カリナウスカスの輪
Grigory Reininは、現在のソシオニクスで一般的なモデルAではなく、カリナウスカスの輪というモデルを使用している。そのため機能の配置がモデルAとは異なっている。
機能 #1 – 客観的感覚 (Se)
存在の原則:「我は行動する、ゆえに我は存在する」
彼らの人生の原則は、外部の形態の不変性、すなわち自分の外見(見た目・容姿)と行動に対する自信です。
SLEの行動を批判する人は、SLEの攻撃性を誘発してしまうかもしれません。
また、このタイプの人々は文字通りの仕事人間です。
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このタイプの人々は、じっとしていることができません。状況的にじっとしていないといけない場合でさえ活動的です。
ソシオニクスの有識者の間には「SLEが友達と一緒にいるとき、10分間だけでも静かにしていられるだろうか。もしそれができるSLEがいたら、病気か気絶しているかのどっちかだ」というジョークがあります。
働く時は、自分のすべてを仕事に捧げます。決してエネルギーを惜しみません。
意志が強く、他人を従わせることができる権力者タイプです。
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また、ヒエラルキーや指揮命令系統がはっきりした環境(軍隊など)で働く場合は、自分を無理やりにでもその環境に適応させることもできます。進んで責任を取ろうとするほうなので、管理職としてかけがえのない存在となります。
しかし、そのあまりの鈍感さと素直さゆえに、トップに立つことはほとんどありません。
しかしILEと同様に、人類の歴史上、本当に危険な時期に、SLEが台頭すること [1] に注目すべきです(例:ウィンストン・チャーチル、マーガレット・サッチャー)。
SLEは信頼できる人々です。もし活動が停滞しているのを見つければ、それを打開するために創造性を発揮するでしょう。
かなり「強い」人で、同じ縄張りに二人のSEEが共存できないように、二人のSLEもまた共存できません。どちらもイニシアチブをとりたがるタイプなので、これは当たり前のことです。
厳密に定義されたヒエラルキーでの関係(軍隊など)や、師弟関係においてのみ、一時的に少しだけ仲良くなる可能性があります。
機能 #-1 – 主観的感覚 (Si)
SLEの場合、無視する領域にあるのは「健康」です。
健康問題において彼らは「農民の姿勢」を持っています。
農民の姿勢とは、「自分の畝で倒れるまで畑を耕す」です。熱心に活動しすぎて病気になってしまった時でも、人から世話を焼かれたり、面倒を看られたりされるのを嫌がります。
リゾート地や病院で休養をとるのは、すっかり燃え尽きてしまってからでいいと考えます。
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このタイプの人々は、「人は不死身ではないし、無限のエネルギーがあるわけでもない」というのを肝に銘じておく必要があります。
ただし仕事から完全に離れてはいけません。その辺りをうまくコントロールできるようにならないといけませんが、すべての人にそれが可能というわけではありません。
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好き嫌いや、食への拘りはあまりないほうです。
高品質な食材である必要はありませんが、新鮮で十分な量があること、美しい盛り付けであることは望みます。
機能 #2 – 主観的論理 (Ti)
Tiが創造的な領域にあるため、オブジェクト、状況、事象を様々な角度や様々な立場から考察・説明する能力があります。
SLEはここで保守的ではありません。
ILEの場合、アイデアを出しても、それを実際に実行に移すことはほとんどありませんが、同じ創造機能を持つSLEは、アイデアを思いつき、それを実現しようとします。つまりSLEはアイデアに対して実現化するチャンスを与えます。
例えば、セルゲイ・コロリョフ(SLE)とコンスタンチン・ツィオルコフスキー(ILE)は、人類が宇宙へ行くことを夢見ていました。そしてコロレフは、想像もつかないような過酷な条件下でこの夢を叶え、彼なりに幸せになりました。
機能 #-2 – 客観的論理 (Te)
外界の論理は、規範・標準(スタンダード)の領域にあります。
このタイプの人々は、創造性とは無関係に自動的に実行される、ある種の自明な規範・標準のセットを持っています。この分野において、SLEは意思決定を下すのに時間を浪費することを好みません。
機能 #3 – 客観的倫理 (Fe)
SLEの自尊心の原則:「人が私を必要としている。だから私は善良だ」
SLEが自分自身をどう思うかは、他人からの評価に依存しています。人がどんな時に、どんな場面で、この第3の機能を通じて肯定的なフィードバックを得るかという問題は、非常に興味深い問題です。SLEの場合、「他の人々がSLEのことを必要だと思っている」という実感を得られさえすれば、いつでもエネルギーを得ることができます。
SLEにとって人間関係とは、自分の方に矢印が向いている関係、すなわち自分が相手から必要とされている関係です。ILEとSLEは個人的な利益と公的な利益が一致しやすいタイプですが、この一致は偶然ではありません。悪意を持った「友人」が、SLEのこの性質を利用しようと企むこともしばしばあります。
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SLEは、「人から必要とされたい」というニーズを抱えています。このニーズが満たされないと、彼らは病んでしまいます。そしてそれを癒すために、彼らは持ち前の莫大なエネルギーのすべてを費やし、状況を深刻に悪化させてしまいます。
機能 #-3 – 主観的倫理 (Fi)
SLEは、人や物に対する態度を変化させることで問題を解決します。彼らが解決策を決めるにあたって最も重視することは、確実性、明確性があることです。
ILEが対外的な人間関係で問題に直面した場合、何とかして物事を円滑に進めようとします。しかしSLEの場合、もっと決定的な行動を取ろうとします。SLEは、先が見えない緊張状態を続けるよりも、面倒な人を避ける方が楽だと感じるタイプです。
ILEにせよSLEにせよ完璧な対応をしているとは言い難いですが、彼らの好む解決策でも目標は達成することは出来ます。どちらも複雑な状況は解きほぐされ、問題が解消します。SLEの場合、「相手と関係が無くなれば問題もなくなる」という根本的な解決策を好みます。
機能 #4 – 主観的直観 (Ni)
「すべてが調和し、美しくあってほしい。私が気持ちよくなるようなことをしてほしい」
SLEは内面的な調和が必要だと感じていますが、自力ではそれに対処できません。心の状態を切り替えるためには、外からの働きかけが必要です。
そのため、気分転換のためにアルコールや、その他の不健康な手段に頼る危険性があります。口喧嘩をすることもあります。
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このタイプの人々は、指導的な立場に立ったり、あるいは指導的な立場の人と接触することが多いです。それを踏まえると、この暗示という機能の位置にNiが来るのは非常に興味深いことです。
SLEは自分で自分の気分や感情をコントロールするのが苦手で、予測出来ないところがあるため、周囲の人に付き合いにくさを感じさせるタイプです。
機能 #-4 – 客観的直観 (Ne)
SLEは、外的の状況の整合性に対して恐れを感じます。状況の完全性、すなわち「最初から最後まで、全てがわかっている状況」を無意識のうちに拒絶する [2] のです(これは、そうした状況に対する嫌悪感として表れます)。SLEには独特の時間的なビジョンがあります。
「スケジュールに従わなければならないとはどういうことだ。24時間働きたい気分の時はどうしろっていうんだ。なぜスケジュールの枠を押しつけようとするんだ。他の人がどう働くかなんて知ったことではない。自分が働きたいと思う限り、働き続けたいんだ」
SLEの才能が最も輝くのが、「事態の流れが急変した時」「緊急時に、急に決断を下さなければならない時」「スケジュールから逸脱した時」「急に戦術を変えなければならなくなった時」であることは言うまでもありません。
SLEはマルチタスクが得意です [3]。瞬時にタスクを切り替えながら、複数の状況を監督することが出来ます。
有名人
- ゲオルギー・ジューコフ
- オリバー・クロムウェル
- リヒャルト・ワーグナー