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ソシオニクス ガンマ・クアドラ (8) by Stratiyevskaya 完

2022年9月8日木曜日

ESI ILI LIE SEE クアドラ ソシオニクス

ソシオニクス ガンマ・クアドラの特徴8


クアドラ・コンプレックスに対する防衛力の発達


事業活動でイニシアチブを取るための激しい競争。

自分のチャンスを制限するものを打ち破り、自分が優位にチャンスを得るための熾烈な競争。

自分が今得ている自由とは「別の」行動の自由への羨望。

これらはクアドラ・コンプレックスの結果として生じるものです。そのため全てのガンマは、競争相手の創造的な事業活動を制限するための自己防衛システム(「罠のシステム」)の開発を余儀なくされることになります。


◆◆◆



ガンマ・クアドラで支配的なすべての側面 [1] は、ガンマ・クアドラ・コンプレックスに対する防衛力の強化のために働きます。

  • 外向的で「突破的」でエボリューション的なSEEのプログラム機能(+Se [2] ) - 自らの目的にしたがって、障害物を踏み破りながら突き進みます
  • 外向的で「独創的」でインボリューション的なLIEのプログラム機能(-Te) - ダブルスタンダードな動作をします。一方では残酷で横暴です。ライバルの活動を冷酷に抑圧し、競争相手の権利と自由を制限します。もう一方では自由と解放を愛しています。自らの寛容さを出し惜しみしながら、自分が自由に活動できる道を用意し、自分を制限する外部からのコントロールは一切受け付けません。
  • 内向的で、エボリューション的なILIのプログラム機能である時間の直観の側面(+Ni) - 慎重で、実用的で、状況を正確に予測し、技術的にモデル化できます。それと同時に潜在的なライバルの様々な動向を予測し、袋小路に誘導します
  • 内向的で、インボリューション的なESIのプログラム機能である関係性の倫理の側面(-Fi) - 不必要なものから必要なものを切り離し、悪いものから良いものを切り離すことによって、敵対勢力や脅威から、自分自身と自分の友人の活動を守ります。多くの道徳的、倫理面制限を駆使してライバルをがんじがらめにします


激しい競争の中、ガンマ・クアドラの活発な事業活動においては、誰もが互いに制限を課しあっています

  • ESIは、道徳的・倫理的制約によってライバルの活動を抑制します(-Fi)
  • SEEは、倫理的操作を奨励し(-Fi)意図的な禁止と制限によってライバルを抑圧します(+Se)
  • ILIは、今後の活動の暗い予測をたてたり、恐ろしい警告をしてみせることによって、ライバルの自発性を抑圧します(-Ni)
  • LIEは、ライバルの物質的リソースを枯渇させ、意図的に自分の意志とライバルの意志との対立状態に持ち込むことで、ライバルの意志の力を消耗させ、可能性やイニシアチブを冷酷に制限し、望ましくない活動を抑制してストップさせます(-Te)

◆◆◆


— 他のクアドラの人々は、ガンマ・クアドラの排他的な行動の自由 [3] をどのように感じるのでしょうか?

— ガンマ・クアドラとちょうど正反対の価値観を持つアルファ・クアドラ(二分法「賢明」「民主主義」「主観主義」)は、一般的にこれらすべてを真剣に受け止めようとはしません。アルファ・クアドラにとって、ガンマ・クアドラの熱狂的な事業活動は、いつまでたっても謎が多く理解しがたい現象です。アルファ・クアドラは、ガンマ・クアドラを見て次のように思います。

「不毛に排斥しあう前に、まず互いの計画について話し合って、相手の合意を得ようとしないのは何故なんだ」


ベータ・クアドラ(二分法「果敢」「貴族主義」「主観主義」)の人々は、ガンマ・クアドラの相互に排他的な事業活動の全てを、「システムにおける優先順位の混乱」「民主主義のコスト」「明確で信頼に足るヒエラルキーの不備」の結果だと見なします。


デルタ・クアドラ(二分法「賢明」「貴族主義」「客観主義」)の人々は、創造の自由と行動の自由に反対すること自体はありません。しかしガンマ・クアドラによる「ビジネス的、潜在的イニシアチブの相互抑制」という部分に対して、「自分の能力と可能性の発展にとって有害である」と認識します。デルタ・クアドラの人々は一般的に、合意と相互の譲歩を重視しています。

ガンマ・クアドラから「抑制」的な働きかけをされた場合、デルタ・クアドラの人々が重視している、自らのエボリューション的なビジネスの倫理(+Te)と、インボリューション的な可能性の直観(-Ne)が他者から過小評価され、価値がないもの扱いされてしまう危険性が生じます [4]

このことによってデルタ・クアドラの心の中に生じる不安や恐怖、つまり「自分の創造性や可能性に課せられる制限」への恐怖を、筆者らは慣例的に「もぎ取られた翼」デルタ・クアドラ・コンプレックスと呼んでいます。



出典:


訳注

  1. ^ モデルAの第1, 2, 5, 6機能のいずれかに+Se、+Ni、-Te、-Fiがあるという意味。第1, 2, 5, 6機能は、モデルAでの「尊重する機能」に分類される機能(関連記事「クアドラとは」)。機能についているマイナスは「インボリューション的」、プラスは「エボリューション的」という意味。Stratiyevskayaはエボリューション的を「建築的・肯定的」、インボリューション的を「再構築的・否定的」という意味で使用している(関連記事「ソシオニクス ガンマ・クアドラ(1)」)。ソシオニクスにおける一般的な用語としてのエボリューション、インボリューションの意味はこちらを参照。
  2. ^ 機能についているマイナスは「インボリューション的」、プラスは「エボリューション的」という意味。Stratiyevskayaはエボリューション的を「建築的・肯定的」、インボリューション的を「再構築的・否定的」という意味で使用している(訳注 [1] も参照)。
  3. ^ ある人の行動の自由が、別の人の行動の自由を阻害している状態。自分の行動の自由のために他人の行動の自由を犠牲にすること。
  4. ^ ガンマ・クアドラもTeを尊重するが、ガンマはあくまで「自分と自分の身内の」Teだけを尊重するのであって、他人の行動(この場合デルタの人のTe)は尊重しないし、妨害できそうなら妨害する。

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