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ソシオニクスの気質
タイプと気質
ソシオニクスには、タイプを気質という観点から説明付けようとする試みがあります。
オーガスタ以降、4つの古典的な気質(黒胆汁質、黄胆汁質、多血質、粘液質)をタイプに相関させる試みがなされましたが、それが広く受け入れられることはありませんでした。
最も有名なものは、グレンコが発表した分類です。彼は、外向性/内向性、非合理性/合理性という二つの二分法の組み合わせを基に、ソシオニクスの16のタイプを4つのグループに分け、それを気質と関連付けました。
この場合、同一関係・協力(ビジネス)関係・超自我関係・共鳴関係にある4つのタイプが、共通の気質を持つものとしてグルーピングされることになります。
ロシア語では、これらのタイプに共通する特徴を表す2つの形容詞から成る気質名が名付けられていますが、英語では別の表記が用いられています。
- Ej気質 (率直的・自己主張的な気質)
- Ep気質 (柔軟・可逆的な気質)
- Ij気質 (バランス・安定的な気質)
- Ip気質 (受容的・適応的な気質)
ソシオニクスにおける気質は、心理学における気質とは異なる意味を持っていることに注意する必要があります。
ソシオニクスの曖昧で抽象的な気質の定義と比較して、心理学の気質はもっと正確に定義されており、実証的な研究に役立てられています。
しかし、それにも関わらずソシオニクスの気質は、クアドラもクラブも異なるタイプ間にある類似性を認識するうえで、重要な役割を果たしています。
分類表
NT | NF | ST | SF | ||
---|---|---|---|---|---|
Ej気質 | 黄胆汁質的 | LIE | EIE | LSE | ESE |
Ep気質 | 多血質的 | ILE | IEE | SLE | SEE |
Ij気質 | 粘液質的 | LII | EII | LSI | ESI |
Ip気質 | 黒胆汁質的 | ILI | IEI | SLI | SEI |
気質の関係性(by Meged and Ovcharov)
ソシオニクスの専門家 MegedとOvcharovによる、四気質同士の関係性の要約。
※当サイトの方針として、出典をそのまま訳したものは「ですます調」、参考文献を元にサイト管理人がまとめたり要約したものは「である調」としているため、これ以前の文章とこれ以降の文章とで表記ルール(ですます調かである調か)が異なっております。
補完的な関係
正反対の気質同士の組み合わせは、相互に補完的な関係を構築できる。タイプ同士の相性が悪い場合であっても、気質が下記の組み合わせの場合は、タイプのせいで生じる誤解を部分的に緩和することさえできる。
- 黄胆汁質(Choleric)と粘液質(Phlegmatic)
- 多血質(Sanguine)と黒胆汁質(Melancholic)
問題が起こりやすい関係
下記の気質の組み合わせの場合、たとえタイプが双対関係であっても、問題が発生しやすい。
タイプが双対関係の場合、争いは穏やかで一時的なものに留まるかもしれないが、もしタイプの組み合わせも気質の組み合わせも良くない場合は、かなり険悪な関係になる。
- 黄胆汁質(Choleric)と黒胆汁質(Melancholic)
- 多血質(Sanguine)と粘液質(Phlegmatic)
◆◆◆
黄胆汁質(Choleric)と黒胆汁質(Melancholic)の組み合わせの場合、黄胆汁質(Choleric)が黒胆汁質(Melancholic)を傷つけないように配慮することは、極めて難しいということを念頭に置いて付き合う必要がある。
多血質(Sanguine)と粘液質(Phlegmatic)の組み合わせの険悪さを改善するためには、粘液質(Phlegmatic)がもっと自分の気持ちを率直に、ストレートに表現する必要がある。また粘液質(Phlegmatic)は頑固で保守的な行動を取らないように気を付けなければならない。
これらが出来ない場合、多血質(Sanguine)は、付き合えば付き合うほどにイライラを募らせることになる。
同一の気質同士の関係
- 黄胆汁質(Choleric)と黄胆汁質(Choleric)
かなり対立しやすい(同一気質同士の組み合わせでは、最も険悪な関係になりやすい)。率直さ、興奮しやすさに加えて、自分を抑えられない気質であるため、人間関係のバランスを維持するのが難しい。
◆◆◆
- 多血質(Sanguine)と多血質(Sanguine)
まあまあ安定した関係を構築できる。独立心が強く、感情的という意味ではぶつかり合いになりやすいが、外向的であり、他者を求める傾向が強い。あまりにも深刻な対立になりそうに感じると、バランスをとるためにあっさり妥協する。
◆◆◆
- 黒胆汁質(Melancholic)と黒胆汁質(Melancholic)
感受性が強く、かなり傷つきやすいものの、相手に合わせようとする傾向や、自分の精神的なバランスを乱されるような状況になりそうだと感じたら妥協する傾向もあるため、安定した関係を構築できる。
◆◆◆
- 粘液質(Phlegmatic)と粘液質(Phlegmatic)
同一気質同士の組み合わせの中では、最も安定した関係を維持できる組み合わせ。かなりマイペースで、他人がどうしようがあまり気にしない。気分が安定している。
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連想モデル(気質と同じグルーピングの分類としてTPEという概念が登場する)