モデルGとは
ビクター・グレンコ(Victor Gulenko; Виктором Гуленко)によって提唱されたソシオニクスのモデル。
現在ソシオニクスで最もよく使われているモデルは、ソシオニクスの生みの親オーシュラによって作られたモデルAだが、このモデルGはそれを否定するのではなく、補完するために作られた。
モデルAが情報代謝に焦点を当てているのに対して、モデルGはエネルギー代謝に焦点を当てている。
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ポジションの名称
モデルGにおけるポジション名称は下記の通りである。
具体例としてILEの場合、次のような描き方をする。
遠距離と近距離
人と人とがコミュニケーションを行う距離に関する二分法である。モデルGの上側(機能①~④)が遠距離、下側(機能⑤~⑧)が近距離となるというルールがある。
タイプが外向型の場合(ILE, ESE, SLE, EIE, SEE, LIE, IEE, LSE)、遠距離側には外向機能が配置され、近距離側には内向機能が配置される。
タイプが内向型の場合(SEI, LII, IEI, LSI, ILI, ESI, SLI, EII)、遠距離側には内向機能が配置され、近距離側には外向機能が配置される。
遠距離
人が外部から観察され、評価されるような社会の中で見られるコミュニケーション距離。
遠距離のコミュニケーションは意識的に行われ、かつ社会的統制に大きく左右される。
この距離は通常、見知らぬ人の間または8人以上のグループで発生するとされている。
近距離
空間的な意味で密接・接触して行われるコミュニケーションで見られる距離。
自発的に行われる点が特徴で、近距離(自宅、または外部からのコントロールを受けない身近な環境)ではリラックスして行動できる。
最大8人までのグループに最もよく見られる。
外向タイプと遠距離/近距離
遠距離x外向機能:社会では積極的にコミュニケーションをする。
近距離x内向機能:自分のテリトリー内では控え目で、エネルギーを蓄積する傾向。
内向タイプと遠距離/近距離
遠距離x内向機能:社会では抑制的な態度を示す。
近距離x外向機能:自分のテリトリーでは活発になり、蓄積されたエネルギーを放出する傾向。
モデルGの機能のポジション
社会使命ブロック
① 管理
特性
- チームの"キャプテン"に相当し、意思決定・資源配分を行う機能。励ましで管理する。
ポジション分析
- 主導的、持続可能、外的、自動的、活動的、加速、価値あるもの
モデルAでのポジション
- モデルAでは第1機能(先導機能)にあたる。
② 創造
実装機能、背景機能とも呼ぶ。
特性
- 「① 管理」で決定した意思に従って>周囲の状況を十分に考慮しながらアクションを起こす。「① 管理」の機能からエネルギーを供給される。非日常的に直面するような難しい課題を解決するためのメインツールになる。
ポジション分析
- 主導的、持続不能、外的、自動的、潜在的、減速、ツール
モデルAでのポジション
- モデルAでは第8機能(実証機能)にあたる。モデルAの第2機能(創造機能; Творческая функция)と同じ呼び方をする場合があるが、別物なので注意。
社会適応ブロック
③ 役割
特性
- 社会的規範に従って意識的に訓練されている機能。外部からのエネルギーの補給がない場合、機能の活性状態は急激に減少する。
ポジション分析
- 追従的、持続可能、外的、意識的、活動的、減速、ツール
モデルAでのポジション
- モデルAでは第3機能(役割機能)にあたる。
④ ランチャー
特性
- 特定の社会的行動を刷り込み的に学習し、それを衝動的な自動プログラムにして、素早く社会的に重要なパフォーマンスを行う機能。
ポジション分析
- 追従的、持続不能、外的、意識的、潜在的、加速、価値あるもの
モデルAでのポジション
- モデルAでは第6機能(動員機能)にあたる。
創造的な自己実現ブロック
⑤ 実証
特性
- 近距離の関係で働き、状況に反して動き出す機能(状況にそぐわないアクションをする機能)。衝動的なアクションを行い、周囲の注目を集めようとします。
ポジション分析
- 主導的、持続不能、内的、意識的、活動的、加速、ツール
モデルAでのポジション
- モデルAでは第2機能(創造機能)にあたる。モデルAの第8機能(実証機能; Демонстративная функция)と同じ呼び方をするが、別物なので注意。
⑥ 操作(提案に影響され易い、暗示、挑発)
特性
- 行動パターンや習慣の長期記憶。その人の「電源スイッチ」に当たるポジションであり、他者はこの機能を介してスムーズな操作をすることができます。
ポジション分析
- 追従的、持続可能、内的、自動的、潜在的、加速、ツール
モデルAでのポジション
- モデルAでは第5機能(暗示機能)にあたる。
インフレーションブロック
⑦ ブレーキ
特性
- 知覚の結果としての抑制。最悪の結果やこれ以上の負荷を避けるための抵抗を行います。
ポジション分析
- 追従的、持続不能、内的、自動的、活動的、減速、価値あるもの
モデルAでのポジション
- モデルAでは第4機能(脆弱機能)にあたる。
⑧ 統制
特性
- 制限による管理。最も抵抗力がなく、最も問題のあるポイント(言行の不一致がある。「私は知っているが、出来ない」)。身近なところで起きていることをコントロールし、支配し、意見を押し付けますが、同時に、この機能において積極的に何かをする気はありません。
ポジション分析
- 主導的、持続可能、内的、意識的、潜在的、減速、価値あるもの
モデルAでのポジション
- モデルAでは第7機能(監視機能)にあたる。
人が社会から期待される役割
モデルAで第1機能+第2機能を自我ブロック、第3機能+第4機能を超自我ブロックなどという風にブロック化されていたのと同様に、モデルGでもブロック単位で機能を捉えることが出来る。
また、モデルGの社会使命ブロック(① 管理+② 創造)は、人それぞれ(各タイプそれぞれ)が社会から期待されているミッションを定義するものだとされている。
具体的なブロックの組み合わせの説明やミッションの説明は下記参照。
- http://zanoza.socioland.ru/wiki/Модель_G
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