自分のことを優先しなければならない。
  • 年功序列
  • 軍事力を持たないということは、敵の軍事力増強を支援しているのと同じだ。
  • 過保護にならないようにしなければならない。
  • ナメられないようにするために、人前で弱さを見せてはいけない。


Siに関する規範的な認識
  • 便利なものとは、「身体にとって快適なもの、邪魔に感じないもの」である。
  • 着安くて手入れも簡単で心地良く、よく着られている服装は素晴らしい。
  • 「快適さ」とはすなわちアメニティの充実度である。
  • 社会で一般的に「美しい」とされるものは美しい。
  • 今現在の流行をおさえたほうがいい。
  • 「女性の胸は大きい方がいい」「スリーサイズはどれくらいであるべき」「女性は身を慎むべきである」
  • 「男性は華美な服装を避けるべきである」「男性の身長はこれくらいはあるべき」
  • 「ゴミのポイ捨てはダメ」


◆◆◆


Feに関する規範的な認識
  • 葬式では悲しそうにしていなければならない。
  • 他人の邪魔になるような感情表現をしてはいけない。
  • 年齢相応の感情表現をしなければならない。
  • 公共の場でゲラゲラ大笑いしてはいけない。
  • 社会的な場で不愛想にしてはいけない。


Fiに関する規範的な認識
  • 礼儀正しくなければならない。
  • エチケットのルールに従わなければならない。
  • 人に親切でなければならない。
  • 「善良でまともな人間」として見られるよう振舞わなければならない。
  • 真の友人とは、いつもそばにいて助けてくれる存在のことである。
  • 約束は守らなければならない。
  • 恩には恩を返さなければならない。
  • 両親や年長者は敬わなければならない。
  • 人々の宗教的・個人的な感情を尊重しなければならない。
  • 人からの誘いを断るのは失礼である。
  • 人のプライベートに立ち入ってはいけない。
  • 陰口を言ってはいけない。
  • 子供を愛さなければならない。
  • 家族の関係は良好でなければならない。
  • 大切な人の精神的なサポートをしなければならない。
  • 身体的欠点を笑ってはいけない。


◆◆◆


Neに関する規範的な認識
  • 誰もが自分の天職を見つけなければならない。
  • 広告を真に受けてはいけない。
  • 才能とは神からの贈り物である。
  • 才能は、どんな場所でも実を結ぶための道を見つける。
  • 嘘をついてもロクなことにならない。
  • 全ての人は、自分の運命の主人である。


Niに関する規範的な認識
  • 未来はきっと良くなる。
  • 変わらないものなど、この世にはない。
  • 時間はすべてを癒してくれる。
  • 占い師は未来を予言できる。
  • 星占いを信頼する。
  • 最悪の事態に備えておかなければならない。
  • 今日できることを明日に先延ばししてはいけない
  • 「昔はもっと良かった」
  • 「新しいものは何でも素晴らしい(または、何でも悪いものだ)」
  • 「時は金なり」


参考:


サイト管理人感想:
  • 現代日本では「主語を大きくするな」という規範があるので、そのせいで判定が難しくなる場合がありそうに思える。
  • 外部の意見であっても、マンガや小説に登場するような世間一般常識からすると少しヒネくれた「あるべき論」を受け売りしている場合や、「真理とは何か」「客観性とは何か」みたいな哲学本を読み漁ってそれを受け売りしている場合と、高次元性機能の回答である場合の判別が難しそうに思う。「なぜそう思う?証拠は?ソースは?」みたいに煽りに煽ったらポロっと判別材料が出てくるのかもしれない。ただやはり、自分の知らない規範の影響を受けている他人の判定が難しいのは当然として、自分がどこかで見た何かを実質パクって受け売りしているだけだとして、それを直視できる人はどれくらいいるだろうかという意味で、自己判定の難しさも感じた。
  • エニア4とエニア6(通常の6も、反権威的な6も)、およびそれをウイングに持つタイプは、かなり突っ込んだ質問を重ねないと判定が難しそうに思える。

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