edit

ソシオニクス アクセントの特徴と関係性

2022年9月9日金曜日

サブタイプ ソシオニクス

アクセントの特徴

ソシオニクスの専門家 MegedとOvcharovによるソシオニクスのアクセントの説明の要約。

はじめに

人はしばしば誤った自己評価に縛られていることがある。そして自分について誤った認識を持ちながら、何年も、あるいは永遠に誤ったタイプを「自分のタイプだ」と思い込んでしまうことがある

このようなミスは素人の自己診断の場合に限った話ではない。経験豊富なタイプ判定の専門家の場合であっても、誤った自己評価に基づく自己報告に惑わされてしまい、真実からかけ離れた診断結果を導き出してしまうことがある。

タイプ判定時に誤判定されやすい人々の回答は、本来のタイプの要素ではなく、環境に応じて蓄積した役割の強調、すなわちアクセントに関連していることが多いと考えられている。


◆◆◆


どのタイプであっても、人はあらゆる機能(情報要素)のアクセントを持つ可能性がある。また1つだけではなく、複数のアクセントが存在する可能性もある(異なる意見を持つ専門家もいる。例えばGulenkoはアクセントとして強調されるのは1つの機能だけだと仮定している)。

比較的多いアクセントの表れ方は、不活性/接触サブタイプ(Ni-IEIなどというように表記をするサブタイプ)に関連してアクセントが生じるパターンである。

例えば不活性サブタイプ(例:Ni-IEI)である場合、モデルAの第1機能と第4機能がアクセントになりやすく、接触サブタイプ(例:Fe-IEI)である場合は第2機能と第3機能がアクセントになりやすい。


Gulenkoは「アクセントそのものは環境適応の結果として生じたものであり、良くも悪くもないものであるが、客観的に見ると好ましくないような環境に晒された際、悪目立ちしやすい」と説明しているが、こうした背景からアクセントはネガティブな特徴と関連付けられて説明されることが多い


参考:


アクセントの特徴

Tiアクセント


  • 口数が少ない。
  • 悲観的な傾向。
  • ディスチミア的傾向(気分の落ち込み、喜びの感情の欠如)。
  • あまり人と関わろうとしない。特に騒がしい人は避ける。チームから孤立している。
  • 受動的。
  • 思考が遅い。
  • おおむね真面目で良心的であり、公平。
  • 自分に対して友好的な人間には従順。
  • あまり人と対立しないほう。ただし普段の生活習慣からの変化が必要な場合、あるいは荒っぽい活動に従事しなければならない場合、周囲の人と揉め事を起こしやすい。

アクセントがより深刻な場合:

  • 思考と動作、しゃべる速度の遅さがより目立つ。
  • 病的なほどの深刻さ(明るさやユーモアの極端な欠如)。
  • 不自然なほど自分の内に引きこもる。
  • 具体的な理由なしに、憂鬱な気分が延々と続く。


Teアクセント


  • 疑り深い。
  • 問題を回避したがる。
  • 意志決定を他人に任せたがる。
  • セクシュアリティ(性的な事柄)の抑圧。
  • ネガティヴィズム(人を拒絶し、反抗する癖)。
  • 良心的で正確。行動面は信頼できる。また感情表現の仕方も誠実。
  • Tiアクセントと違って、そこまで人間関係を疎かにはしない。人との関わりの多さは平均的。
  • やたらと自分の知識をひけらかしたり、情報通ぶったりする。
  • 形式主義者。
  • 何事も細かく確認、チェックしようとする。
  • 細かい部分を気にしすぎて、会話相手をウンザリさせがち。
  • 過度に形式的であることを要求したり、過度に正確性を要求して、周囲の人々を苦しませる。
  • 受動的で無気力。内面的には不安でザワザワしていることが多い。
  • 自分に対しても他人に対しても常に不満を感じている。
  • 他人が「自分に向けてとっている態度」に含まれるニュアンスを、正しく認識するのが難しい。
  • 争いに巻き込まれにくいほうだが、重要な案件で個人的な責任を要求される場合、あるいは自分の能力を過小評価された場合、対立を起こしやすい。

アクセントがより深刻な場合:

  • 極度の不安感。

  • 極端な優柔不断さ。

  • 強迫観念に悩まされる。

  • 確認強迫行為に囚われる(例えば家を出るときに鍵をかけたかどうか、何度も確認したがる)。

  • 細かい部分を気にしすぎて仕事が遅い。


Fiアクセント


  • センシティブで涙もろい。
  • 利他的で思いやりがあり、他人の幸運を喜べる。
  • 交際範囲は狭い。
  • 人との関りの多さは平均レベル以下。
  • 衝突を回避しようとする傾向が強い(そのために受動的に役割をこなし、勤勉に義務を果たそうとする。恨みは自分の心の中に留めておく)。
  • 大切な人との関係が悪化したり、不公平さ、無礼さに晒されると、精神的にかなり参ってしまう。
  • 礼儀に欠ける人、不機嫌な人からターゲットにされやすい。

アクセントがより深刻な場合:

  • 簡単に感情が揺れ動く。脆い。
  • 知っている人か、知らない人かに関係なく、他者の喜びや悲しみの影響を過度に受けてしまう(自分でコントロールしきれずに涙を流してしまうこともある)。
  • 痛みを伴う経験から、極端にネガティブな影響を受けてしまう(重度のうつなど)。


Feアクセント


  • 人付き合いをよくする。
  • 感情表現が大げさ。
  • よくしゃべる。
  • 挫折したり、悲しみを見せることを許さない。
  • 芸術の話題で人と言い争いになりやすいが、受動的攻撃性も能動的攻撃性も高くはないため、人と対立しやすいほうではない。
  • 実際には友人や家族に対して愛着があるにも関わらず、まるで関係が破綻したかのように大げさに絶望したり、パニックに陥ることがある。
  • 自然な働き方をしているFeは、利他的な思いやりや、芸術的センス、明るさ、誠実な感情と結びついているが、Feアクセントの場合そこにわざとらしさ、パフォーマンスじみた部分が見られるようになる。このわざとらしさは、実際に意識してやっているというより、本人自身も制御できずにそうしてしまっている場合がある。

アクセントがより深刻な場合:

  • ネガティブな意味で感情的な人。
  • 様々な感情を過剰に表現する。
  • 気分が乱高下しやすい。ささいなことで極度に高揚したり、激しく絶望する。
  • 感情表現が大げさに誇張されているにも関わらず、ある意味非常に純粋な感情表現にも見えるため、周囲に伝染しやすい。


Niアクセント


  • 効率を重視する。
  • 自己批判的な傾向。
  • 無防備で、どことなく親しみやすい雰囲気がある。
  • 恥ずかしくなると顔を赤くする。
  • 不安に悩まされやすい(ここから内気さ、恐怖心の強さ、社交性の低さが生じる)。
  • からかいのターゲットにされやすい。
  • めったに人と争いを起こさない。
  • 罰への恐怖心、絶え間なく続く嘲笑、不当な告発に対処するために、人と対立することはある。

アクセントがより深刻な場合:

  • 明確な理由のない不安感に苛まれる。
  • 強迫観念に悩まされる。
  • パニックに陥ることがある。
  • 心気症状(肉体的には問題がないにもかかわらず、不調を感じる症状)に苦しむことがある。


Neアクセント


  • おしゃべり。
  • ジェスチャーが多い。
  • 人付き合いをよくする。
  • 無責任で不真面目。
  • 思慮が浅い。
  • 自己宣伝が多い。
  • 人と揉め事を起こしやすい。
  • 周囲の人への影響を気にかけずに、あからさまにイライラしてしまう。
  • 他人の発言に腹を立てて、自分から争いを起こすことがある。
  • 厳しい規律、単調な活動、孤独を強いられる環境では、特に人と揉め事を起こしやすい。
  • 魅力的な面(活動欲が旺盛でエネルギーが高い点や、自発的な点、楽観的な点)も目立つ。

アクセントがより深刻な場合:

  • 興奮しやすく騒がしい。
  • 誇張された不自然な明るさ。
  • 絶えず注意散漫。
  • 思いつきで急に活動を変更する。
  • 興奮の対象が不安定でコロコロ変わる。


Siアクセント


  • 並外れて粘り強い(頑固とも。それによって人を惹き付けることもある)。
  • すぐ人と顔なじみになれる。
  • 自分の利益が侵害されていると感じた場合、対立を辞さない。
  • 外見的には柔和な人に見えるが、高圧的に主張して相手を刺激し、わざと争いを引き起こすことがある。
  • 利己的。
  • 虚勢をはる。
  • 自分の人格に対する自己評価が高い。
  • 他者からの注目と賞賛に飢えている。
  • 最も責任重大な場面で「体調を崩す」というサボり癖がある。
  • 演技力と陰謀の才能に秀でている。
  • (外向的な面も強い場合)リーダーシップを得るため、自分の主張を通すために全コストを費やす。

アクセントがより深刻な場合:

  • 不謹慎さ。
  • 思慮の浅さ。
  • ひどいサボり癖。
  • 快楽を追い求める。
  • 感情的な不誠実さ。
  • ヒステリック。
  • 病的な自己顕示欲。
  • 芸術的センスが優れているように見せようとするが、どこか気取っていて不自然で芝居くさい。
  • 過度に利己的になり、自分の都合のいいように他人を操作したり、無意識に邪魔者を排除しようとする。


Seアクセント


  • 怒りのコントロールが苦手。
  • あまり人と関わろうとしない。
  • コミュニケーションは神経質で、不機嫌そうな態度を見せる。
  • 恩着せがましかったり、わざとらしくお世辞を言う面がある。
  • チームメンバーと社交的に付き合うほうではない。
  • ささいなことで人と争いになる。頻繁に人と衝突する。
  • 冷静な時は、勤勉できちんとしており、子供や動物を大切にして、人の役に立とうとする。
  • 興奮している時は、非常にイライラしやすく短気になる。暴力をふるうこともある。

アクセントがより深刻な場合:

  • 不機嫌
  • 非社交的
  • 消極的で、反応がそっけない。
  • 攻撃的で、すぐに敵意を露にする。
  • 理不尽にイライラする。
  • よくわからない理由で急に怒りだす。
  • ちょっとしたことで怒りを爆発させる。


参考:
  • В.Мегедь, А.Овчаров. Комплексные визуальные и поведенческие описания акцентов типов с темпераментами, психоформами, типами любви и пр.


アクセントの関係性

アクセントの関係性

ソシオニクスには関係論があるが、MegedとOvcharovはアクセントにも「付き合いやすい組み合わせ」「付き合いづらい組み合わせ」があると考えている。ここではその関係を簡単に紹介する。

もしも「タイプ自体の関係性は良好、かつアクセントの関係性は劣悪」という場合、最初は険悪な関係になるが、時間がたつにつれて好転していくことが多い。

ただし人と人の関係にはタイプやアクセント以外にも様々な要因(例えば気質)が絡み合うため、総合的に判断する必要がある。


関係表

アクセント関係表
Ti Te Fi Fe Ni Ne Si Se
Ti ×
Te ×
Fi ×
Fe ×
Ni ×
Ne ×
Si ×
Se ×

★:理解しやすく、協力関係を結びやすい組み合わせ
●:欠けている資質を補い合う組み合わせ

☆:調和的、かつ一方が他方をリードする組み合わせ
〇:比較的スムーズに関係構築できる組み合わせ

△:付き合いにくさを感じる組み合わせ
×:敵対しやすい組み合わせ

=:同じアクセント同士の関係性
-:参考文献上に記述無し


理解しやすく、協力関係を結びやすい組み合わせ

▲ 関係表へ

NeアクセントとFiアクセント

お互いにお互いを必要としている。Neアクセントの対人能力の欠如とイデオロギーの頑なさによって生じる対立や誤解を、Fiアクセントが和らげる。Fiアクセントの温かさがNeアクセントを現実に引き戻す。

FiアクセントにとってNeアクセントは便利で退屈しない存在となる。


NiアクセントとFeアクセント

NiアクセントはFeアクセントの気分のむらに寛容であり、彼らはFeアクセントの助けを借りて自分のアイデアを宣伝し、同じ考えの人の心に響かせることが出来るようになる。

この組み合わせは精神と感情、抽象と現実の結合であり、Feアクセントは自分の理想と大義を見つけて、それに専念することができるようになる。


SeアクセントとTiアクセント

Tiアクセントは論理的な議論でSeアクセントを上手く説得し、仕事を段階的に分割することでSeアクセントを落ち着かせることが出来るため、SeアクセントはTiアクセントに感銘を受ける。またTiアクセントは、Seアクセントに無駄なエネルギーと神経の消耗を強いないためSeアクセントにとっては快適に付き合いやすい。

一方、ビジネスにおいてTiアクセントは、粘り強く積極的なSeアクセントのサポートを得られる(優柔不断で活発性に欠けるTiアクセントにとって、これは非常に役立つサポートとなる)。


SiアクセントとTeアクセント

Siアクセントにとって、リーダーシップを巡る争いで競合しにくいTeアクセントは付き合いやすい関係である。Teアクセントは持ち前の知識とスキルでSiアクセントをサポートできる。Siアクセントは、質の高い仕事のために、快適な環境を用意できる。

TeアクセントはSiアクセントの気遣いを高く評価し、SiアクセントはTeアクセントの専門性と良心的な仕事ぶりを評価する。


欠けている資質を補い合う組み合わせ

▲ 関係表へ

NeアクセントとSiアクセント

もしもNeアクセントが、あらゆる工夫を凝らしてSiアクセントを納得させられるだけの論証を見つけることが出来たら、現実的で忠実なSiアクセントの支持を得ることが出来る可能性がある。

Neアクセントのアイデアは野心的なSiアクセントにとって有益なものになりうる。


NiアクセントとSeアクセント

Niアクセントは強い意志を持つSeアクセントからの支持を得られた場合、深い喜びを感じることが出来る。

Seアクセントは、Niアクセントの柔軟性・哲学性から深い感銘を受けることが出来、Niアクセントと接することでリラックスも出来る。Seアクセントは、Niアクセントのおかげで「何のために戦うのか」を見定めることが出来る。


TeアクセントとFiアクセント

TeアクセントはFiアクセントの柔軟性に感銘を受け、Fiアクセントから寄せられる賞賛に心を奪われる。FiアクセントはTeアクセントと一緒に、あらゆるビジネス上の問題や倫理的な問題を解決することが出来る。


TiアクセントとFeアクセント

Tiアクセントは、気まぐれなFeアクセントを落ち着かせ、感情の嵐を和らげ、健全なレベルに戻すことができる。この組み合わせは理性と感情の良好な同盟関係のようになる。


調和的、かつ一方が他方をリードする組み合わせ

▲ 関係表へ

NeアクセントとTeアクセント

NeアクセントはTeアクセントの仕事を活用しようとする。一方TeアクセントはNeアクセントのプロジェクトの見通しを常に判断できるわけではない。

もしもこの組み合わせが上手くいった場合、アイデアを効率的かつ高品質に実現できることもある。そして両者とも満足できることになる(一方は栄光を手に入れ、もう一方は金を手に入れる)。


NiアクセントとTiアクセント

Niアクセントは、Tiアクセントの「必要とする情報を収集する力」に関心を持つ。Niアクセントは、自らの哲学的、概念的なアイデアを成功するために、全てを分析し、整理することのできるパートナーを必要としている(そしてこれはTiアクセントの得意分野である)。


SeアクセントとFeアクセント

SeアクセントはFeアクセントの熱意を利用して、自分の計画を実現する。Seアクセントの鋭さと、Feアクセントの感情的な圧力の相乗効果で、あらゆる障害物を粉砕する


SiアクセントとFiアクセント

SiアクセントはFiアクセントの助けを借りて、人々を巧みに操り、指導者として成功をおさめる。この二人がいれば、どんな人でも説得することができる。


比較的スムーズに関係構築できる組み合わせ

▲ 関係表へ

NeアクセントとTiアクセント

Neアクセントは、自分のアイデアに対して意見を持つTiアクセントをコントロールしようとする。TiアクセントはNeアクセントのアイデアを分析し、拒絶することで、Neアクセントの癇癪を誘発することがある。

しかし、もしNeアクセントのアイデアがTiアクセントに受け容れられるものだった場合、そのアイデアは成功が約束されているに等しい。Tiアクセントほど、論理的な証拠を見つけ出し、Neアクセントのアイデアを上手く組み立てることが出来る人はいない。


NiアクセントとTeアクセント

Niアクセントは、精神的価値を実現させるTeアクセントに関心を寄せる。Teアクセントは実際に楽器を作ることは出来ても、アイデアや先見性を必要とされる分野はあまり得意ではないため、そういったものが得意なNiアクセントに興味を抱く。


SeアクセントとFiアクセント

Seアクセントは、自分の不機嫌さで交渉が失敗しないようにするためにFiアクセントを利用しようとし、Fiアクセントはそれに応えることができる。ただし交渉内容がFiアクセントの好みに合わない場合、またはSeアクセントの主張が強烈すぎる場合は、上手くいかないこともありえる。


SiアクセントとFeアクセント

Siアクセントは、他者に影響を与えるためにFeアクセントを利用しようとする。しかし、Feアクセントは感情的になりやすく、持久力や柔軟性、機転が必要な場合は上手く目標を達成できないこともある。また、そのせいでSiアクセントが失望することもある。


付き合いにくさを感じる組み合わせ

▲ 関係表へ

NeアクセントとNiアクセント

どちらも最初は相手の考え方に興味を持ち、その次に自分の価値観を相手に押しつけようとする。しかしそれが上手くいかないため、口論を始めてイライラしたり、関心を失ったりする。


SeアクセントとSiアクセント

どちらも野心的で、関心事が共通しているため、接点を持ちやすい。しかし目標を達成する方法を巡って批判し合い、排斥し合うことになる。


TeアクセントとTiアクセント

最初はお互いの誠実さに好感を持つが、片や実務的なアプローチを尊び、片や理論的なアプローチを尊ぶため意見が一致しないことがある。この2人の間の議論は非建設的なものになりやすい


FeアクセントとFiアクセント

両者とも価値観は同じではあるが、気質やアプローチ法が異なっている。最初は互いに相手を再教育しようと試みるが、これは無駄に終わる。Feアクセントからすると、Fiアクセントは情緒がなく、退屈に思えてくる。一方FiアクセントはFeアクセントの過剰な興奮に皮肉を向ける。


敵対しやすい組み合わせ

▲ 関係表へ

NeアクセントとSeアクセント

Neアクセントは、たとえ非現実的なものであっても自分のアイデアを熱心にPRしようとする。しかしSeアクセントはそれを受け付けようとしない。Seアクセントは厳しく、興奮しやすい上に実用性を重んじるため、Neアクセントと争いになりやすい。


NiアクセントとSiアクセント

Niアクセントは、具体性を重んじるSiアクセントには理解しがたい存在である。Niアクセントははるか遠くを見るが、Siアクセントは一瞬の喜びに生きている。世界観の違いから反発し合うこともある


TeアクセントとFeアクセント

Teアクセントは感情よりもビジネスの利益を優先する。そのため感情的で仕事にムラがあるFeアクセントを評価せず、傷つけてしまうことがある。Feアクセントには、Teアクセントがあまりにも口うるさい人間に感じられてしまう。


TiアクセントとFiアクセント

Tiアクセントは、硬直した論理と、Fiアクセントが大切にしている人間的な価値観への無理解によってFiアクセントにショックを与えることが多い。Tiアクセントのあまりの頑固さと強引さのせいで、Fiアクセントは我慢の限界に達してしまうことがある


同じアクセント同士の関係性

▲ 関係表へ

Fiアクセント同士

Fiアクセント同士は、互いに妥協することができるため、最も上手くやっていくことが出来る組み合わせだと言える。良好な相互理解と寛容さによって安定した関係性になりやすい。お互いに有益なサポートが出来る関係ではないものの、簡単にお互いに馴染み切ってしまう。

少々揉め事が起きても、両者とも他人の気持ちを大切にしようとする意識が強いため、心から悔い改めて、穏やかに和解できる。


Niアクセント同士

Fiアクセント同士の次に関係が上手くいきやすいのはNiアクセント同士である。精神的に調和しやすく、互いの知的な面に関心を持ちやすい。共通のアイデアに熱中している場合は関係が続いていく

家庭内の問題が原因で崩壊することがある。また、趣味の世界で意見が衝突した場合に、なんとかして付き合い続けようとする意欲が薄い。


Feアクセント同士

Feアクセント同士の場合、波乱万丈で幸せな始まりの後に、同じように波乱万丈な別れがない限りは上手く関係が続いていくことになる。両者ともに感情的な刺激が必要であるため、互いに飽きさせない関係になる。仮に家庭内に現実的な問題があっても、あまり気にしない。


Siアクセント同士

Siアクセントは、どうにかしてパートナーを出し抜こう、自分の利益を押し通そうと考える傾向があり、リーダーシップを取りたがるが、それと同時にかなり柔軟性があって妥協もできるため、総合すると比較的快適な人間関係を構築しやすい組み合わせだと言える。


Teアクセント同士

Teアクセントは人間関係の温かみと柔軟性に欠けてはいるものの、合理的な実用性や、物質的な利益、共通の目的のために団結することは出来る。安定した関係性を重視するほうではあるが、目的が果たされた後まで関係が長続きするとは限らない。


Tiアクセント同士

Tiアクセントは他者に対する要求が厳しく、こだわりが強いため、上述のアクセント同士の組み合わせほど順風満帆とは言い難い関係性になりがちである。

Tiアクセント同士の場合、お互いに退屈して、飽きてしまいやすい。相手の知的な部分に対する興味は多少残ったとしても、気持ちが冷め切ってしまうのである。しかし感情面にこだわらない関係の場合は、強固な同盟を結べる可能性もある。


Neアクセント同士

Neアクセント同士の関係には困難が多く、互いに消耗しやすい。Neアクセントは強引で、自分のアイデアに夢中になってばかりで、他人のアイデアを理解するための努力はほとんどしない。妥協嫌いで、相手が自分のアイデアを理解する瞬間を待ち望みながら、長い時間を無駄に過ごしてしまう。


Seアクセント同士

Seアクセントは他人の間違いに最も不寛容で、譲歩したがらない。もしもSeアクセント同士が互いにエネルギーをぶつけ合ってしまうと、非常に険悪な関係になってしまう。しかし共通の敵や共通の目標があれば手を取り合うこともできる。お互いの「柔らかい」とは言い難いコミュニケーションスタイルを理解し、許し合うことが出来れば、関係はさらに良くなる。

ただしこの組み合わせの場合、休息時まで顔を突き合わせていると、だいたいロクなことにならない


参考:


補足

MegedとOvcharovは、上述した8種類のアクセント(バイオアクセントと命名)以外に、外向性、内向性、合理性、非合理性という二分法的な傾向もまたアクセントになりうるという考えを持っている(サイコアクセントと命名)。

タイプは内向型、非合理型であるのに、外向的な特徴や合理的な特徴のほうが目立つ人は、サイコアクセントとして外向性アクセントや合理性アクセントを持っていると推測できる。

バイオアクセントだけが顕著な人もいれば、サイコアクセントだけが顕著な人、バイオアクセントとサイコアクセント両方が顕著な人もいる

今のところ(2002年時点)、MegedとOvcharovはバイオアクセントとサイコアクセントは相関し合っているのではなく、それぞれ独立して生じると仮定している。


◆◆◆


サイト管理人の推測だが、ソシオニクスの気質は外向性/内向性、合理性/非合理性の組み合わせで構成されるグルーピングであるので、サイコアクセントはソシオニクスの気質にやや近い概念である可能性がある(サイコアクセントが外向性のみであったり非合理性のみというように、単独の場合は気質とはあまり関係ないと思われる)。


ソシオニクスにおける気質と、類似する四気質の対応関係

  • Ep気質 (柔軟・可逆的な気質):多血質, Sanguineに類似
  • Ej気質 (率直的・自己主張的な気質):黄胆汁質, Cholericに類似
  • Ip気質 (受容的・適応的な気質):黒胆汁質, Melancholicに類似
  • Ij気質 (バランス・安定的な気質):粘液質, Phlegmaticに類似

ただしソシオニクスの気質のグループの提唱者であるGulenkoは、「ソシオニクスの気質」と「心理学の四気質」は同一概念ではなく、ただ似ているだけの概念だと説明している(「気質 by Gulenko」)


参考:


関連記事

アクセントとは


タイプ、サブタイプ、アクセント


気質(ソシオニクス)

ソシオニクス・タイプ診断

  カテゴリー
EIE (32) EII (38) ESE (31) ESI (36) IEE (38) IEI (32) ILE (31) ILI (36) LIE (36) LII (31) LSE (38) LSI (32) SEE (36) SEI (31) SLE (32) SLI (38) アマトリカ (3) クアドラ (35) サイコソフィア (32) タイピング指標 (4) タイプ関係 (24) テンポリスティック (1) トライタイプ (29) 機能 (11) 機能二分法 (7) 次元 (5) 情報要素 (13) 診断リンク (12) 二分法 (29) 認知スタイル (4)

最新の記事

ソシオニクス ESI(ISFj)by Beskova

連絡フォーム

名前

メール *

メッセージ *

QooQ