この記事に関連するタイプ:LVEF, LVFE, EVLF, EVFL, FVLE, FVEL
概要
第2機能はI+ You+(「私は自分が正しいと思う権利を留保します。あなたの意見も考慮に入れます」)の機能である。
ここにVの側面(意志的な側面;意思決定、意志力、個人の方向性、欲望、目標、責任、権威、権力、自制心、精神力、モチベーションなど)がくるタイプには、サブタイプに関わらず多かれ少なかれ以下の特徴が見られる。
- 自分の願望や欲望を、他人の願望や欲望の犠牲にしない。
- 他者に影響を及ぼして、自分にとってより良い形になるよう影響を及ぼす。
- いきなり目標や計画だけを与えられてもいまいち本気になれない。目標を立てたり、計画を作り上げる段階から関わり、自分や他人の願望をそこに反映させるプロセスに参加できているかどうかが、モチベーションに影響を与える(そのため途中参加のプロジェクトと、初期メンバーとして・または自分自身が立ち上げから関わっていたプロジェクトを比較した場合、後者の方がずっと本調子が出やすい)。
- 自分の願望や欲望よりも、他者の願望や欲望により注意や関心を向ける。この傾向が極端な場合、2V自身はまるで何の欲も持っていないように見える(これは他人から見た場合と、2V本人から見た場合の両方について当てはまる)。
- 他の人と話をするほうが、一人で考えている時よりも自分の本当の願望や欲望を言語化しやすくなる(人と話す機会がないと、自分の願望や欲望が何なのかわからなくなってしまうことさえある)。
サブタイプ
2V-1
1Vに似た2V。他者を動かそうとする傾向が最も強い2V。
概要で紹介した特徴のうち、「自分の願望を、他人の願望や欲望の犠牲にしない」「他者に影響を及ぼして、自分にとってより良い形になるよう影響を及ぼす」という特徴が比較的強く表れやすいサブタイプ。
2Vであるため他者の欲望や願望を完全に無視するわけではないものの、自分の願望や欲望を重視する傾向が強いため、他の2Vよりも目的志向が強い2Vに見えることが多い。
この2Vにとっての話し合いは、「解決策を話し合って模索する」ではなく「自分と異なる目的や願望を持った人々を説得し、自分にとって望ましいと感じる形で行動させること」を意味している。積極的に人々を行動に駆り立てるところがあり、リーダーの役割を担ったり、任されたりすることが多い。
人を動かすために、優しく説得するだけではなく、挑発をしたり、ほとんど「お前の意志などどうでもいい」と言っているに等しいような圧力をかけたりすることがある点から、1Vと混同されることがある。
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- 2V-1と1Vの違い:
1Vには(というより第1機能全体の特徴として)、その時々の欲求には焦点が当たるものの、一度それが満たされると、別の側面(例えば第1機能がVで第2機能がLの場合、Lの側面)に焦点が切り替わるという特徴がある。人の主観的には、第1機能よりも第2機能の方に意識が向きやすく、第2機能により長く、安定的に取り組むことが多い。そのため1Vによる他者の願望への興味関心や、影響力、圧力にはムラがあるのに対して、2Vはコンスタントに(悪い言い方をすればしつこく)他者の願望に目を向け、影響を与え、圧力をかけ続けようとする傾向がある。
自分と他者、両方の動機や願望、本音に関わる話題や、自分と他者の願望をすり合わせに繋がる話し合いであれば、たとえそれが和やかな会話とは程遠い会話になったとしても、創造的で意義のある活動をしていると認識しやすい。また、それをあまり負担に感じないか、場合によっては楽しささえ感じる。1Vも必要に応じて話し合いや説得はするが、そうしたプロセスはただ必要だからやっていること以上でも以下でもなく、あまり楽しさや意義深さを感じない。
2V-3
3Vに似た2V。最も協力的であり、最も動機がわかりにくい2V。
概要で紹介した特徴のうち、「いきなり目標や計画だけを与えられてもいまいち本気になれない」という特徴が比較的強く表れやすいサブタイプ。
押しの強い2V-1と比べると、2V-3はもっとソフトなサブタイプである。物事がうまくいくためには、人が本当にやりたいと思っているかどうか、本当に納得しているかどうかが重要だという考えを持っており、口先だけの「やりたい」なのか、本心からの「やりたい」なのかを見極めるために、非常に多くの時間と注意を払おうとする。
典型的な2V(I+ You+)らしく、自分とは全く異なる提案や、自分の提案に反するような提案を含めて、あらゆる提案を可能な限り検討することがベストだというスタンスを取ることが多い。さらに、一度合意を得たことであっても、関係者の意志の変化に伴って、合意していたはずの内容とは異なる提案や意見を検討したり、変更したりすることもある。このような「一度決めたことを簡単に変更してしまう」という特徴を見て、優柔不断な3Vに間違えられることがある。
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- 2V-3と3Vの違い:
どちらも一度決めたことを変更することがたびたびあるが、3Vがそうする理由が、自信が無いせいであったり、後になってから口出ししてきた人の意見に流されてしまったせいといった消極的で不本意な理由から生じているのに対して、2V-3の場合、「より良いプロジェクトのために可能な限り全てを検討すべきだ」という2V-3自身の意志を反映した結果としてそうなることが多い。
2V-4
4Vに似た2V。最も人に気を配る2V。
概要で紹介した特徴のうち、「自分の願望や欲望よりも、他者の願望や欲望により注意や関心を向ける」「他の人と話をするほうが、自分の本当の願望や欲望を言語化しやすくなる」という特徴が比較的強く表れやすいサブタイプ。
否定、批判をしないブレインストーミングのように、他者が安心して「あれがやりたい」「これはやりたくない」と本音を言える場を作り出そうとする傾向が強い。
もしも2Vとは合わない目標や動機の人がいる場合、相手の考えを否定したり、説得して変えようとするのではなく、黙ってそこから去ることが多い(こういった行動は4Vもとることが多い)。
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- 2V-4と4Vの違い:
他者のプロジェクトの手助けをしようとする場合、2V-4は計画立案段階で、相手が方向性を定める手伝いをするのを好む一方で、4Vはそれ以外の部分での手助けをしたがる(また、方向性を決める部分にはあまり関わりたがらない)という違いがある。
「あれがやりたい」「これがやりたい」と様々な本音がぶつかりあうような話し合いに参加した場合、2V-4は活性化するが、4Vは消耗してしまう。