この記事に関連するタイプ:EVFL, EFVL, VFEL, VEFL, FVEL, FEVL
概要
第4機能はI- You+(「私はこれについて理解していません。あなたの意見を全面的に受け入れます」)の機能である。
ここにLの側面(論理的な側面;すべての論理的思考、分析、知識、博学、意見、証拠、議論、真実の探求、人生の意味に関する科学的研究に対する態度など)がくるタイプには、サブタイプに関わらず多かれ少なかれ以下の特徴が見られる。
- 自分独自の考えや意見を形成することよりも、既存の知識の応用に興味を向けやすい傾向。
- 自分で推論するよりも、権威者の推論や、客観的なデータ、観察結果そのものを重視する傾向。
- 自分の意見や推論を言うどころか、自分なりの意見や推論を考えてみようと思うこと自体、ほとんどない。
- 他者(特に権威者)の考えや知識に興味を持つ。
- 権威ある情報源からの知識を、まるでスポンジのように吸収する。
サブタイプ
4L-1
1Lに似た4L。
概要で紹介した特徴のうち、「自分独自の考えや意見を形成することよりも、既存の知識の応用に興味を向けやすい傾向」「自分で推論するよりも、権威者の推論や、客観的なデータ、観察結果そのものを重視する傾向」という特徴が比較的強く表れやすいサブタイプ。
この4L-1は結果だけを重視して、プロセスの段階を重視しない傾向が特に強い。ここでいう結果とは、考察や検証の余地がない情報であり、プロセスとは、それらの余地が残る推測や考察のことである。
4L(言い換えるならYou+)であるため、権威者の意見や考察をそのまま「それ以上何かを考える必要性のない情報=事実」として受け入れやすい傾向がある。権威者以外の人の意見や考察にはほとんど価値を見出さず、議論や話し合いも時間の無駄だと感じやすい。人の考えを正そうとすることはないので、もしも何か自分の意見とは違うことを言われても、わざわざ自分の考えを証明しようと躍起になったり、相手に反論しようとすることはあまりない。
自分の中で確立されている情報や知識体系に一致しない情報を拒絶する傾向も強い。こうした「自分の中にある情報や知識体系への強い自信」から、1L(特に自分の意見をあまり言おうとしない1L-4)に間違えられることもある。
4L-1が重視しているのは「権威ある情報源か否か」あるいは「自分の中に確立されている情報や知識体系に一致しているか否か」である。たとえどれだけ論理的で、理路整然とした意見であっても、これらの条件をどちらも満たさないものである場合、軽んじてしまうことが多い。もしも4L-1に何かを納得させたいという場合は、できるだけ4L-1が権威者だと思っている人の意見を引用する必要がある。
◆◆◆
- 4L-1と1Lの違い:
4L-1が自信を持って拠り所にしているのは、「自分自身の意見や考え」ではなく、大抵の場合は「他人の意見(最悪の場合、噂話も含む)」そのものである。どれだけ自信があるように見えても、4L-1の話はそれを受け売りしているだけのことがほとんどである。
一方で、1Lが拠り所にしているのは、自分自身の頭の中から出てきた考えである。考える材料に、文献や専門家の意見が含まれていることはあるが、それをそのまま受け売りしているわけではない。
4L-2
2Lに似た4L。
概要で紹介した特徴のうち、「自分の意見や推論を言うどころか、自分なりの意見や推論を考えてみようと思うこと自体、ほとんどない」という特徴が比較的強く表れやすいサブタイプ。
知識欲が強く、新しい知識にオープンで、積極的に他者の考えや意見を聞きたがる。様々な情報に触れるチャンスであるため、議論を好む4L-2も多い。こうした点から2Lに間違えられることがある。
「この問題について、あなたはどう思いますか?」「この人の考えではAだとされていますが、それについてあなたはどう思いますか?」というような質問をすることが多い。
◆◆◆
- 4L-2と2Lの違い:
4L-2は、他の4Lと同様、「どのようなプロセスを経てその意見や考えが出てきたか」の部分にはあまり興味を持たない傾向がある。そのため、「この問題についてどう思うか」は聞いても、「どういう経緯や道筋で、そうした考えが導き出されたのか」にはあまり目を向けない傾向がある。
一方で、2Lはむしろ4Lが目を向けないそうした部分にこそ焦点をあてる傾向がある。そのため、相手が結論だけを答えた場合、どうやってその結論が出てきたのかを聞き出そうと働きかけることが多い。
4L-2は、自分自身の頭で考えを構築することにはあまり興味を持っておらず、通常何か質問された場合は、自分自身の推測は交えずに「こういった情報があった」と外部情報の提供だけをしたがる傾向がある。もしもはっきりと「外部の情報ではなく、貴方自身の考えを教えてください」と言われた場合、「そんなことを知って何か意味があるのか」と感じやすい(4L-2は自分自身の意見や推論にあまり価値を感じていないため)。
2L(特に2L-4)にも他人の意見を聞くのに夢中で、あまり自分の考えや推測を言わない人がいる。しかし2L自身が興味を持っているトピックの場合、口には出さないだけで何らかの独自の意見や推測を持っていることがほとんどであり、はっきりと「貴方自身の考えを教えてください」と聞かれたら自信を持って答えることが多い。
4L-3
3Lに似た4L。
概要で紹介した特徴のうち、「他者(特に権威者)の考えや知識に興味を持つ」「権威ある情報源からの知識を、まるでスポンジのように吸収する」という特徴が比較的強く表れやすいサブタイプ。
この4Lには、典型的な4Lとして想像されるような「そもそも論理的な側面に関わる物事に興味が薄い人」がよくいる。もっと他の側面(EやVやF)のことに夢中で、Lの側面では「得意そうな人に任せてしまえばいい」というスタンスをとることが多い。
4L-3は論理の領域で自分が間違ってしまうことを、あまり問題視していないため、自信に満ちた人の意見や、権威者だと知られているような人からの意見を聞くと、簡単にそれまでの考えを撤回して同意してしまう傾向がある。他の4Lと比べると権威者だとみなす基準はかなり低く、世間一般的には権威者だと見なされないような人の意見であっても、簡単に受け入れてしまうことがある。
あまり緻密な説明を好まず、簡単で、短い情報であればあるほど「いい情報」だと感じやすい。
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- 4L-3と3Lの違い:
4L-3も3L(特に3L-4)も他人からの意見を聞いて、それまでの考えを二転三転させることが多い。
4L-3がそうするのは「そうした問題を考えるのに、そこまで時間やコストをかけたくないから」「もしも論理の領域で失敗しても、他のEやFやVの領域で失態を演じるほどの問題ではないので、比較的どうでもいい」という思いが背景にあるからである。
しかし3Lがそうするのは、むしろ「論理の領域で間違いたくない」「論理的な正しさを徹底的に追求したい」という思いが強いからである。