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影の機能モデル(MBTI派生理論) 第3機能:子供

2023年4月18日火曜日

MBTI派生理論 影の機能モデル 元型

影の機能モデル(MBTI派生理論) #3. 子供

この記事では、MBTIの派生理論である「影の機能モデル」における子供(第3機能)について説明する。

影の機能モデル自体の概要については、記事「影の機能モデル(MBTI派生理論):はじめに」参照。


子供(第3機能)

影の機能モデルでは、「子供(別名:永遠の子供)」という元型が第3機能を包み込んでいるとされる。第3機能がこの元型に関するコンプレックス(子供コンプレックス)を運用する上での視点・世界観になる。


子供コンプレックスは(第1機能の英雄コンプレックスと同様)、かなり早い段階で自我が所有することになるので他者へ投影されることは稀であるものの、過度に責任感が強く、真面目すぎる状態に陥っている人が行うことがある。

そうして子供コンプレックスを他者に投影すると、対象人物のことを「『大人になること』や『大人のように振る舞うこと』を拒否している子供っぽい人物」だと感じるようになる(マーク・フンツィカーの説)。


子供コンプレックスは、自分を肥大させることで、自分自身を「知恵に満ち、成熟した人物」「他の支配者(英雄コンプレックスが描く理想像)や補助者(良い親コンプレックスが描く理想像)と同等の素晴らしい人物」のように見せかけることを目指す。

もしもこの目論見が上手くいかないと、子供のようになってしまう


◆◆◆


そもそも子供コンプレックスに限らず、全ての意識的なコンプレックス(第1機能、第2機能、第3機能、第4機能のコンプレックス)は自分を肥大させる傾向がある。ここで肥大させている「自分」というのは「自我」であり、「自己」に代わって精神の中心になろうとしているのである。

子供コンプレックスの視点は、英雄コンプレックスの視点に対する自我の最初の防衛線として出てくる物であるため、最も自我を肥大させる傾向がある


◆◆◆


下記を通して、「子供のような安心感」というポジティブな感覚を得ようとする。


  • Se(ENxJ):実践的な経験の中で、他者に導かれることを期待する。
  • Si(INxP):懐かしい思い出(特に子供時代)をノスタルジックに楽しむ。
  • Ne(ESxJ):子供のように無邪気に「選択肢や仮説的可能性」を探究する。
  • Ni(ISxP):子供のように無邪気に「根底にある意味」を探究する。
  • Te(ExFP):環境を合理化したり効率化することによって安心感を得る。
  • Ti(IxFJ):子供のように無邪気に「論理的な枠組み」を探求する。
  • Fe(ExTP):子供のように無邪気に他者と接する。
  • Fi(IxTJ):子供のような無邪気さを見せながら状況に関わることで、内面を調和させ、安心感を得ようとする。


第3機能は内向性か外向性か

フンツィカーは、第3機能について下記のような考察を行っている。

ビーブ(影の機能モデルの作者)以前は、第3機能は「第1機能と反対、第2機能、第4機能と同じ向き」(つまり第1機能が内向の場合、第2機能、第3機能、第4機能はすべて外向)をとると考えられていた(脱線するがMBTIでは第3機能は内向/外向が定められていない)。

つまり基本的には「強力な第1機能の態度」に対して、「第2機能、第3機能、第4機能のすべて」が逆向きの態度をとって初めて、なんとか第1機能に対抗できるだけの力を得られると考えられていた。


しかしフンツィカーは「ビーブは第3機能について、上記とは異なる考えを持っていたのではないか」と指摘している。

フィンツィカーはビーブの「親の圧倒的な力に対抗して、子供がトリックスター(第7機能)の態度を使うことで、ある程度のスキルと快適さを身につけることは珍しくない」という記述に着目し、「第3の機能である子供が成長するためには、先に第7の機能であるトリックスターが十分に分化する必要がある。そうしてやっと、子供が隠れている場所から出てきて、意識化されるのに十分な安全性を確保することができるのではないか」と解釈している。

つまり、第3機能の分化に先立ち、第7機能の分化が起こるが、この第7機能が第1機能とは内向性/外向性が逆であり(例えばINTPの場合、第1機能はTi、第3機能はSi、第7機能はSe)、発達度合いの高い第7機能が、「自我親和的な第3機能である」と誤解された結果として「第2、第3(実際には第7の誤解)、第4機能は、全て内向性/外向性が同じ」に見えるのではないかという考えである。


このフィンツィカーの考えに則れば、タイピングする際「第3機能ではなく、実は発達度合いの高い第7機能だった」というパターンのミスが起こりやすい点に注意する必要があると言えるかもしれない。


参考:

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