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ソシオニクス コミュニケーションスタイル

2024年6月15日土曜日

ソシオニクス

コミュニケーションスタイル

情熱的タイプ:ExFx(SEE、IEE、ESE、EIE)

二分法が倫理外向タイプが、このスタイルのグループに分類されます。このグループは、他者に対する自分の態度(他の人々に対してどのように自分の感情や考えを表現し、どのように接すべきか)に自信を持っていて、自分の感情や好き嫌い、倫理的評価を恐れずに公然と示したり、話したりします。このグループはインフォーマルな接触では最も社交的なタイプです。

他者とのコミュニケーションや交流において、彼らは感情そのものや感情表現を重視しており、それを深く理解して、体験しようとします。これが彼らの会話のスタンスです。このタイプの人々は、情熱的タイプ以外の人々と比較して、平均的に結婚が早く、また、頻繁に別居や離婚も経験します。情熱的タイプは、対話を感情の交換として理解しています。彼らにとって対話とはまるで絶えず変化し続ける人生という波間を進む「航行」のようなものです。

情熱的タイプに分類される4タイプは、いずれも自我ブロックにFi、またはFeが含まれています。


冷徹的タイプ:IxTx(ILI、SLI、LII、LSI)

二分法が論理内向タイプが、このスタイルのグループに分類されます。これらのタイプの人々は、自分の感情に自信を持っておらず、感情をあまり表に出さないように行動します。このグループはインフォーマルな接触では最も非社交的なタイプです。

コミュニケーションスタイルは、情熱的タイプとは真逆です。インフォーマルな対話において、彼らは他者とのコミュニケーションにおいて、自分から積極的に感情を表現したり引き出したりするのではなく、相手の感情や反応を静かに待ち受けるスタンスを取ります。彼らのコミュニケーションは、既存のルールや習慣、手順や規範に従って進行します。冷徹的タイプ以外の人々と比較して、このタイプの人々は結婚が遅く、再婚を経験しない傾向があります。彼らの結婚は、一般的に最も成功しない傾向があります。彼らはコミュニケーションを、説明的な性質の不足している情報を交換するものとして理解しています。そのためテキストだけでのコミュニケーションでもあまり問題になりません。

冷徹的タイプに分類される4タイプは、いずれも自我ブロックにTi、またはTeが含まれています。


ビジネスライクタイプ:ExTx(LSE、LIE、SLE、ILE)

二分法が論理外向タイプが、このスタイルのグループに分類されます。ビジネスライクタイプの人々は、自分の活動を通じて他者と接触し、自分の仕事や取り組みに感情を向けます。

ビジネスライクタイプのコミュニケーションスタイルは「感情の積極的な期待」といえます。彼らは自分の活動の中で人と出会うことを期待しています。ビジネスライクタイプが持つ典型的な男性的イメージは、彼らが感情を表現することや感情に基づいた行動よりも、具体的な活動や行動、実際の取り組みに重きを置くことから来ています。ロマンチックな文学では、主人公はトラブルから救い出すことで、つまり、感情的交流よりも実践的行動や具体的活動を行うことによって、未来の恋人と出会います。ビジネスライクタイプは、コミュニケーションをビジネス協力として解釈します

ビジネスライクタイプに分類される4タイプは、いずれも自我ブロックにTe、またはTiが含まれています。


誠実的タイプ:IxFx(EII、ESI、IEI、SEI)

誠実的タイプは別名でソウルフル(魂のこもった)タイプとも呼びます。二分法が倫理内向タイプが、このスタイルのグループに分類されます。これは感情や情緒に関する探求や表現を積極的に行うのではなく、他者からの感情や情緒に対して待ち受けるスタンスをとるタイプです。彼らは、自分にとって相性が良く、魅力的な人物であるか自信をもって判断できますが、内向タイプであるため、直接的にではなく、間接的な手段や方法を用いて、他者との繋がりを築こうとします

伝統的な社会において、婚前の女性に期待される行動が、この誠実的タイプの行動です。誠実的タイプの人々は、男性であれば一家の稼ぎ手であり擁護者であろうとし、女性は家族の保護者であり子供の養育者であろうとするという、典型的な役割分担による「家庭づくり」を行おうとする傾向が最も強いです。彼らはコミュニケーションを、心からの愛着のサインの交換と理解しています。

誠実的タイプに分類される4タイプは、いずれも自我ブロックにFi、またはFeが含まれています。


好ましい組み合わせ

グループ間関係を分析するために、筆者は経験に基づく観察と相談を通して得た下記の傾向を活用しました。

  • 倫理タイプは本能的に論理タイプに惹かれます。その逆も同様です。論理タイプのみで構成されるペアの心理的雰囲気は、あまりにもドライで退屈です。倫理タイプのみで構成されるペアの雰囲気は、非常にせわしなく、感情過多になりやすいからです。論理タイプ同士でも、どちらか片方の感情的な傾向が強かったり、倫理タイプ同士でも、一方が強い論理的傾向をもっている場合、それが相手を惹きつける魅力になることもあります。
  • 内向タイプは本能的に外向タイプに惹かれ、外向タイプもまた、内向タイプに惹かれます。とはいえ前者と比べると、後者はそれほど惹かれないかもしれません。まず最初に、外向タイプと内向タイプの組み合わせの場合、外向タイプが関係や状況で主導権を握り、内向タイプがそれを受け入れる関係になります。次に、外向タイプ同士の組み合わせについていえば、このペアが平和的に共存できるのは、互いの活動範囲が重なり合わないよう意識的にすみ分けできた場合に限ります。とはいえほとんどの場合、このペアでは権力闘争が起こってしまい、敗者は自分が軽んじられていると感じることになるでしょう。最後に、内向タイプ同士の組み合わせの場合、どちらか片方が外部の社会や環境に積極的に関与し、行動する役割を担える場合であれば、そこまで問題にならないかもしれせん。この条件が満たせない場合、このペアは自然とそれぞれの世界に閉じこもり始め、両者の結びつきは希薄になることでしょう。

カップルの人間関係を調和させるために、ソシオニクスの観点から相談に応える際には、以下の平均的な交流パターンを参考にするといいでしょう。

  • ビジネスライクタイプと誠実的タイプ
    この2つのタイプから形成されるペアの場合、内的な環境と外的な環境、どちらの恒常性も達成できます。この組み合わせのペア間で意見の相違が生じた場合、外向タイプであるビジネスライクタイプは、誠実的タイプのパートナーに積極的な影響を与えることになります。また、誠実的タイプのパートナーはその影響にあまり抵抗せずに従います。誠実的タイプのパートナーには、不協和を緩和する力があり、彼らのおかげでペア間のバランスが回復できます。この組み合わせのペアが第三者と衝突した際、誠実的タイプのパートナーは倫理タイプでもあるため、ビジネスライクタイプのパートナーと比べてより不安を感じます。しかし誠実的タイプのパートナーは内向タイプであるため、彼らはビジネスライクタイプのパートナーに問題を提示だけします。そうやって提示された問題に対して、ビジネスライクタイプのパートナーが適切な措置を講じます。結果的に、この組み合わせのペアは、破壊的な外部の影響に対して安定していると言えます。
  • 情熱的タイプと冷徹的タイプ
    この組み合わせも、ビジネスライクタイプと誠実的タイプの組み合わせと同様に、良好な組み合わせです。このペアでは、自然に二人の関係性の安定を維持するような傾向が見られます。多くの場合、このペアでは次のようなパターンが見られます。このペア間で対立が生じた際、情熱的タイプのパートナーは、自分の有利になるように冷徹的タイプのパートナーに働きかけ、自分の影響力を広げたり、周囲に積極的に関与することで影響を与えようとします。しかし冷徹的タイプのパートナーは、あまり感情的にならないため、このような試みには屈しません。しかし時間の経過とともに冷徹的タイプの見方や判断は変わっていき、その結果として行動や態度が変化するため、情熱的タイプのパートナーは満足感を得ることになります。また、その頃には情熱的パートナーの熱意は冷めてしまっているため、対立が自然に鎮静化します。また、このペアが外部からの攻撃にさらされた場合、冷徹的タイプのパートナーはそれを無視し、何事もなかったかのように活動を続ける傾向があります。こうした抑制的な行動は、情熱的タイプのパートナーにとっては非常に魅力的なものです。なぜなら、攻撃に伴って生じる倫理的な問題に対して、情熱的タイプのパートナー自身が対処できるからです。

上述の相互作用には4種類のタイプ間関係が含まれます。このうち最も良好な組み合わせが、双対関係のLSE-EII、ILE-SEI、SLE-IEI、および LIE-ESI です。その次に良い組み合わせとして、準双対関係監督関係衝突関係が続きます。衝突関係であったとしても、一定の安全な距離を保ちさえすれば、ペアの恒常性が保たれることになります。その逆に双対関係においてペアの恒常性が得られるのは、コミュニケーションの距離が近い場合だけに限られます

次の2種類の関係は、心理的な恒常性を部分的にしか提供しません。相性の良さは中程度です。内部的な不一致(ペア間の意見の不一致)や、外部からの破壊的な影響に伴って、関係性が瓦解する可能性があります。

  • ビジネスライクタイプと冷徹的タイプ
    この組み合わせでは通常、次のようなことが起こります。両者ともに倫理的な影響にはほとんど無関心です。ビジネスライクタイプのパートナーは、自分の目的のために冷徹的タイプのパートナーを利用しようとしますが、その努力から得られるものはありません。時間がたち、そうしたビジネスライクタイプの努力の失敗が続くと、ビジネスライクタイプ側の欲求(状況を自分の好みに合うよう変えたいという欲求)は薄れていき、ビジネスライクタイプと冷徹的タイプの関係は次第に疎遠になっていきます。とはいえこの組み合わせの場合、このような方法を通して、両者間の関係の恒常性が達成されます。また、このペアは周囲の人々との関係性に鈍感です。お互いがそれぞれ自分のことに忙しいのです。しかし、外部からの影響が非常に強く、パートナーのあまり活発ではない倫理的機能に影響を及ぼした場合、その問題にどう対処するかを巡ってビジネスライクタイプと冷徹的タイプの間で口論が始まります。ビジネスライクタイプと冷徹的タイプにとって、損なわれた外界とのバランスを回復するのは非常に難しいことです。
  • 情熱的タイプと誠実的タイプ
    この組み合わせには次のような特徴がみられます。両者ともに倫理タイプであるため、二人の間に生じる対立が相手の生活や活動に強い悪影響を及ぼすことを、どちらもよく理解しています。しかしながら自分の行動を変えようとするのは誠実的タイプだけです。情熱的タイプは、自分ではなく相手の行動の変化を要求します。そのため通常は誠実的タイプが譲歩するため、一連の感情の爆発の後に平穏が戻ります。両者が衝突した場合、出来事はすぐにドラマチックに脚色されます。この組み合わせのペアの場合、外部との問題(自分たち二人の間に起こる問題ではなく、その外側で起こる問題)を、内的な問題(自分たち二人の間の問題)に転嫁してしまう傾向が見られます。そのため情熱的タイプと誠実的タイプのペアが、外部の問題について話し合うと、それがどのような問題であれ、すぐに口論が起こりやすいです。こうしたことが起こってしまうのは、過剰な感情のせいです。したがって情熱的タイプと誠実的タイプのペアの恒常性は内的な相違(自分たち二人の間に生じた相違)に対して不安定です。


最適とは言えない組み合わせ

  • 情熱的タイプとビジネスライクタイプ
    この組み合わせは、おそらく全ての組み合わせの中で最も関係性が不安定で変化しやすく、口論や対立が頻繁に起こる組み合わせでしょう。どちらも外向タイプであるため、両者ともに相手の行動を変えようと試みます。どちらも積極的で、互いに相手に合わせようとしません。ビジネスライクタイプは仕事と活動をますます増やすことに活路を見出そうとするのに対して、情熱的タイプは悪化した関係性を整理しようとします。そのせいで対立はさらに激化します。周囲の人々との関係では、情熱的タイプとビジネスライクタイプの両方が積極的に影響を与えたがるため、二人の間でリーダーシップをめぐる争いが起こりがちです。ビジネスライクタイプは、情熱的タイプの感情的な抑制の無さが自分たち二人の目的にマイナスであると信じているため、より積極的な対立姿勢を見せます。このペアは口論が多く、内的なマイナス要因(二人の間にあるマイナス要因)、外的なマイナス要因(第三者や外部に由来するマイナス要因)、どちらの影響にも非常に脆弱で、そうした問題があると関係性はすぐに悪化しがちです。
  • 誠実的タイプと冷徹的タイプ
    この組み合わせは、両者の間に相反する要素や感情が数多く存在していて、とても不安定な関係です。両者ともに内向タイプであるため、二人の間で意見の相違があった場合、二人ともが主に自分自身を変えようとします。しかしここでの誠実的タイプの反応はより速く、より顕著です。そのため誠実的タイプは、二人の平和な関係性のために、自分を犠牲にしていると感じ始めます。冷徹的タイプは、誠実的タイプのこうした行動にまったく無頓着に見えるため、誠実的タイプは「自分(誠実的タイプ)の犠牲を、冷徹的タイプはきちんと評価してくれない」と思うようになります。これが二人の関係に緊張を生みます。同時に、両者ともに内向タイプであるため、周囲の世界を自分にとって望ましい形に変えることが出来ません。そのため外部からの悪影響に晒されると、誠実的タイプと冷徹的タイプの関係性は簡単に崩れてしまうことがあります。誠実的タイプと冷徹的タイプの組み合わせの場合、外部からの共感と反感をより鋭敏に察知する誠実的タイプのほうが、より不安定です。このペアには、関係の恒常性を維持するための効果的なメカニズムが欠けています。
  • ビジネスライクタイプ同士
    両者ともに自分の目的を達成するために相手に影響を与えようとしますが、どちらも相手からの影響を受け入れようとしません。そのためこのペアでは、短時間ではありますが激しい対立が頻繁に起こります。また自分たち以外の周囲の人々にも影響を与えようとしますが、両者ともに自分の行動を周囲に合わせることをあまり知りません。それぞれが自分の有利になるよう、あらゆることをしながら状況を変えようとします。このペアが良好な関係でいられるのは、両者に共通する外敵がいて、共に立ち向かうような状況だけ限られます
  • 情熱的タイプ同士
    両者ともにコミュニケーション能力が高い組み合わせですが、そのせいでかえってお互いに対する些細な非難が生じやすいです。どちらも外向タイプであるため、相手に影響を与えたがる一方で、自分は譲歩したがりません。互いに相手が自分を理解してくれないと感じやすく、なんとかして誤解を解消したいとか、関係を改善したいという強い欲求が起こりやすいです。自分の正しさを相手に証明しようとしても、たいていは何も得られません。そのため両者の間で対立が起きると、それが長続きしやすいです。外界(周囲の人々や社会、二人の関係性の外にある出来事や問題など)との接触では、両者ともに外界に対する感情的影響力を競い合います。この組み合わせでは、過剰な感情のはけ口を求めて、すぐに口論が起こります。外部の脅威から両者に共通する利益を守らないといけないような場合でも、両者の活動を調整するのは非常に難しいです。このペアが長期間にわたって安定した関係性を構築できると考えるのは非現実的だと言わざるを得ません。
  • 誠実的タイプ同士
    この組み合わせの場合、両者ともにあらゆる方法で対立を避けようとします。これは両者の関係性の安定化に繋がります。しかし何らかの対立が生じてしまった場合、相手の行動のせいだと両者ともに考えやすい傾向もあります。その影響で、両者の協力や信頼が阻害されることがあります。このペアは簡単に妥協し合いますが、傷つきやすく、正直さに欠けていることもあります。外的な問題がある場合、相手の助けを借りずに一人で解決しようとします。これは、お互いに「この人に外向的な行動を期待するだけ無駄だ」とすぐに確信してしまうからです。この結果として、お互いの競争力に対して、お互いに失望しあうことになります。ただし、共通して取り組める目標や目的がある場合、誠実的タイプ同士のペアは非常に強く団結できます。この目標は、温かい心理的な雰囲気と、彼らにとって重要な小さな集団内での関係を維持すること(例えば子育てという目標)が望ましいです。
  • 冷徹的タイプ同士
    活動性にも感情的温かさにも欠ける、いくぶん相性が悪い組み合わせです。両者ともに相手の努力に鈍感で、相手の行動に対する反応も非常に遅いです。滅多に対立することはありませんが、実際には積極的な協力がほとんどありません。互いに放置しあい、相手に煩わされないことに満足します。誰も「火に油を注ぐ」ようなことをしないため、対立が生じてもすぐに消えてしまいます。外部の環境が変化した場合、それぞれが独自に変化に適応しようとします。助け合いは最小限しかありません。そのため、このペアには疎外的な雰囲気が生じます。共通の目標や目的、例えば方法、手順、計画、指示、戦略開発といったものがある場合は、そうでない場合よりも互恵関係を構築しやすいです。

恩恵関係(要求関係)は、同一関係協力関係よりも共同事業に適しています。筆者の観察では、恩恵関係における恩恵者(要求者・要求する側、例えばSEI-LSIであればSEI)は、自分のアイデアや計画を実行させる相手として、受益者(被要求者・要求される側、例えばSEI-LSIであればLSI)を探し求める傾向があります。


出典:
これらの説明は、V. Gulenko の記事「Life Scenarios: From Ethical Feelings to Sensory Wishes」のセクションから抜粋したものです。

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