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DCNHのダブルサブタイプとは
ソシオニクスのサブタイプにDCNHサブタイプというものがあるが、これはそのDCNHサブタイプを2つ組み合わせたバージョンのサブタイプシステム。
DCNH単体ではしっくりこず「ドミナントとして振る舞う時が多いけど、場合によってはクリエイターとして振舞う時もわりとある」というような人向けのシステム。ちなみにこの例の場合だと、サブタイプを「DC」として考える。
ダブルサブタイプを検討すべき事例
下記の例のような場合は、ダブルサブタイプが検討できる。人生が複雑化すればするほど、ダブルサブタイプが生じやすい。
- あまり顔なじみのない人を相手にする場合や、公的な場面では「ドミナント」だけど、より親密な関係になった場合「クリエイター」になるなどといった場合。
- 元々ドミナントだったけど、人生の大きな変化に伴って、クリエイターのように振舞うことが増えた(それでも元のドミナントとしての振る舞いをすることがあり続ける)という場合(なおドミナントとしての振る舞いがほとんどなくなり、その代わりにクリエイターになるという場合は、「サブタイプがDからCに変化した」と考える)
- グループで何かの作業をする際に、必要に迫られていくつかの役割を兼任しがちな場合(例えば普段はドミナントとして振舞っているが、クリエイターの役割を果たせる人がいない場合、クリエイターとしての役割も兼任する)
葛藤の生じやすい組み合わせ
サブタイプの組み合わせによって、要求関係的なサブタイプ、双対関係的なサブタイプ、監督関係的なサブタイプの3種類がある。この中では監督サブタイプが最も内面的な葛藤が強い組み合わせである。
要求サブタイプ:DC、CN、NH、HD
DC、CN、NH、HDが要求サブタイプ。例えばDCの場合、DがCを活性化するような関係にある。
双対サブタイプ:DN、CH、ND、HC
DN、CH、ND、HCが双対サブタイプ。例えばDNの場合、DとNが互いに補い合うような形で働く関係にある。
監督サブタイプ:DH、HN、NC、CD
DH、HN、NC、CDが監督サブタイプ。例えばDHの場合、DがHに制限を掛け、一定範囲内に物事がおさまるよう一方的に減速したり、誤りを修正する形で働く関係にある。
監督サブタイプの場合、「社会やグループ、他者に役立つ何かをしなければならない」という内部的な緊張が生じやすい(自分自身に監督関係的な圧力をかけているような状態)。この緊張は、社会的に役立つ具体的な行動をするか、少なくとも具体的に手を動かせば緩和できるが、緊張を無視した場合、精神的なストレスが実際の身体的不調となって表れてしまうこともある。
人間関係で生じやすい問題
アクセントと違ってダブルサブタイプは必ずしもネガティブな状態にのみ結びついているわけではないものの、サブタイプごとに生じやすい問題が挙げられることがある。
ドミナント:DC、DN、DH
- DC:要求 - 人には命令し、自分が望むような秩序を要求する一方で、自分はそれを無視する。
- DN:双対 - 「人間はこう生きるべきだ」という押し付けをしがち。
- DH:監督 - 偉そうにしていても、何か問題があるとすぐにヘナヘナしてしまう見掛け倒しのリーダーになりやすい。
クリエイター:CD、CN、CH
- CD:監督 - 落ち着きがない。彼らから見て保守的な人、自分のアイデアに反対している人に、不寛容な態度をとりがち。権威主義的なところがある(この場合の権威者は、自分自身や、自分のアイデアやプロジェクトを支持する何か)
- CN:要求 - 特定の分野では創造性を見せても、それ以外では頑迷で、他の人々を規制しようとする。創造性あふれるプロジェクトを企画する一方で、家でも職場でもマイクロマネジメントをして周囲を苦しめているような人のイメージ。いつもイライラしている。
- CH:双対 - 最も調和のとれた組み合わせ。自給自足的で、競争的な要素には鈍感。多様性は求めるが、周囲の人々との平和な関係や、家庭の快適さも重視する。
ノーマライザー:ND、NC、NH
- ND:双対 - 極端に融通が利かない人。自分の主義主張や人生観を、パートナーが一方的に受け入れて守らないと我慢できない。
- NC:監督 - Nの「正しい秩序を守る」という方向性と、Cの「自由を求める」という方向性がせめぎ合いやすく、内面的な緊張状態を抱えている。それまでN「正しい秩序を守る」ことに傾倒していたのに、突然C「自由を求める」という方向に切り替えたり、あるいはその逆のことをしたりして、周囲を唖然とさせる。
- NH:要求 - 人によっては退屈さを感じるかもしれないものの、家族を大切にしたり、身近な人々と協調する傾向が強いので、人間関係が安定している。
ハーモナイザー:HD、HC、HN
- HD:要求 - 一見するとソフトで融通の利く人に見えるものの、一皮むくと強烈な個性が隠れている人。
- HC:双対 - 柔軟性がある人。実際には健全な状態だったとしても、他の人から見ると、押しに弱そうで、メンタルも弱そうに見えるせいで、場合によってはうつ病を患っているように見えることもある。
- HN:監督 - 一部の人が抱く「ちゃらんぽらんで、いまいち信頼しきれない、緩そうな雰囲気の人」というハーモナイザー像には全く当てはまらないため、ぱっと見はハーモナイザーに見えない。
補足:DCNHクアドラプルサブタイプ
グレンコが定義したものかどうかは調査不足のため不明だが、時にダブルサブタイプの組み合わせからさらに拡張して、4つのサブタイプすべてを組み合わせた表記(DCNHクアドラプルサブタイプと言うべきか)が海外のコミュニティなどで使用されることもある。例えばILE-CHNDと書いて「C、H、N、Dの順で当てはまる(Dが最もあてはまらない、盲点)」という意味で使用されている。