この記事に関連するタイプ:LEFV, LFEV, ELFV, EFLV, FLEV, FELV
概要
第4機能はI- You+(「私はこれについて理解していません。あなたの意見を全面的に受け入れます」)の機能である。
ここにVの側面(意志的な側面;意思決定、意志力、個人の方向性、欲望、目標、責任、権威、権力、自制心、精神力、モチベーションなど)がくるタイプには、サブタイプに関わらず多かれ少なかれ以下の特徴が見られる。
- 自分や他人の意思を形成するプロセスに注意を払わず、願望を一種の客体的な現実として捉えて「思い浮かんだ願望通りの行動をするか」「願望を諦めるか」のどちらかしかできない傾向。願望がブラックボックス状態であり、願望の中でも本当に叶えたい部分と、二次的な部分を整理することにはあまり目が向かない。
- 他者の願望や欲望の影響を受けやすく、それに染まりやすい傾向。
- 外部からの不当な圧力に逆らうのが苦手で、他人の言いなりになりやすい傾向。
サブタイプ
4V-1
1Vに似た4V。
概要で紹介した特徴のうち、「自分や他人の意思を形成するプロセスに注意を払わず、願望を一種の客体的な現実として捉えて「思い浮かんだ願望通りの行動をするか」「願望を諦めるか」のどちらかしかできない傾向」が比較的強く表れやすいサブタイプ。
4Vには協調性がある人、無い人の両方がいるが、この4V-1には「あまり協調性が無い人」「責任感に欠ける人」というネガティブな評価を受けやすい人が多い。
基本的に4Vは、あまり意志の領域に自信を持っておらず、自分一人で何かをやり通すことが難しいと感じやすいタイプであるが、こういった人の中でも特に「自分の目標や願望と、他人の目標や願望とが衝突した際に、上手く落としどころを模索するのが苦手な人」「長期的な目標や願望に焦点を当て続けるのが苦手で、その時々の欲望にばかり目が向いてしまう人」が、この4V-1に分類される。
自分の願望(4Vの場合、長期的な目標というより「めんどくさい」「遊びたい」などの刹那的な欲求が多い)を優先しているように見えるという意味では1Vや2Vに似ているが、それでいて1Vのような影響力(悪い言い方をすれば、多少理不尽な要求であっても、あまりにも自信満々なせいで、思わず相手も納得してしまうような影響力)がなく、2Vであれば目が向きやすい「自他の願望を細分化して、優先順位を整理すること」にもあまり目が向かないせいで、結局「自分の願望を優先しているように見えるのに、それを実現するための意志にも欠けている人」という状態に陥りやすい。
自分の欲望のままに、あまり深く考えずに思い付きで行動してしまう人も多い。
(サイコソフィアの第1機能と第4機能は、その機能の側面に関わる思考プロセスを無意識の中で済ませてしまい、その出力結果だけを見て判断する性質があると言われる。そのため1V、4Vはどちらも「自分がなぜそれをしたいのか」「自分はなぜそれを目標にしたのか」という「なぜ」の部分をほとんど意識せず、記事冒頭で紹介した通り、「それをするか、諦めるか」だけを判断する傾向がある)
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- 4V-1と1Vの違い:
4V-1と1Vとでは、自分の目標のために、目の前の嫌な作業をどれくらい我慢して続けられるかが異なっている。4V-1は自分一人ではあまり耐えられないが、1Vは自分の目標のためであれば耐えることができる。例えば、家の中に一人で静かに勉強できる環境があるにもかかわらず、人目がある環境(できれば見張りをしてくれる人がいる環境)でなければ勉強できないタイプがこの4V-1である。
4V-1は他者からの影響を受けやすい一方で、1Vは受けにくいという違いがある。この場合の4V-1の影響の受けやすさは、「他者からの影響への反発」という形で現れることが多い(例:「私のことなんて放っておいてくれ、何もしたくないんだ!」)。勉強するには他者からの継続的な働きかけが必要ではあるが、かといって「勉強しなさい」と言われても勉強できないタイプである。「今から勉強しようと思ってたのに(実際にはそんなことない。少し遊んでから・掃除してからやるかもしれない程度の意欲しかなかった)、そんなこと言われたらやる気が失せた!」
1Vの場合、他人から何を言われても(あるいは言われなくても)モチベーションに影響しない。自分がやろうと思っていることをしようとするし、逆にやる気がないことはどれだけ脅されようがやらない。
4V-2
2Vに似た4V。
概要で紹介した特徴のうち、「他者の願望や欲望の影響を受けやすく、それに染まりやすい傾向」が比較的強く表れやすいサブタイプ。
こちらの4Vは、どちらかというと「協調性がある人」と思われることが多い。4Vの中でも、4V-1には折衝力がなく、自分の欲望を主張しがちな人が多いのに比べると、こちらは折衝力がなく、自分の欲望を主張できない(軽視しすぎてしまう)人が多い。
他者の願望や欲望、目標に注意を払い、それが叶うようサポートする側に立とうとすることが多い。ナンバー2や、縁の下の力持ち、技術面・実務面でのサポーターやアドバイザー的なポジションを好むこともある。
「自分で目標を立てる」「その目標に向かって自分自身を律する」ことに苦手意識があり、自分一人でする作業よりも、人と共同できる作業のほうがモチベーションが上がりやすい。
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- 4V-2と2Vの違い:
4V-2の場合、自分の願望や目標を後回し(場合によっては無視してまで)他人の都合を優先してしまうことがある。一方で2Vの場合、仮に他の人の話に耳を傾けたとしても、根本的にはまず自分の願望や目標を優先する。
4V-2が最もサポート力を発揮できるのは、「目標が定まった後の段階」である。目標設定の段階であまりにも右往左往してしまうような人(3Vには特にこういう人が多い)が相手の場合、4V自身もあまり適切なサポートができずに、無力感に苛まれたり、ただただ消耗させられるだけになってしまう。
一方、2Vが最もサポートする力を発揮できるのは、まさに「目標を定める段階」である。目標設定が上手くできない人をサポートするのは、2Vにとっては非常にやりがいがあって面白ささえ感じることである。
4V-3
3Vに似た4V。
概要で紹介した特徴のうち、「外部からの不当な圧力に逆らうのが苦手で、他人の言いなりになりやすい傾向」が比較的強く表れやすいサブタイプ。
この4Vは、最もステレオタイプな4Vのイメージに近い。意志の分野での自信が明らかに欠けていて、それを自分自身でも自覚していることが多い。そのため、自分の意志で目標を立てたり、決定を下したりするよりも、人の圧力に逆らわず、ただ流れに身を任せている人も多い。
「将来こんな自分になりたい」と思うことがほとんどない。4V-3が相手の言うがままになりやすいのは、相手を信頼しているからではなく、目指すべき方向性を、彼ら自身が思い描いていないからというほうが近い。
いかにも意志の分野に自信がなさそうな点から、3Vに間違えられることがある。
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- 4V-3と3Vの違い:
どちらも覇気がなく、主体性にも欠けるが、4V-3は本当に内面的にも主体性が無いに対して、3Vの場合(仮に他人に従っていても)内心では周囲のほとんどの人々の意志薄弱さや志の低さを軽蔑しているという違いがある。