ソシオニクスのLSE(ESTj)と、そのサブタイプTe-LSE、Si-LSE
LSE
LSE (スティルリッツ [1] )
LSE、ESTj(論理的・感覚的外向タイプ):マネージャー
外見
LSEの眼差しは、冷たく、評価的です。素早く目を配り、周囲の全ての物事の細部に至るまで注意を向けています。会話相手の目をしっかり見て話します。彼らの瞳には感情的な輝きが伺えますが、それにも関わらず無表情に見えます。
まるでじっと情報を求め、吸収しようとしている一方で、彼ら自身は情報を表に出さないようにしているような目付きをしています。
しかしながら、上記のように無表情さを感じさせられるLSEの目であっても、興味や無関心さ、怒り、喜びなどの強い感情は、常に容易に読み取ることができます。
◆◆◆
その場に合わせた自然な表情をするのが苦手です。普段、少し神経質そうで、緊張を感じさせられる表情をしています。唇は固く結ばれています。
LSEの笑顔は、少し無理をしているような雰囲気を感じさせられるものですが、周囲の人々にかなり伝染しやすいです。
歩調は一定間隔か、キビキビとした活発さを感じさせられるものであることが多いです。このタイプの人の動作は、まるでロボットのようであり、滑らかさに欠けています。背中はまっすぐで、柔軟性に欠けます [2]。
身振りは鋭く、はっきりとした意思と自信を感じさせられるものです。あわただしい人で、何もせずじっと座っていることが出来ません。
筋肉質のガッシリした体型の人が多く、軍人のような隙のなさがあります。
行動様式は、貴族的で、公的で、厳格です。威厳があり、人とは一定の距離を保とうとします。
人物像
非常に実務的で勤勉な人です。どんな気分の時でも気を抜かず、安定したパフォーマンスを維持します [3]。
このタイプの人々が大嫌いなのは、怠惰・規律の欠如・空論じみた無駄な物事です。どんな場合であれ、非論理的な行動には非難します。身の回りが明快で正確であることを、強く好みます。
十分に情報に精通した、有能な人物であろうとします。事実に基づいた内容の会話を好みます。義務感が強く、時間をきちんと守り、手を抜いたりはしません。
人を管理することにかけては天性の才能を持っています。妥協することなく品質を追及します。このタイプの人は基本的には時間厳守ですが、仕事の細部にこだわりすぎてしまって、締め切りに間に合わなくなってしまうことはあります(これは彼ら自身にとっても痛烈に感じられることです)。
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他人から自分の仕事のやり方を批判されると、カッとなって怒り出すかもしれません。かなり感情的で、気が強く、絶対に妥協したがりません。
部外者とやりとりする際は、通常、礼儀正しく控え目であり、徹底してエチケットを守った付き合いをします。
しかし相手が部外者ではなくもっと身近な人である場合、あまりにも言い方がきつかったり、ストレートすぎるせいで、十分なレベルの交流ができないこともあります。
他者を承認したり、賞賛することは難しいです。
LSEは自分の感情や気分を隠そうとしますが、いつもそれに成功するとは限りません。
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清潔で品の良い恰好をしていることが多いですが、その時々の最新の流行スタイルとは異なっています。古き良き伝統と秩序を愛しています。定期的に、親しい人たちと美味しい食事を囲む場を用意します。豪華さと美しさを愛しています。
このタイプの人々の習慣や信念はほとんど変わりません。先行きが見通せない不安定な状況には、非常に苦労します。
Te-LSE
外見
このサブタイプのLSEは、非人間的で、ビジネスライクで、ドライな印象を受ける人です。人と交流する際は、一般的な礼儀やルール通りの交流をしているように見えます。
厳格で近寄りがたい人だと感じるかもしれません。ジョークは言わず、真面目で堅苦しそうな態度をとります。普段はあまりお喋りではありませんが、気が立ってくると怒涛の勢いで話始めることもあります。
行動や会話はストレートで、回りくどいことはせず、言いたいことをはっきり言います。ビシバシ断定的な判断を下すほうですが、そのせいで倫理的な面での問題 [4]が山積することになります。
騒動の真っただ中にいる時は何も言わないかもしれませんが、後になってから恨み辛みを募らせ、交流を避けるようになることがあります。頑固で人に屈しません。
会話の際、意識的に親しそうな口調を演出することで、相手を自分寄りに引き寄せようとすることがあります [5]。これは特に、親密な関係を求めている場合や、何らかの情報やサービスを必要としている場合に見られる行動です。
人を信用せず、秘密主義で疑り深いです。自分の気持ちについて話すのが嫌いです。
何らかの有益な活動に没頭し、自分が引き受けた全てのことを完遂させることを好みます。常に張りつめているような雰囲気があります。リラックスして肩の力を抜くのは難しいです。このタイプの人は、突然怒りを爆発させる傾向があります。
動作は、「のびのびとした」とは真逆で、どこか抑制されているように見えます。
人物像
明晰な論理的思考を備えた現実主義者です。どんな状況でも素早く冷静に判断できます。
何事においても秩序を重んじています。法律や指示を簡単に理解できます。有能な人に敬意を払い、自らも積極的に情報収集に努めています。簡潔で明確な形で情報伝達します。また他の人にも同じように、明確で具体的な回答をするよう求めます。
非常に実践的で、人の行動を評価する際は、誠実さの観点からだけではなく、有用性や適切性という観点からも評価します。
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マネジメントや組織運営には長けていますが、人間関係における外交手腕や機転には欠けています。このタイプの人は、頑固で融通が利かず、回りくどい表現はせずに、率直に、断定的に話します。「粋」などといったものとは無縁な話し方です。
そのため人間関係の問題を多く抱えており、友人はほとんどいません。いつも自分の正しさを確信しており、自分のアドバイスに他の人が耳を傾けてくれる状況を好みます。
自分の誤りを素直に認めて、譲歩や妥協することは、このタイプの人々にとっては非常に難しいことです。たとえそれができなかった場合、他者との関係性を損なってしまうことが本人自身にもわかっていたとしても、容易には出来ないことです。
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責任を明確に割り当て、その通りになっているかを粘り強く監視しつづけることができます。この点では、誰にも甘い顔は見せず、原則的かつ妥協のない態度で臨みます。
自分の感情にも、他人の感情にも流されません。規律と秩序があるかどうか、常に監視し続けます。
仕事を達成することに夢中になりすぎてしまい、職場環境の利便性への配慮に欠けてしまいます。怠け者や空想ばかり耽っている人には否定的です。絡め手を使う人や、詐欺まがいなことをする人、ズルい手段をとる人を嫌います。
並外れた仕事能力と、義務は必ず果たそうとする姿勢が際立っています。たくましく、不屈の精神の持ち主です。
健康について話すことは軟弱だと感じてしまうため、そういった話は嫌いです。
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時間はきちんと守ります。時間を大切にしており、時間の無駄を嫌います。
提案されたプロジェクトや行動の予測を立てようとします。新しいアイデアは信用せず、無駄なリスクは避けます。趣味や習慣がかなり保守的です。
仕事があまりできない人から、自分の仕事に批判されると、怒り狂うかもしれません。仕事を急かされたり、邪魔されることを許しません。
仕事の質を高めようとするあまり、細かいところにまで拘ってしまい、期限内に仕事を終えられないことがあります。彼ら自身にとってそれは非常に痛烈に感じられる失敗なので、事前に計画を立てようとします。
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合理的にお金を扱うことのできる、良き財政家です。経済的で、抜かりなく、思慮深い人です。数字と事実に基づく具体的な情報を好みます。統計学や計画立案などの分野に興味を抱きやすいです。安定性、信頼性、何事にも徹底することを非常に好みます。
審美性やファッション性よりも、品質と実用性を重視します。家庭を上手に管理できます。家事も手際よくこなします。
秘密主義者で、自分の個人的なことは、誰にも話しません。本質的には繊細で傷つきやすいですが [6]、不満は自分の心の内だけに秘めておこうとします。しかし常に内面を隠しているわけではなく、それまでに心の中に溜め続けた一切合切を、すべて表現しきってしまいたい気分になることもあります。
誠実で信頼できる人間関係を信条としていますが、人の気持ちを理解するのはあまり得意ではないため、感情面では疑り深く慎重で、間違いを犯すことを恐れています。賞賛の声を上げたり、他の人に「良い仕事をした」と褒めることを避けます。
内面的にはセンチメンタルですが、それを隠そうとします。自分が感じたことを表現することは難しいと感じます。過剰な感情にはうんざりしてしまいます。お世辞も嫌いです。人を褒めるということは、人を甘やかしてしまうことと同じだと考えています。
自分の態度は、言葉ではなく行動で示します。部外者には控え目で礼儀正しいですが、親しい人には多くを要求し、偉そうな態度をとりがちです。サポートする相手に対して厳しいサポーターです。
Si-LSE
外見
Si-LSEの特徴は安定性と高い作業能力です。何もせずに黙って座っていることが出来ないため、特にする必要のないことに時間を無駄に費やすことがあります。自分の職業、学業分野の新しい技術に興味を持って取り入れ、それを自分の必要性に合わせて応用できます。
衝動的で、断固としており、強引な人です。情熱的に他者を説得する術を知っています。要求が多く厳しいですが、時には説得に応じることもあります。
ユーモアのセンスがあります。話し方は勢いがあって感情的です。少し緊張は感じられますが、素直な微笑みを浮かべていることが多いです。ハグをしたり、撫でたりといった歓迎や親しみを込めたジェスチャーをして人との距離を縮めようとすることもあります。
自由奔放で、リラックスしていて、くつろいでいます。建設的で精力的に議論に参加し、冗談を言います。
◆◆◆
美食家で、美的感覚に優れています。高価な物、上質な物、美しいもの、美味しいものが好きです。友人と食卓を囲み、緊張を取り除くにはどうすればいいかを知っています。
このサブタイプの人々は、長い間何もせずに休んでいることが出来ません。
体型はややふっくらしていて、肥満気味です。動作は突発的で、素早く、衝動的です。かなり落ち着きがありません。
人物像
仕事の質を高めるために精力的に活動します。常に自分のレベルを高め、その分野の優れたスペシャリストになろうとします。
様々な合理化提案に興味を持ち、嫌がることなく実際に試してみる方ですが、既に実績のある方法と技術のほうを、より信頼します。必要な指示と条件が、きちんと遵守され、維持されるようにします。
自分の手を動かして行う作業が好きです。実務的な事柄に対して、独創的で機知に富んでいます。
◆◆◆
大胆で決断力があり、行動的ではっきり自己主張する人です。意志が強く、一生懸命に働きます。熱心に自分のプロジェクトに取り組みます。どんな権力にも屈さず、粘り強く、情熱を持って自分の利益を守ります。
優れた組織人であり、周囲の人々のために、正確で協調的な仕事ができる環境や仕組みを作り出します。どんな状況でも素早く方向転換できるため、極限状態では欠かせない人物だと言えます。
正しい選択を的確に行うことができ、また、必要な仕事を実行するために周囲を巻き込むこともできます。
◆◆◆
興奮したり、熱中しやすい性格です。持ち前の楽観性で他の人々を元気づけ、活性化して行動に駆り立てようとします。
自分の仕事やビジネスのために、外交的なスキル(愛想のよさ、礼儀正しさ、機知、親密さ)を積極的に活用します。目標達成のためなら、攻撃的感情を含めた様々な感情を見せますが、他人が自分を恐れていないことがわかると、礼儀正しく思いやりのある態度になります。
先が見通せない状況には耐えられません [7]。黙って何かを待っているのは、かなり苦痛です。生まれつきせっかちで、決めたはずのことを後回しにしたり、遅らせたりするのは嫌いです。
課題や仕事はすぐに取りかかりますが、何か問題があると、しばらく中断し、後になってから再開することはあります。感情的で衝動的なため、行動や発言に衝動性や無鉄砲さが見られることがあります。
過去の失敗を覚えており、それについて話すことを恥ずかしいことだとは思っていません。どんな状況でも心が折れたりはしません。
◆◆◆
美的感覚:どんなものにも美しさを求めます。快適さを生み出し、家を美しく整えます。服装は少し厳格なスタイルですが、センスがあります。
身の回りの物は丁寧に扱う方です。きまった場所に物がきちんと整頓されていると、気分が良いです。
コミュニケーションの仕方は丁寧で慎重ですが、機転が利かないところがあります。対人関係のルールに忠実で、他人にもそうであることを求めます。調和的な人間関係を目指しています。問題解決に対する考え方やアプローチの違いに直面すると、落ち着きを失って動揺してしまいます。
自分の行動と、自分の個人的な資質を承認してほしいという気持ちが強いです。
感受性が強く、傷つきやすいです。
批判が苦手で、仮に柔らかい表現や冗談交じりに伝えられたとしても、批判を受け入れることが出来ません。
◆◆◆
自分の能力を十分に考慮せずに仕事を抱えこみすぎることがあるため、疲れやストレスを感じやすい生活を送りがちです。ルーティンに縛られてます。
新しい人とのコミュニケーションを求めたり、新鮮な刺激を求める傾向があります。そのため、定期的に自分のためにホリデーを取得して、友人の元を訪ねたり、自宅に人を招いたりします。ホリデーで食事会をする際は、高級な食器、銀食器、キャンドル、音楽などを整えて、美しく飾りつけます。楽しいことが大好きで、自分自身も楽しみたいと感じます。
ユーモアのセンスがあり、人から注目されることが好きです。皆の気分を盛り上げようとします。
◆◆◆
他人の能力について正しい評価をしようと努力していますが、そういったことがLSEはあまり得意ではないため、しばしば誤った結論を出してしまいます。もしも自分が他人を不当に傷つけてしまったり、過小評価してしまったと気付くと動揺します。他人の不幸にも敏感に反応します。
自分の助けを必要とする人の面倒をみようとする傾向があります。サプライズやプレゼントなどをして、自分の愛する人を喜ばせようとします。
訳注
- ^ スティルリッツ:「春の十七の瞬間」というスパイ作品群に登場する主人公。旧ソ連圏で「ステレオタイプなスパイ・ヒーロー」としておそらく多くの人が思い浮かべるであろうキャラクターの名前。第二次大戦中の対ナチス戦で活躍したソ連軍の諜報活動員という設定。
- ^ 身体的な動作の硬さ/滑らかさは、二分法「合理/非合理」に関連するとされる。
- ^ 第1機能(先導機能)がTe、および二分法「プロセス」
- ^ 倫理的な面での問題:自他の感情面や、人間関係の問題。
- ^ 第3機能(役割機能)がFe 、および二分法「情緒主義」
- ^ LSEの認知スタイルは「弁証法的 -アルゴリズム的」だとされるが、この認知スタイルは全ての認知スタイルの中でも、精神的な不安定さが際立っている認知スタイルだとされる。
- ^ 第4機能(脆弱機能)がNi