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概要
連想モデル(別名バタフライモデル)とは、ロシアの心理学者でありソシオニクス研究家であるオルガ・タンジェマンによって創立されたソシオニクスの理論である。
オーシュラ(ソシオニクスのモデルAの提唱者)とフロイト、ユングの統合を目指しているモデルであり、これ以外にも色彩理論、音楽心理療法の観点を取り入れている。
タイプ
連想モデルには大きく分けて2種類のタイプが存在する。1つが情報代謝タイプ(TIM, Type of Information Metabolism)であり、もう1つが精神的エネルギータイプ(TPE, Types of Psychic Energy)である。
情報代謝は、情報(TIM)とエネルギー(TPE)の両面から考える必要があるという考えから来ている。こうした考えは、グレンコのモデルGの発想にも近い。
情報代謝タイプ(TIM)
情報代謝タイプ(TIM)は、一般的なソシオニクス(モデルAなど)でも使用されるタイプのことで、LII、ESEなど16種類のタイプが存在する。
精神的エネルギータイプ(TPE)
精神的エネルギータイプ(TPE)は、連想モデル独自の用語で、自我タイプ、イドタイプ、超自我タイプ、超イドタイプの4種類のタイプが存在する。
それぞれフロイトの自我、イド、超自我と、ユングの集合的無意識(超イド)に対応付けられている。
関連記事「精神的エネルギータイプ(TPE)とは」
TIMとTPEの対応関係
連想モデルでは、以下のような対応付けでTPEとTIMが対応付けられている(二分法の静的/動的の意味はこちらの記事を参照)。
自我タイプ: 外向、合理、動的(LIE、EIE、LSE、ESE)
超自我タイプ: 内向、合理、静的(LII、EII、LSI、ESI)
イドタイプ: 外向、非合理、静的(ILE、IEE、SLE、SEE)
超イドタイプ: 内向、非合理、動的(ILI、IEI、SLI、SEI)
TPEと気質の対応関係
グレンコが気質とソシオニクスの紐づけを行っているが、連想モデルでもその紐づけを踏襲している。対応関係は以下の通り。TPEと気質はグループ分けが完全に一致する。
自我タイプ:外向合理気質 (Ej):黄胆汁質(LIE、EIE、LSE、ESE)
超自我タイプ: 内向合理気質 (Ij):粘液質(LII、EII、LSI、ESI)
イドタイプ: 外向非合理気質 (Ep):多血質(ILE、IEE、SLE、SEE)
超イドタイプ:内向非合理気質 (Ip):黒胆汁質(ILI、IEI、SLI、SEI)
サブタイプ理論
連想モデルにおけるサブタイプ理論は、コミュニケーションモデル(マスク)に近いと思われる。
連想モデルでは、外部環境(広義の家族、文化、社会)の影響で、サブタイプの開発が行われるとされている。人によって開発を行いやすいタイプと行いにくいタイプは存在するが、サブタイプの開発(社会適応の結果)として、一人の人が複数のタイプの特徴を兼ね備えるようになる。
- 活性化関係と双対関係にあたるタイプ
利点
- 複数のタイプで迷いが生じているような人の場合、穴埋め問題のようにしてタイピングできる。
- クラブ(NT、NF、ST、SFのグループ)が比較的はっきりしている人に向いている。
- クアドラがよくわからない人に向いている。
- 音楽や色彩など、創作活動とソシオニクスの関係について比較的考察されている。
欠点
- 連想モデル独自の用語が多く、とっつきにくい。
- 様々な意味の「タイプ」と「サブタイプ」が存在するので混乱しやすい。
- 実際のタイプ判定は、連想モデルのタイピングルールを活用しつつ、タイプ判定してもらう人自身が作成した自己紹介ビデオや、好みの音楽、芸術傾向も踏まえて有資格者が判定する。タイプ判定するうえで、この非言語的な部分の占める割合はかなり大きい。タイプ判定ルールだけでわかるタイプはあくまでも目安でしかなく、日本語話者のタイプ判定の敷居が高いのは他の学派と同様。
- 連想モデルに限った問題ではないが、連想モデルの定義に従って判明したタイプと、他の研究者のモデルの定義に従って判明したタイプ(モデルAとかGとかTとか)は一致しない可能性がある。
いろいろなタイプ
大きく分けて2種類のタイプがある(TIMとTPE)としたのは前述の通りだが、実際には連想モデルにはもっとたくさんのタイプ、サブタイプが存在する。詳細は別の記事「サブタイプ理論」で説明する。
以下のようなものがある。
- 情報代謝タイプ(TIM)
- 精神的エネルギータイプ(TPE)
- TPEプロファイル
- TPEサブタイプ
- 精神的ダイナミクス
- TIMサブタイプ
- 機能サブタイプ
- 同TPE内のタイプの強弱