グレンコのロマンス・スタイルにおいて、自我ブロックに外向的直観 Neをもつ4タイプ、ILE、LII、IEE、EIIは子供タイプと呼ばれます。ILE、LIIはアルファ・クアドラ、IEE、EIIはデルタ・クアドラです。
気質、先導機能、クアドラの尊重する機能に違いがあるにもかかわらず、肉体的な魅力、欲望、恋の戯れなどの分野における犠牲者タイプの行動には、自我ブロックの非合理性の情報要素 Neと、自分の恋愛パートナーがSiスタイルの行動をとることへの期待とが表れるようです。
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典型的な特徴
- 直接的で積極的なセクシャリティーから切り離された、ポジティブな美的特性を持つパートナーに興味を持ちやすいです。
- このスタイルの人がパートナーの興味を引こうとする場合、楽しくて興味深い会話や議論、提案、ユーモア、倫理的探求、精神的探求、そして風変りな発言を用いようとすることが多いです。
- 自分の意外の一面や、予想外の可能性、普段と異なる側面をパートナーに見せようとします。
- 上記の行動に対するパートナーの反応次第では、パートナーへの興味が冷めてしまうこともあります。
- 自分のニーズ(これは必ずしも身体的ニーズのみに限りません)に気を配ってくれるパートナーを評価します。もしもパートナーが自分のニーズを満たしてくれない場合、彼らは何も言わずに一人で我慢し続けようとします。しかしながら、こうした状況はパートナーへの満足度をかなり下げてしまう原因になります。その結果として、彼らの中で要求が募っていくほどに、怒りっぽくなったり、口論が起きやすくなったりします。
このロマンススタイルは、静的・非合理的・外向的な要素であるNeに焦点を当てることで定義されます。このスタイルに該当するタイプの人々は、現在の静的な現実に対する潜在的可能性や代替案にまつわる情報を処理することに焦点を当てています。彼らは現在の静的な現実の本質を「単調で、退屈で、停滞したもの」と認識しています。
子供タイプは、人が誰かに魅力を感じている状態を「静的な状態である」と捉えており、それを「動かす」ために、現在の静的な状態に対する様々な選択肢やバリエーションを積極的に考え出し、発言しようとします。これは、子供タイプが「自分とパートナーが互いに感じている魅力」、特に「パートナーが自分に感じている魅力」を、「パートナーが自分との交流の中で、予想外の、想像力あふれる、楽しくて、非日常的な現実の一面にどれだけ触れたか」という点から推し量る性質を説明するものです(そして、そういったものに着目する性質を持つ彼らを「子供」タイプと呼ぶ所以にもなっています)。
子供タイプがもつ「代替案や楽しさへの集中」という性質は、Siにまつわる情報(彼ら自身の物質的ニーズや、生活の質、その他Siに関わる幸福)に対する、ある種の不注意さに繋がります。そのため、このタイプの人々は、Siの分野で発揮される他者からの支援を歓迎します。
他のロマンススタイルに対する認識
以下は恋愛関係、またはその後の関係におけるパートナーに対する認識を指します。
子供⇒侵略者
子供タイプは、侵略者タイプのことを、少し「乱暴」で、時には少し怖いとさえ感じるか、単純に不快な人とだけ認識する傾向があります。
子供⇒犠牲者
子供タイプは、犠牲者タイプのことを偏執的で、混乱していて、難解なサインを送ってくる人と認識する傾向があります。
子供⇒保護者
子供タイプは、保護者タイプのことを、一緒にいて心地が良く、楽しい仲間だと感じる傾向があります。
子供⇒子供
子供タイプは、自分と同じ子供タイプのことを、一緒に過ごしていて楽しい相手だと認識する傾向がありますが、それと同時に、無力で、要求が多く、ストレスが多い相手だと感じる傾向もあります。
グレンコによる説明
(グレンコ著、Life Scenariosより)
子供タイプの男性
依存的で、世俗的な事柄に疎く、女性からの実用的で誠実なサポートを必要としています。
このタイプの男性は、自分がいかに注目されずに見過ごされてきたかという話であったり、自分の無駄な能力や才能の話であったり、要領よく人生を生きることが自分にとってどれだけ難しいことかという話を、彼ら自身も意識していませんが、つい強調して話す傾向があります。
女性選びの際は、相手の女性の経験豊富さや、彼が抱えている問題に対する彼女の対応力の高さを重視します。
子供タイプの女性
子供タイプの女性にとっての理想のパートナーは、優しくて、経験豊富で、人生に上手く適応できている人、そしてさらにいえば、たいてい自分より年上の人です。そういう理想のパートナーの前では、パートナーにほとんど全面的に依存している少女のようになります。
恋愛では心理的な要素、例えば誠実な会話、心地よい音楽、リラックスできるような環境の整備などを大切にします。とりわけ彼女は、パートナーの寛容さ、サポート力、彼女が抱えている問題への関心の高さ、気遣いを重視します。
性生活において、このタイプの女性は洗練された優しさと、感情的・心理的な繋がりを重視します。彼女は特別な意図をもたずに、自分の行動によって、自らの儚さと子供のような無邪気さを示します。彼女は自分が共感する相手の興味や活動を、簡単に受け入れます。
恋の駆け引きにおいて、子供タイプの女性は、簡単に保護者タイプのパートナーに対する主導権を握り、自分自身の洗練さと想像力を発揮します。
もちろん侵略者タイプにも注意を払いはしますが、侵略者タイプの本能的な行動や荒っぽさのため、親密な関係になるのは恐れてしまいます。
犠牲者タイプは、彼女を部分的にしか満足させられません。犠牲者タイプとの関係はロマンチックに始まりますが、犠牲者タイプによる、苦しみや予測不可能なデモンストレーションは、彼女を困惑させ、混乱させてしまいます。
自分と同じ子供タイプの場合、注意や配慮が足りない人だと感じて不快に感じることが多いです。この組み合わせの場合、時間が経つごとに疎外感が増していくことになります。