モデルGはビクター・グレンコが提唱したモデルであり、グレンコの学派「Humanitarian Socionics」で使われている主要なモデルの一つです。
モデルAなどの他のモデルとの大きな違いは、ソシオニクスの機能をエネルギーが内側に向くか、外側に向くかによってグループ化している点、モデル図の上側に遠距離という特性を持つ機能を、下側に近距離という特性を持つ機能を配置している点です。
モデルG - ビクター・グレンコのエネルギーモデル
グレンコの学派「School of Humanitarian Socionics」では、1995年にビクター・グレンコが提唱したエネルギー代謝モデル・モデルGが主に用いられています。
ソシオニクスでは、ソシオニクスの生みの親であるオーシュラが導入した、モデルAと呼ばれる情報代謝モデルが広く使用されています。モデルAでは情報代謝に焦点が当てられていますが、その一方でエネルギー的な側面にはあまり触れておりませんでした。
モデルGは、モデルAではあまり触れられていないエネルギー代謝を主に扱います。モデルGを使用することで、モデルAの補完が期待できます。
「School of Humanitarian Socionics」ホームページにおけるモデルGに関する説明へのリンク - https://socioniks.net/article/?id=113
前提
エネルギーモデルは、「エネルギーと情報という概念の相補性」というアイデアに基づいています。
ソシオニクスの生みの親であるオーシュラは、彼女の著書「Две вертации(2つのバージョン)」にて、情報代謝を補完するものとしてエネルギー代謝に言及しています。
- エネルギー代謝のモデルと、情報代謝のモデルという両極端なものを比較することで、次のことが明らかになりました。
- エネルギー代謝と情報代謝の関係を明確に理解する必要があります。後者(情報代謝)は、前者(エネルギー代謝)が反映されたものですが、同時に、エネルギー代謝・情報代謝のどちらも、エネルギーの再生産メカニズムに他ならないものです。エネルギー代謝とは、肉体が行う物理的なエネルギーの再生産のことを意味します。情報代謝は、精神的なエネルギーの再生産を指しております。この精神的なエネルギーは、メンタルとバイタルの二種類に分けられます。
◆◆◆
モデルAは、精神を外向性機能と内向性機能が交互に繰り返される回路からなる情報処理システムとして捉えています。
このようなシステムは、外向と内向の間を頻繁に行き来する必要があるため、エネルギー消費という点から見ると採算が合わないように思われるかもしれません。
モデルGは、物質的な世界での最適な生命活動の基準に適合することを目標として作られたものです。モデルGは、タイプごとのエネルギーの質的変換を、人と、その人の周囲との間で生じる相互作用のプロセスによって説明します。
- https://socioniks.net/article/?id=113
◆◆◆
以下は、心理的・社会的機能におけるエネルギーの重要性を強調するいくつかの事実と観察を挙げてみましょう。
- 脳は、食物によって得られるエネルギーのかなりの割合を消費しています(いくつかのデータによると、体重に比べて不釣り合いに多い量であることがわかっています。 - 脳の占める重さは約2%であるのに対し、最大25%ものエネルギーを消費)。
- 情報化社会では、情報が溢れています。そのため情報を探すには莫大なエネルギーが必要になります。
- 最も信頼性の高い知識を持っていても(最も強力な情報武装を行っていても)、それを活用できなければ何の価値もありません。そして、情報を活用するためにはエネルギーが必要になります。
- 面白いアイデアは、それを実行し、普及させるためのエネルギー(物質的支援)を必要としています。そしてしばしば発案者はアイデアを実行することが出来ません(「あなたはそんなに頭がいいのに、なぜお金持ちじゃないのですか?」)。
- 人や集団に効果的に影響を与えるには、言葉という情報媒体だけでは不十分なことが多いです。人に興味を持たせる、強制させる等の活動にはエネルギーが必要になります。現代では、特にマーケティング、政治技術、人事管理の分野で、精神のエネルギーという概念が重要なものになりつつあります。
- いくつかの観察によると、要求関係に基づくワーキンググループは、監督関係に基づくグループよりも長期的に安定していることが明らかになっています。この点で、なぜ人の精神の記述に、監督関係に基づくモデルであるモデルAが使われるのか、という疑問が生じます。
◆◆◆
ソシオニクスのモデルでは、機能をある一定の順序で配置します。
機能間の関係は非対称で一方的です。どのようなソシオニクスモデルも、4つの機能、4つの機能間接続を持つ2つのリングから構成されています。各リングの機能も非対称な関係になります。
代謝経路(機能の順番)は、モデルAでは監督関係から与えられています。
各機能にタイプを割り当てると、モデルのリングは社会的進歩リングを見つけ出すことができます、これらのリングを構成するタイプは監督関係で接続されています。
例えば、ILEのモデル A (Ne → Ti → Se → Fi / Si → Fe → Ni → Te) は、監督関係に基づくリング ILE(Ne) → LSI(Ti) → SEE(Se) → EII(Fi) / SEI(Fi) → EIE(Fe) → ILI(Ni) → LSE(Te) にマッピングできます。
ソシオニクスの監督リングは4種類ありますが、対象のタイプ、ここではILEが属するリングを元に機能とタイプを対応させて考えるため、ILEの第3機能SeはSEEに対応します。
監督関係に基づく関係性で接続した機能同士は、監督関係のタイプ間で効率的に情報伝達が行われるのと同じように、効率的に情報代謝できます。
◆◆◆
この監督関係と言う非対称関係に基づくモデル理論に従えば、エネルギーを効率的に伝達する要求関係に基づいたモデルを構築することが出来ます。
この要求関係に基づくモデルGは、監督関係に基づくモデルAを補完するものであり、エネルギーの側面から精神活動のプロセスを表すものです。
例えば要求関係に従って考えた場合、ILEはILE(Ne)→LSE(Te)→SEE(Se)→EIE(Fe) / LSI(Ti)→SEI(Si)→EII(Fi)→ILI(Ni)のフローに対応します。
ILEの機能を要求関係に対応付けて考えます。
ソシオンの構造組織 - https://socioniks.net/article/?id=12
◆◆◆
モデルAの監督リング(つまりモデルAの上側4機能のリングと、下側4機能のリングであり、言い換えれば静的な情報要素が配置されているリングと、動的な情報要素が配置されているリング)は、要求リングによって相互に接続されています。
ILEの例では下記の通りです。
モデルGに含まれる要求リング(外向タイプで構成されるリングと、内向タイプで構成されるリングの2つのリング:下図のNeTeSeFeのリングと、TiSiFiNiのリング)は、監督リングによって接続されています(下図の縦方向の矢印)。
◆◆◆
比較のために、右進歩リングタイプと、左進歩リングタイプとのモデルAとモデルGを示します。
- 右進歩リングタイプとは、要求リングと監督リングの接続がアルファ→ベータ→ガンマ→デルタの順序になるタイプのこと。言い換えると二分法「プロセス(別名:右、エボリューション)」タイプ。具体的にはILE, SEI, EIE, LSI, SEE, ILI, LSE, EII
- 左進歩リングタイプとは、要求リングと監督リングの接続がアルファ→デルタ→ガンマ→ベータの順序になるタイプのこと。言い換えると二分法「結果(別名:左、インボリューション)」タイプ。具体的にはESE, LII, SLE, IEI, LIE, ESI, IEE, SLI
これは、機能間の関係を示しています(モデルAは、比較を容易にするために一般的な描き方とは異なる描き方で図示しています。本来はこの図で書かれているように横一直線で一周するFi→Ne→Ti→Se→Fi→Neという繋がりとしては描きません)。
Fig.3-1 右リングタイプ(例:ILE)
- 要求リングの接続(アルファ→デルタ→ガンマ→ベータの順)
- ILE(Ne)アルファ → LSE(Te)デルタ → SEE(Se)ガンマ → EIE(Fe)ベータ →
- LII(Ti)アルファ → SLI(Si)デルタ → ESI(Fi)ガンマ → IEI(Fi)ベータ →
- 監督リングの接続(アルファ→ベータ→ガンマ→デルタの順)
- ILE(Ne)アルファ → LSI(Ti)ベータ → SEE(Se)ガンマ → EII(Fi)デルタ →
- SEI(Si)アルファ → EIE(Fe)ベータ → ILI(Ni)ガンマ → LSE(Te)デルタ →
Fig.3-2 左リングタイプ(例:ESE)
- 要求リングの接続(アルファ→ベータ→ガンマ→デルタの順)
- Fe(ESE) アルファ→ Se(SLE) ベータ → Te(LIE) ガンマ → Ne(IEE) デルタ →
- Si(SEI) アルファ → Ti(LSI) ベータ → Ni(ILI) ガンマ → Fi(EII) デルタ →
- 監督リングの接続(アルファ→デルタ→ガンマ→ベータの順)
- Fe(ESE)アルファ → Si(SLI)デルタ → Te(LIE)ガンマ → Ni(IEI)ベータ →
- Ti(LII)アルファ → Ne(IEE)デルタ → Fi(ESI)ガンマ → Se(SLE)ベータ →
同型性の原理と機能間関係
同型性の原理は、異なる物体の構造に見られる類似性を示すために、さまざまな科学分野で利用されているものです。例えば、ゲシュタルト心理学の基本的な考え方の一つに、知覚の生理学的プロセスと知覚された対象の構造との類似性(Isomorphism (Gestalt psychology) 外部サイト)があります。
ソシオニクスにおける同型性の原理は、ソシオニクスの構造をタイプの構造に「なぞらえる」ものとして理解されています [1]。この同型性の原理の考え方に従って、各機能には一対のタイプが割り当てることができます。
例えば、Seは先導機能がSeであるタイプ「SLE」と「SEE」になぞらえることができます。
こうした「なぞらえ」を踏まえると、タイプと機能の関係も一致させることが出来ます。例えば、SeとNiは互いに双対であり(SLE-IEIとSEE-ILIに相当)だと言えます。
また、NeとTeは要求関係にあたります(ILE-LSEとIEE-LIEに相当)。
コミュニケーションの距離
人と人との交流は、近距離と遠距離に分類できます。
- 近距離
コミュニケーションは、空間的な意味で密接・接触して行われます。自発的に行われる点が特徴です(自宅、または外部からのコントロールを受けない身近な環境では、リラックスして行動できます)。近距離は、最大8人までのグループに最もよく見られます。 - 遠距離
人が外部から観察され、評価されるような社会の中で見られます。人々はかなりの距離で隔てられています。そして、そのコミュニケーションは意識的かつ社会的統制に大きく左右されます。この距離は通常、見知らぬ人の間または8人より多いグループで発生します。
コミュニケーションの距離、コミュニケーションスペース - https://socioniks.net/article/?id=14
モデルGの配置(遠距離/近距離)
モデルAがバイタルリングとメンタルリングで構成されているように、モデルGは1列になった4つの機能が上下に2列並んだ形で構成されています(モデルGの初期バージョンでは、各機能はリングの形で配置されていました)。
モデルGの上の列は「遠距離」、下の距離は「近距離」です。
外向タイプの場合「遠距離」側には外向的な機能の全てが配置されます。そして「近距離」では内向的な機能の全てが配置されます。
内向タイプの場合はちょうどこの逆になります。
つまり、外向タイプは社会では積極的であるものの、自分のテリトリーでは控えめで、エネルギーを蓄積しています。
一方、内向タイプは、遠距離は抑制的な態度を示すのに対して、近距離では活発になり、蓄積されたエネルギーを放出します。
◆◆◆
各機能にはプラスとマイナスの記号が書かれていますが、これは肯定主義・否定主義に対応しています。記号付き機能の完全な説明については、 Humanitarian Socionicsにおける記号付きの機能の説明」の記事を参照してください。
- http://zanoza.socioland.ru/wiki/Описание_функций_с_знаками_в_гуманитарной_соционике
ポジションには番号と名前が付けられており、隣接するポジションは2つ1組でブロック化されています(図参照)。
- https://socioniks.net/article/?id=113
モデルGを考慮したソシオニクス全16タイプの構造
ソシオニクスは、下の表のような4行4列で構成される表として表わすことが出来ます。表の各セルはそれぞれ1つのソシオタイプを表しています。
◆◆◆
表の各行はクアドラに対応しています(1行目-アルファ、2行目-ベータ、3行目-ガンマ、4行目-デルタ)。
中央の2行(2行目と3行目)は中心性のクアドラ(ベータとガンマ)です。 端の2行(1行目と4行目)は、それぞれ周辺性のクアドラ(アルファとガンマ)です。
各列は双対ペアで構成されています(例:ILE-SEI)。外向タイプが左側に記載されています。
表の縦列は要求リング(別名:恩恵リング)に対応しています。
- ILE - EIE - SEE - LSE
- SEI - LSI - ILI - EII
- LII - SLI - ESI - IEI
- ESE - IEE - LIE - SLE
進歩リングの中に、監督関係を構成するソシオタイプが斜めに配置されています。
- ILE - LSI - SEE - EII
- SEI - EIE - ILI - LSE
- ESE - SLI - LIE - IEI
- LII - IEE - ESI - SLE
モデルGの機能のポジション
社会使命ブロック
① 管理
特性
- チームの"キャプテン"に相当し、意思決定・資源配分を行う機能。励ましで管理する。
ポジション分析
- 主導的、持続可能、外的、自動的、活動的、加速、価値あるもの
モデルAでのポジション
- モデルAでは第1機能(先導機能)にあたる。
② 創造
特性
- 周囲の状況を十分に考慮しながらアクションを起こします(最も完全にこれらを考慮できます)。① 管理機能からエネルギーを供給されます。複雑な非標準的課題を解決するためのメインツールとなります。
ポジション分析
- 主導的、持続不能、外的、自動的、潜在的、減速、ツール
モデルAでのポジション
- モデルAでは第8機能(実証機能)にあたる。モデルAの第2機能(創造機能; Творческая функция)と同じ呼び方をする場合があるが、別物なので注意。
社会適応ブロック
③ 役割
特性
- 社会的規範に従って意識的に訓練されている機能です。外部からのエネルギーの補給がない場合、機能の活性状態は急激に減少します。
ポジション分析
- 追従的、持続可能、外的、意識的、活動的、減速、ツール
モデルAでのポジション
- モデルAでは第3機能(役割機能)にあたる。
④ ランチャー
特性
- 特定の社会的行動を刷り込み的に学習し、それを衝動的な自動プログラムにして、素早く社会的に重要なパフォーマンスを行う機能です。近距離では活性化の効果は逆になります。
ポジション分析
- 追従的、持続不能、外的、意識的、潜在的、加速、価値あるもの
モデルAでのポジション
- モデルAでは第6機能(動員機能)にあたる。
創造的な自己実現ブロック
⑤ 実証
特性
- 近距離の関係で働き、状況に反して動き出す機能です。衝動的なアクションを行い、周囲の注目を集めようとします。
ポジション分析
- 主導的、持続不能、内的、意識的、活動的、加速、ツール
モデルAでのポジション
- モデルAでは第2機能(創造機能)にあたる。モデルAの第8機能(実証機能; Демонстративная функция)と同じ呼び方をするが、別物なので注意。
⑥ 操作(提案に影響され易い、暗示、挑発)
特性
- 行動パターンや習慣の長期記憶。その人の「電源スイッチ」に当たるポジションであり、他者はこの機能を介してスムーズな操作をすることができます。
ポジション分析
- 追従的、持続可能、内的、自動的、潜在的、加速、ツール
モデルAでのポジション
- モデルAでは第5機能(暗示機能)にあたる。
インフレーションブロック
⑦ ブレーキ
特性
- 知覚の結果としての抑制。最悪の結果やこれ以上の負荷を避けるための抵抗を行います。
ポジション分析
- 追従的、持続不能、内的、自動的、活動的、減速、価値あるもの
モデルAでのポジション
- モデルAでは第4機能(脆弱機能)にあたる。
⑧ 統制
特性
- 制限による管理。最も抵抗力がなく、最も問題のあるポイント(言行の不一致がある。「私は知っているが、出来ない」)。身近なところで起きていることをコントロールし、支配し、意見を押し付けますが、同時に、この機能において積極的に何かをする気はありません。
ポジション分析
- 主導的、持続可能、内的、意識的、潜在的、減速、価値あるもの
モデルAでのポジション
- モデルAでは第7機能(監視機能)にあたる。
◆◆◆
本モデルにおける特定のタイプの機能コードは、機能名に数字を加えて表記します。例えば、ILEとSLEにおけるFeは、Fe4(一文字表記の場合、E4)と表記します。
機能のポジション分析
8機能は、次の7つの方法でそれぞれ2つのグループに分けられます。
外的/内的(機能位置1,2,3,4 / 5,6,7,8)
コミュニケーション距離。外向タイプの場合、「外的」機能側に外向性機能が、内的機能側に内向性機能が配置されます。内向タイプの場合はその逆です。「内的」機能(出発点-自分の領域)- 近距離において働く機能(「 コミュニケーションの距離」セクションを参照)。「外的」機能(出発点-外部の世界)- 遠距離(あまり親密ではない、社会的な距離)において働く機能。
価値的/ツール的(機能位置1,4,7,8 / 2,3,5,6)
長期的なモチベーション / 問題解決ツール。「価値的」機能によって問題が蓄積され(エネルギーが不足し)、「ツール的」機能によって問題が解決されます(エネルギーの充足)。主導的/追従的(機能位置1,2,5,8 /3,4,6,7)
活動の種類に応じた分割。「主導的」機能がエネルギーパルスの送信機であり、「追従的」機能はエネルギーパルスの受信機になります。機能の内向性/外向性とは無関係です。「主導的」機能が活性化し、「追従的」機能は文字通りそれに追従する形で活性化することになります。持続可能/持続不能(機能位置1,3,6,8 / 2,4,5,7)
合理性/非合理性に応じた分割。「持続可能」機能は、モチベーションがなくても、着実に、システマチックに、状況にあまり左右されずに働ける機能です。「持続不能」機能は強い動機付けがないと長続きせず、状況に応じてオン・オフを繰り返し、システマティックに機能しない機能です。合理的な情報要素(Fe,Fi,Te,Ti)が「持続可能」機能に配置されている場合、Fe,Fi,Te,Tiが配置されている4種類の機能が、安定的に働き続けます。そして非合理的な情報要素(Ne,Ni,Se,Si)が「持続可能」機能に配置されている場合、Ne,Ni,Se,Siが配置されている4種類の機能が、安定的に働き続けます。
前者の場合の非合理機能、あるいは後者の場合の合理機能はエネルギー的に常に不安定な状態にあります。これはコミュニケーション距離や課題の難易度とは無関係です(外向性/内向性が無関係であるのと同様に)。
自動的/意識的(機能位置1,2,6,7 /2,4,5,8)
エネルギー/アンチクアドラの機能に応じた分割。「自動的」機能側では、何も考えずに自動的に行動し、「意識的」機能側では、何が起こっているかを最大限に意識して行動します。活動的/潜在的(機能位置1,3,5,7 / 2,4,6,8)
静的/動的に応じた区分(ソシオニクスでは、Ne,Ti,Se,Fiが静的、Si,Fe,Ni,Teが動的に分類されます)。モデルGではエネルギー代謝の過程で静的→動的→静的→動的…と交互に現れることになります。そしてそれに応じて潜在的なエネルギーが顕在化して活動的になったり、その逆のことが起こったりします。「活動的」機能側では、エネルギーの消費量のほうが、貯蓄量よりも多いです。「潜在的」機能側と比較して、はるかに活発です。 「潜在的」機能側では、エネルギーを蓄積し、情報として自身の経験を言葉で表現します。
加速的/減速的(機能位置1,4,5,6 / 2,3,7,8)
社会的進歩に関連する区分。「加速」機能側へのアクションはエネルギーを高め、タイプ全体のエネルギーが上昇し、引き締まるように動員されます(快ストレス)。「減速」機能側のストレスは、タイプのエネルギーを下げ、精神的なリソースを枯渇させます(不快ストレス)。
- http://sociolib.info/articles/types/energ_model-2/
モデルGのブロック
モデルGの機能は2つ1組のセットでブロック化されます。
社会使命ブロック
モデルGの1番目と2番目の機能(管理機能および創造機能)が含まれています。(モデルAの第1機能と第8機能)
リーダーシップブロック。人が自信を持って社会で自己実現をするための最強のブロック(コミュニケーション距離「遠距離」)。
このブロックによって、人は自分の能力を最大限に発揮して、直面している複雑なタスクを日々解決することができます。
社会的に見れば、社会的使命(ソーシャル・ミッション)とは、特定のタイプの持ち主に対して、社会がその持ち主に期待すること、すなわち、その人が何を目指し(目標)、どのように社会生活を営むべきか(手段)を詳細に記述した、極めて簡潔な指示であると言えます。
たとえば、ILIのミッション(NiTe)は、イベントの経過を予測し、システムのバランスをとるための対策を講じることです。「タイプ別ミッション一覧」の項目参照。
社会適応ブロック
モデルGの3番目と4番目の機能(役割機能およびランチャー機能)が含まれています。(モデルAの第3機能と第6機能)
サバイバルブロック。 このブロックの助けを借りて、人は社会的条件に適応します。
この社会適応ブロックは、定期的にしなければならないものの、創造的な努力を必要としないタスクを解決するために訓練されているブロックです。
創造的な自己実現ブロック
モデルGの5番目と6番目の機能(実証機能および操作機能)が含まれています。(モデルAの第2機能と第5機能)
個人の自己肯定に関わるブロック。人はこのブロックを活用して、自分自身の領域(コミュニケーション距離が近距離)で創造的に自分を表現します。
複雑で、一般的ではない課題を自発的に解決することができます(ただし毎回ではありません)。
ブロック上での行動は、他者の評価(または他者の反応を引き起こすこと)を得ることを目的としたデモンストレーション的なものです。
インフレーションブロック
モデルGの7番目と8番目の機能(ブレーキ機能および統制機能)が含まれています。(モデルAの第4機能と第7機能)
最も弱いブロック。このブロックへのアクションには多大な労力を必要とし、通常は失敗します。
このブロックが積極的に作用するとインフレーション(膨張)が発生します。
エネルギーをどんどん消費していくにつれて、システムがオーバーフローし、エネルギーが爆散し(シャボン玉が膨らんで破裂するのと似ています)、システムのエネルギーが枯渇してしまいます(このブロックの機能は、最悪の効率で動作します)。
DCNHシステムにおけるモデルG
DCNHシステムは、1つのタイプ内の違いを説明するためだけでなく、それ自体をタイプ理論として使用することができます。例えばモデルGの4つのブロックは、このようにDCNHで記述することができます(括弧内は機能のエネルギー量です)。
D-ドミナント 社会使命ブロック |
N - ノーマライザー 社会適応ブロック |
||
1. 管理 (4) | 2. 創造 (3) | 3. 役割 (2) | 4. ランチャー (1) |
C - クリエイター 創造的な自己実現ブロック |
H - ハーモナイザー インフレーションブロック |
||
5. 実証 (4) | 6. 操作 (3) | 7. ブレーキ (2) | 8. 統制 (1) |
モデルGブロックを強度の高い順に並べた場合:
- D - 社会使命ブロック:
第1機能:フォーマルリーダー、第2機能:インフォーマルリーダー - C - 創造的な自己実現ブロック:
ユニークであること、これは創造的な人々にとって最も重要なことです。 - N - 社会適応ブロック:
社会に受け入れられるためには、社会で受け入れられている規則を遵守しなければなりません。 - H - インフレーションブロック:
シャドーブロック、近距離でのみ表示されます。
機能間のエネルギー分布
ある機能のエネルギー容量は、総エネルギーストックからエネルギーが取り出され、消費される割合として理解されます。
最大エネルギー
- 管理(1)と実証(5) - エネルギー的に強い機能であり、総エネルギー消費量の大半をこの2つの機能が占めています。「強い火力、弱いブレーキ(+-)」
適度なエネルギー
- 創造(2)、操作(6) - 作業に必要なだけのエネルギーを引き出す機能です。最もコントロールしやすい機能だと言えます。「強い火力、強いブレーキ(++)」。
低エネルギー
- 役割(3)と抑制性(7) - より低いエネルギーレベルで実行される機能です。 「弱い火力、強いブレーキ(-+)」
最低エネルギー
- ランチャー(4)および統制(8) - 危機的状況下に、最後の手段として残っているエネルギーをふりしぼって実行される機能です。
タイプ別ミッション一覧
ソシオニクスの観点から見た場合、社会的使命(ソーシャル・ミッション)は、特定のタイプの持ち主に対して、社会が彼に期待すること、すなわち、彼が社会生活の中で何を(目標)、どのように(手段)行うべきかを詳細に記述した、極めて簡潔な指示です。
タイプ | 方式 | ミッション | 意味 | 説明 |
---|---|---|---|---|
アルファ | ||||
ILE | NeTe | 革新的な行動 | 大胆なアイデアや発明を見つけ出し、それを実現すること | https://socioniks.net/article/?id=129 |
ESE | FeSe | 感情的な圧力 | 人々を新しいビジネスに巻き込み、人々の無関心を克服すること | https://socioniks.net/article/?id=131 |
SEI | SiFi | 快適な関係 | 人々が快適に交流できる環境を作ること | https://socioniks.net/article/?id=130 |
LII | TiNi | 時間構造 | イベントを分析し、システムの論理に従って行動すること | https://socioniks.net/article/?id=132 |
ベータ | ||||
EIE | FeNe | エモーショナルなアイデア | 能力発見への意欲を生み出すこと。アイデアのためにリスクを冒すこと | https://socioniks.net/article/?id=133 |
SLE | SeTe | 力強い行動 | 過酷な競争の中でも果敢に行動すること | https://socioniks.net/article/?id=135 |
LSI | TiSi | 快適さの論理 | 快適さと安定をもたらす秩序をつくること | https://socioniks.net/article/?id=134 |
IEI | NiFi | 関係性の時間 | 人間関係の発展を予測し、タイムリーに調整すること | https://socioniks.net/article/?id=136 |
ガンマ | ||||
SEE | SeFe | 力強い感情 | 対立する当事者間の互恵的な合意の形成 | https://socioniks.net/article/?id=137 |
LIE | TeNe | 収益性の高いイノベーション | 大きな利益が約束されたビジネスで、リスクを冒すこと | https://socioniks.net/article/?id=139 |
ILI | NiTi | システム予測 | イベントの経過を予測し、システムのバランスを取るための対策を講じること | https://socioniks.net/article/?id=138 |
ESI | FiSi | 快適さの倫理 | グループの身体的・心理的な健康を確保すること | https://socioniks.net/article/?id=140 |
デルタ | ||||
LSE | TeSe | ビジネス力 | 領域内を移動し、対処すべき問題や障害が発生した場所に介入すること | https://socioniks.net/article/?id=143 |
IEE | NeFe | 興味深いコミュニケーション | 面白い人たちと出会い、才能を刺激すること | https://socioniks.net/article/?id=141 |
EII | FiNi | 時間の倫理 | 優しさと忍耐で、少しずつ良い変化をもたらすこと | https://socioniks.net/article/?id=144 |
SLI | SiTi | 快適な要求 | 快適な状態でツールとメカニズムを管理すること | https://socioniks.net/article/?id=142 |
◆◆◆
出典サイト上に記載されているリンク集
出典サイト上に記載されている、出典サイト外のリンク集
- ソシオニクスオブジェクトのV.V.Gulenkoエネルギーモデル 構造と機能
- ソシオニクスオブジェクトのV.V.Gulenkoエネルギーモデル 新しい詳細(出典上にリンクなし)
- Humanitarian Socionics - https://socioniks.net/article/?id=113
- http://uchoniyartist.blogspot.com/2012/12/blog-post_18.html
- この記事への短いリンク - https://goo.gl/mejAjd
◆◆◆
訳注
- ^ グレンコはLIIだが、LIIの認知スタイル「ホログラフィック・パノラマ」はこうした「なぞらえ」を好むとされている。この認知スタイルという小グループも、グレンコが提案したものである。